分譲マンションのエレベーターリニューアルで成功する3つのポイント

松井 久弥 松井 久弥

分譲マンションのエレベーター設置率は年々増加しており、5階建以下のマンションでも新築時における設置率はほぼ100%に達しています。築30年以前のマンションでは5階建てくらいまではエレベーターが無いものも多くありましたが、現在は低層マンションでも標準で設置されています。

エレベーターは人間の生命を預かって毎日稼働している機械ですので、適切な時期で交換が必要です。今回はエレベーターのリニューアルを検討している管理組合において成功するポイントをご紹介します。

 

EVR

 

エレベーターの修繕周期は?

国土交通省の「長期修繕計画標準様式・作成ガイドライン活用の手引き」によると、エレベーターの修繕周期は補修15年、取替30年とされています。補修についてはエレベーターの使用状況や契約形態(フルメンテナンス契約かPOG契約か)によっても変わってきますが、取替については30年の周期が1つの目安になると思います。

しかし実際には25年で交換したり、修繕積立金の問題から30年を超えてから交換するケースもあるのが現状です。適切な時期についてはエレベーターのメンテナンス会社から十分なヒアリングをおこない判断していくことになります。

 

ポイント① いつ頃からリニューアルを検討するのか

検討の時期としては築20~25年目あたりが目安になると思います。この時期は2回目の大規模修繕工事が終わり、これから設備関係の修繕が本格的に始まるタイミングですので、その中でも費用がかかるエレベーターのリニューアルについて最初に検討していきます。エレベーターのメンテナンス会社が作成している報告書を確認し、場合によっては理事会等に出席してもらい説明を受けるようにします。

 

ポイント② リニューアル3つの方法

ところでリニューアルと言えば『エレベーターのかご本体の取替え』を想像する方が多いのですが、その他に『一部撤去する方式』や『制御部品だけを交換する方式』があります。

☑ 全撤去新設リニューアル

エレベーターを撤去し、かごを含めて全部品を最新商品に取り替えます。

特徴:工期が長い、費用が高い、建築確認が必要になる、全て新品になるため見た目が良くなり次回の修繕計画を組みやすい

☑ 準撤去リニューアル

建物に設置されている機器(ガイドレール、乗り場の三方枠等)は再使用し、ロープ・制御盤・巻き上げ機等を最新商品に取り替えます。

特徴:工期が比較的短い、費用はやや高い(既存のエレベーターに合わせて部品をオーダーするケースも)、建築確認の必要がない、見た目に古い部分が残る場合がある、再使用した機器の修繕計画が必要となる

☑ 制御部品リニューアル

部分的に経年劣化した制御部品等を主に取り替えます。

特徴:工期が短い、費用が少ない、建築確認が必要なし、見た目に古い部分が残る、取替していない機器の修繕計画が必要となる

 

金額以外に確認しておくこと

リニューアルの際にはいくつか確認しておく項目があります。

☑ リニューアル費用

リニューアルの方法によって費用は異なります。また、工法によってはメーカーを変更できるケースもあります。

☑ オプション

リニューアルを機にオプションを設置することが一般的です。オプションの例としては地震時管制運転装置(P波・S波)、停電時管制運転、戸開走行保護装置、防犯カメラ等があります。

☑ リニューアル後のメンテナンス費用

エレベーターは定期的なメンテナンスが必要です。リニューアル後のメンテナンス費用や方式(フルメンテナンス・POG)についても事前に確認しておきます。

☑ 工期

リニューアルによりエレベーターが使用できない期間が発生します。特にエレベーターが1機しかないマンションでは、高層階に居住している方への事前説明やフォローが必要になります。

 

まとめ

人の命を預かる設備であるエレベーターのリニューアルは管理組合として避けて通れない課題です。適切な時期に交換するためには事前に長期修繕計画で交換時期や予算を組み込んでおき、早い段階から検討を始めることが必要です。交換時期が来ているのにお金が無くて交換を先延ばしにしたマンションを見たことがありますが、居住者の方が大きな不安を持って生活されていただけでなく、マンションの資産価値にも影響を与えていると感じました。

当社では担当者からリニューアル検討のタイミングについて理事会等に提案をしています。ご不明な方は一度マンション管理会社に聞いてみてはいかがでしょうか?

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松井 久弥

松井 久弥

あなぶきハウジングサービス:松井 久弥(まつい ひさや)
2000年あなぶきハウジングサービス入社。
全国10都道府県において、管理担当・リプレイス営業・新規拠点立上げ・部門責任者に従事。特にマンション管理会社のM&Aにおいては、案件化からデューデリ・譲渡契約・お客様対応全般・統合後プロセス(PMI)までを実践。
マンション管理士、M&Aシニアエキスパート。
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