こんにちは。
前回のブログの冒頭で、管理組合の役員のなり手が減り、「マンション標準管理規約」の見直しがされるような状況であることをお伝えしましたので、今回は、マンションの法律でもある「管理規約」についてご紹介します。
目次
- 1.そもそも「管理規約」って、何?
- 2.「マンション標準管理規約」の改正
- 3.何故、「管理規約」の見直しが必要なの?
- まとめ
1.そもそも「管理規約」って、何?
日本人が日本で生活するに当たって、日本国憲法などのルールを守って生活しているように、マンションで生活するためには、「管理規約」というマンションのルールを全員が守ることが義務付けられています。
何故、「管理規約」は必要なのでしょう。答えは簡単です。マンションには、考え方も価値観も違う多くのご家族が一つ屋根の下で生活をしています。そこで、マンションに住んでいる方々が、快適な住生活を送ることや建物を適切に維持管理するためには、「管理規約」という守るべきルールの制定が必要です。「管理規約」以外にも「使用細則」・「駐車場使用細則」・「駐輪場使用細則」・「ペット細則」など、様々なルールがマンションにはあり、これらのルールを守ることで快適なマンションライフを送ることが出来るわけです。このルールが守らなければ、マンションの資産価値は下がることは免れません。
「管理規約」に何が定められているかというと、財産の管理・総会運営・理事会運営・会計業務などの管理組合運営を適切に行うための守るべきルールが記載されています。「管理規約」は区分所有法が基本となっていますが、区分所有法やマンション管理適正化法を留意して、それぞれのマンションにあった「管理規約」に改正することは出来ます。
2.「マンション標準管理規約」の改正
以前は「中高層共同住宅標準管理規約」という呼び名でしたが、平成16年に「マンション標準管理規約」へ変更されました。その際には、マンション管理士の活用や建替に関する規定など、マンション管理適正化法に合わせた「管理規約」へ変更が行われました。また、平成23年には、役員のなり手不足・財産の分別管理・議決権行使書による意思表示などの改正が行われました。現在も「マンション標準管理規約」の改正が検討されており、コミュニティ形成の重要性・外部専門家を管理者にすることを認めるなどの改正などを検討していますので、近いうちに公表されると思います。
3.何故、「管理規約」の改正が必要なの?
竣工間もないマンションの「管理規約」は、「マンション標準管理規約」に沿って制定されていることが大半ですが、築年数の経っているマンションでは、管理会社から改正の提案がなければ、「マンション標準管理規約」に沿っていなことも多いのではないでしょうか。マンションの「管理規約」を「マンション標準管理規約」に沿った形に変更することは、快適なマンション生活を送るためにも必要だと思います。
但し、各マンションの世帯数も違えば、建物の構造や設備も異なります。また、住んでいる方々の年齢層や家族構成も異なり、全く同じマンションなど存在しないので、全てのマンションで同じ「管理規約」を制定していることに疑問を感じます。なので、私はマンションの数だけ「管理規約」があるべきだと考えます。時間は掛かるかもしれませんが、自分たちのマンションにあった「管理規約」を、管理会社と協力して改正することを進めてみましょう。
4.まとめ
今回は、「管理規約」についてご紹介させていただきました。「管理規約」とは、マンションの憲法でありますが、区分所有法やマンション管理適正化法を留意すれば改正することも可能ですので、十分に時間を掛けて精査しなければなりません。規約改正を管理組合のみで行うことは非常に困難なので、管理会社に協力してもらうことは必須となります。 また、マンション管理士などに依頼して作成している管理組合様も少なくありません。
管理規約の改正において気を付けてほしいのは、自分のマンションにあった改正を行うことは勿論のこと、弁護士などのチェックを受けることは行ってください。せっかく多くの時間を費やし考えても、区分所有法やマンション管理適正化法に抵触してしまっては意味がありません。管理会社などの顧問弁護士などを活用すると良いでしょう。

松井 久弥

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