分譲マンション管理会社M&A事例紹介①「東京都デベロッパー系」

松井 久弥 松井 久弥

こんにちは。あなぶきセザールサポートの松井です。

さっそくですが、分譲マンション管理業界はこの数年で寡占化が進んでおり、その流れはまだ続くであろうと言われています。その第一の要因として、管理会社同士の合併・買収が頻繁におこなわれていることが挙げられます。

今回は、過去に当社でおこなった分譲マンション管理会社のM&A事例についてご紹介します。

 

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目次

  • 案件概要
  • 売却会社の事情
  • スキームの検討
  • スケジュール
  • クロージングまでの課題等
  • まとめ

 

案件概要

◆所在地   東京都

◆管理実績    1,000~5,000戸

◆タイプ   デベロッパー系管理会社

◆社員数   10人以下

◆営業エリア 関東

◆仲介会社    なし(両社間での直接取引)

 

売却会社の事情

売却会社はデベロッパー系の管理会社でしたので、親会社にはマンションデベロッパーがいました。このようにM&Aの対象となる会社に親会社がある場合には、通常、親会社と交渉をおこないます。今回の案件においても、マンションデベロッパーである親会社と協議をおこない、子会社である分譲マンション管理会社を売却することとなりました。

では、何故、子会社である分譲マンション管理会社を売却することになったのでしょうか?

今回のケースでは、売却会社の戦略的な事情によるところが大きかったと言えます。デベロッパーとしての資金調達や事業の選択と集中という側面もあったと思いますが、それ以上に、マンション管理業界の競争激化を背景に、将来の解約・減額リスクを考慮すると、今後の管理戸数(=会社規模)の伸びが見込めないと判断し、まとまった管理戸数がある今の内に売却した方が売却額が有利になるとの考えが強かったように思います。

 

スキームの検討

M&Aを検討する際に、最初に決めることの一つにスキームがあります。「マンション管理会社のM&Aに関する3つのスキーム」でも書きましたが、スキームの検討は大変重要となります。譲渡価額やスケジュールにも影響を与えるため、売主と買主、双方の意向を十分に確認して協議を進めていくこととなります。

今回のケースでは事業譲渡で進めることになりました。その理由は、①比較的、対象となる管理組合数が少なかったことから、個別に承認を得ることがスケジュール的にも可能であること、②売却会社の状況から、資産・負債・義務を承継しないことが条件となったこと、③当社の税務メリット、④許認可を引継ぐ必要がない、等の要件がそろったため、双方が協議の上で事業譲渡となりました。

 

スケジュール

今回のケースでは、事業譲渡契約から譲渡日まで、約2ヶ月という短い期間で、お客様への説明・承諾をいただきました。

契約締結日:管理組合の理事長に対して、事業譲渡に関する通知を発送

通知から1ヶ月以内:理事会を開催して、事業譲渡に関する説明をおこない、総会を開催することについて承認をいただく

通知から2ヶ月以内:総会を開催して、当社の重要事項説明会を開催した上で、事業譲渡に関する承認をいただく

総会から譲渡日まで:区分所有者や居住者に対する周知

※各工程の詳細は、『マンション管理会社のM&Aを成功させる4つのポイント「お客様対応編」』を参照ください

 

クロージングまでの課題等

一部の管理組合で、過去に売却会社が作成した決算報告書に不備があったことから、決算の修正や管理組合への説明に時間を要しました。また、フロント担当社員の退職も重なったため、理事会・総会の日程調整や引継ぎ等にも苦慮しました。

このような課題を解決するため、事業譲渡契約前に事前に双方で打合せを重ねて、スケジュールや資料・対応者等を細かく設定していきました。結果として、全ての管理組合から事業譲渡の承諾をいただくことができ、譲渡日には無事に管理を切換えることができました。

 

まとめ

今回の事業譲渡では、決算報告書の不備や退職もあり、当初はお客様から不安の声をいただきました。しかし、当社の取り組みや企業理念、実績等をしっかりとご説明することで、お客様の気持ちがしだいに不安から期待に変わってきたことを実感できました。

分譲マンション管理会社のM&Aは、区分所有者の集まりであるマンション管理組合に対して説明をおこなうため、多くのお客様に直接お話しする機会が多く、様々なご意見をいただきますが、これをお客様へ想いを伝える絶好の機会をとらえて対応することができれば、良い結果につながるのだと思いました。

 

<参考記事>

マンション管理会社の売却・譲渡(M&A)を成功させるために知っておきたい9つのこと

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松井 久弥

松井 久弥

あなぶきハウジングサービス:松井 久弥(まつい ひさや)
2000年あなぶきハウジングサービス入社。
全国10都道府県において、管理担当・リプレイス営業・新規拠点立上げ・部門責任者に従事。特にマンション管理会社のM&Aにおいては、案件化からデューデリ・譲渡契約・お客様対応全般・統合後プロセス(PMI)までを実践。
マンション管理士、M&Aシニアエキスパート。
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