マンション共用部火災保険支払事例|配管の詰まりによる水漏れ編

後藤隆史

おはようございます。
あなぶきセザールサポート保険担当の後藤です。

今回より当社が管理をお預かりしているマンションにおいて過去にあった保険事故での保険金支払い事例を紹介します。
1回目は配管の詰まりによる水漏れ事故での支払い事例です。

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目次

  • 物件概要
  • 事故状況
  • 事故原因
  • 損害額と認定額
  • まとめ

 

物件概要

神奈川県横浜市にある築年数33年のワンルームタイプが多い分譲マンション

 

事故状況

午前4時頃に廊下と洗面所(脱衣所)の床が濡れているとの連絡が入居者より連絡があり、お風呂場の点検口を開けてみたところ、上階より大量の水が漏れていることを確認した。その水からは異臭が確認された。
上階の居住者に対し現状を報告するも原因調査のための入室を拒否され、更に自力で直すとの主張をしていたが、結局居住者では対応できず漏水原因調査を実施することとなった。
その間にも階下の被害が拡大し、廊下・洗面所(脱衣所)以外にLDKにも水漏れが発生した。

 

事故原因

漏水原因調査の結果、専有部分(お部屋内)の排水管に異物が詰まり、洗濯機・キッチン流し台・お風呂場の排水が逆流、さらに配管の一部が破損していたためその破損個所より水漏れし階下へ水漏れを発生させたことが確認された。
なお、当マンションでは年に1回排水管清掃を実施していたが、当該住戸については数年間未実施が続いていた。

 

損害額と保険金認定額

今回の漏水の原因箇所は専有部分(お部屋内)の排水管の詰まりが原因であったため、階下の賠償については管理組合で加入している共用部火災保険の個人賠償責任包括特約での補償とすることが認定されました。
損害額と保険金認定額は以下のとおりです。

 

さらに今回は階下の被害者宅内の被害が大きいことから内装復旧工事完了までの約1ヵ月間のホテル料金およびペットホテル料金の476,225円が認定されています。

 

まとめ

今回の漏水原因は専有部分(お部屋内)の排水管が詰まったことによる水漏れ事故でした。加害住戸は数年間排水管清掃を実施していないこともあり、異物が溜まり排水が逆流してしまいました。他のマンション管理組合では今回のように排水管清掃を実施しなかったことによる排水管を原因とする水漏れ事故が起こった場合にはマンション共用部火災保険での事故申請はせず、自己負担(加害者の個人賠償責任保険等)で対応するなどのルールを設けているところもあります。
漏水事故が発生すると場合によっては多額の賠償となることがあります。さらにワンルームタイプのマンションでは排水管清掃の実施率が低い傾向にあるため、一度管理組合で排水管清掃実施のルールや保険対応について協議してみてはいかがでしょうか。

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後藤隆史

あなぶきハウジングサービス 後藤隆史(ごとうたかし)
北海道出身。管理組合様用火災保険の提案や管理委託契約書の作成、各種設備点検の発注業務を行っています。
フロント担当者の経験を生かし管理組合様の費用負担軽減ができるような火災保険の更新提案や各種設備点検項目の見直しなどを目指しています。少林寺拳法有段者(小学校2年生からやっていました)。火災保険や点検項目の見直しの際にはぜひとも御用命ください!
保有資格:管理業務主任者・宅地建物取引士
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