大規模修繕工事のコストを下げる3つの方法

中西克彦 中西克彦

銅像で有名な二宮尊徳は節約について「入るをはかりて、出ずるを為す」と言いました。

「収入を考えて、支出を抑える」というシンプルですがとても効果的な方法ですね。

大規模修繕工事でも、節約をしたいと思う人は多いと思います。節約の3つの方法について考えて見ましょう。

 

 

1.大規模修繕工事の実施時期について考える

マンションでは長期修繕計画が設定されていることが多いですが、10年目あたりから、大規模修繕工事の検討を開始することが多くなります。

国交省の改修マニュアルでは12年程度が推奨周期とされていますので、10年目ぐらいから準備を開始します。

また、国交省の「マンション大規模修繕工事に関する実態調査」というアンケートデータでは、1回目の大規模修繕工事は、築13~16年目で実施されているマンションが最多のようです。

 

大規模修繕工事の実施時期で節約は可能でしょうか?

仮にマンションの大規模修繕工事を60年目に実施するとして、

12年周期なら5回目の大規模修繕工事(5回目が築60年)

15年周期なら4回目の大規模修繕工事(4回目が築60年)となり、15年周期だと1回分節約できます。

しかし、大規模修繕工事の実施を伸ばした場合、デメリットはあるのでしょうか?

・建物の劣化が進んで、修繕費が余計にかかる場合がある。

・外観や住み心地が悪くなり。我慢ができなくなる。などが考えられます。

大規模修繕工事の実施の時期は早すぎず、遅すぎずのバランスをとることが大事ですね。

 

 

2.専門家等のコストを考える

大規模修繕工事は、一般的に設計会社や工事会社等の建築専門家の支援が必要です。

専門家に予算に応じたプランの作成をしてもらい、工事の無駄を省くことが可能です。

 

建築専門家による支援方法としては、「設計監理方式」と「責任施工方式」があります。

それぞれ下記のような特徴がありますので、どのようなコスト削減が可能でしょうか。

 

●「設計監理方式」

・設計会社に「調査」「設計」「工事会社選定」「工事監理」などの業務を委託する方式

メリット:工事会社の競争入札を通じ、コスト引き下げが可能。

デメリット:設計会社に支払うコストが別途かかる。

 

●「責任施工方式」

・信頼できる工事会社に、調査・内訳書作成から工事完了まで委託する方式

メリット:設計会社に支払うコストがかからない。

デメリット:工事内容が工事会社の得意な工法に偏る可能性がある。

 

どちらにも一長一短があります。

専門家に任せっぱなしではなく、コスト意識を持って依頼をすることが大切ですね。

 

3.保証内容・アフター点検の対応について考える

 大規模修繕工事は工事が完了したら「終わり」ではありません。

工事後の保証期間やアフター点検もコスト削減のうえでは重要です。

 

●工事の「保証期間」

当然ですが、工事の保証は長いほど有利です。

防水工事であれば「漏水5年保証」よりは「漏水10年保証」の方が、「保証が切れた後に発生する修理」のコストが節約できます。

しかし、工事の材料や工事仕様によって保証年数が変わりますので注意が必要です。

 

●工事完了後の「アフター点検」

工事の保証が切れる前に「アフター点検」を行ってもらい、工事の不具合を早めに補修してもらえばコスト削減につながります。

工事の保証が切れたあとに不具合が出ても無償補修は難しくなりますので、コストアップになります。

大規模修繕工事は多くの場合、工事完了後に無料アフター点検があります。

しかし、工事会社や工事の仕様によって、アフター点検が1年のみの場合や、1年・3年・5年などの複数年の場合などがあります。

当然、アフター点検の年数や頻度が多い方が「うっかり保証切れ」を減らすことになります。

アフター点検にも注目しましょう。

  ↑アフター点検中

 

4.最後に

大規模修繕工事は、計画段階から工事完了後までを見直すことで、よりコストの削減ができます。

「一円を笑う者は一円に泣く」

しっかり倹約し、使うべきところには使う姿勢で、マンションを末長く維持していきましょう。

 

 

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中西克彦

中西克彦

あなぶき建設工業 中西 克彦(なかにし かつひこ)
2013年入社。中四国・近畿を中心にマンション大規模修繕工事の現場管理をしています。
県外の物件に行くときはアプリで美味しいお店をチェックすることが楽しみです。
保有資格:1級建築士・1級建築施工管理技士
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