マンションの給水方式について~貯水槽方式~

飯野琢磨

こんにちは、あなぶきハウジングサービスの飯野です。

本日はマンション給水方式の貯水槽方式についてご紹介します。

基本的には全てマンション敷地内に水をためるタンクを介して各住戸へ水を供給しますが、貯水槽方式は大きく分けて3種類あるのでそれぞれご紹介します。

※前回の「マンションの給水方式について~水道直結方式~」も参照ください。

 

目次

  • 受水槽高架水槽方式
  • 増圧直結高架水槽方式
  • 加圧給水方式
  • まとめ

 

 

 受水槽高架水槽方式

受水槽高架水槽方式とは、1階もしくは地下階に受水槽が、最上階に高架水槽があり水道本管から給水された水を一時的にためて使います。そのため災害等が発生して排水管が破損しても、貯水槽が空にならない限り水は使用できます。しかしその反面貯水槽の清掃を年1回行わなければならず、経常的にメンテナンス費用が発生しますし、貯水槽本体も寿命があるため交換時には大きな費用が発生します。また水を供給するためにはポンプも必要になるため貯水槽だけでなくポンプのメンテナンス費用も発生します。築年数が10年以上のマンションはこのポンプの交換時期が到来するため、そのタイミングで給水方式を変更し貯水槽を経由しない方式への変更を検討してもいいと思います。もちろんそれ以上の年数が経ったマンションも日々メンテナンス費用が発生しますし、設置状況にもよりますが貯水槽も25年を超えると交換時期になるため、貯水槽交換とともに給水方式変更を検討してください。

 増圧直結高架水槽方式

先ほど説明した受水槽高架水槽方式の受水槽が無い給水方式と考えて下さい。水道本管から建物に設置の増圧ポンプを経由して屋上に設置している高架水槽へ水を送り、高架水槽から水は重力に従って各戸へ水を供給します。受水槽高架水槽方式からこの方式へ変更するマンションもあります。受水槽高架水槽方式から増圧直結方式へ変更する場合マンション内の配管ルート変更も必要となるため、費用が高額となる場合があります。既存の配管を利用しつつさらに受水槽を使用しない給水方式がこの方式となります。ただし個の給水方式は地方公共団体によっては許可がおりないため、地域によっては変更できません。

加圧給水方式

加圧給水方式とは受水槽高架水槽方式の高架水槽が無く、1階もしくは地階に設置されている受水槽から加圧給水ポンプを利用して各戸へ水を供給する方式です。先ほど説明した「受水槽高架水槽方式」「増圧直結高架水槽方式」は共に重力による給水のため、上階は水圧が低くなることや、屋上に水槽が設置されるため美観も損なう欠点がありますが、この方式は屋上へは水槽が無いため美観も損なわずさらにポンプで水を送るためどの住戸も同じ水圧となるところがメリットです。                    ただし、やはりポンプや受水槽のメンテナンスや交換費用が将来的にかかってくることがデメリットとなります。

まとめ

本日説明した方式は全てマンション内に貯水槽が設置される給水方式です。貯水槽があることで、共用部のスペースを圧迫していたり、年1回清掃をするため費用がかかるなどメンテナンス費用も直結方式と比較し多く発生します。ポンプや受水槽の交換時期が到来したときはもちろんのこと、特に交換時期に差し掛かっていなくても給水方式を検討するだけであれば無料でできるため、ご自身がお住まいになっているマンションの給水方式がどのように変更することが出来るのか一度検討してみてください。

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飯野琢磨

あなぶきハウジングサービス 飯野 琢磨(いいの たくま)
前職では大工や建築積算を経験。入社後、マンション修繕工事のコンサル業務、分譲マンションのリプレイス営業、分譲マンションのフロントを経験。
マンション管理のことについてはもちろんのこと、リフォームやリプレイスなどさまざまな視点から幅広い情報を提供します。
所有資格:一級建築士・マンション管理士・管理業務主任者・宅地建物取引士
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