皆様、こんにちは。
株式会社ヨコイ 立駐事業本部 工務部 工務課の熊野です。
機械式駐車装置の保守・修繕を行っております。
このブログを通じて機械式立体駐車装置に関する作業員ならではの内容をお伝えし、皆様にほんの少しでもお役に立てれば良いなと思っております。
第1弾としましては、機械式立体駐車装置における車両事故についてお伝えしたい思います。
車両事故とは
皆様は、機械式立体駐車装置において、車両事故というとどのような事故を思い浮かべますでしょうか?
入庫車を乗せているパレットが傾いた?入庫車が落下した?入庫車から火が出た?
確かに、どれも極めて低い確率ではありますが、発生する可能性はゼロではありません。
ですがここでは、よくある車両事故についていくつかご紹介したいと思います。
では、よくある車両事故とはどういったものがあるかというと
- ドアミラー(サイドミラー)の未格納による装置への接触事故
- 全高オーバー車両の誤入庫による装置への接触事故
- 運転操作を誤りタイヤ止めを乗り越えた事による装置への接触事故
現在弊社で発生する車両事故としては上記3つが大半を占めております。
それでは、一つずつ確認してみましょう。
ドアミラー(サイドミラー)の未格納による装置への接触事故
昨今はドアロック操作により自動でドアミラーが開閉する車両が多くなっております。
便利な世の中になりましたね。しかし、この便利さが仇となる場合があります。
それは、出庫の際に、まだ装置が動いているのにも関わらず誤ってドアロックを操作した事によりドアミラーが開いてしまい、稼働中の装置と車両のドアミラーが接触して折損する事例があります。
また、自動でドアミラーが開閉しない車両の場合、都度手動にてドアミラーを格納して頂く必要があります。
ですが、入庫した際に手動でドアミラーを閉じ忘れると、パレット格納時に装置に接触してしまうという事例も多くあります。
※リアハッチについても同様で、装置稼働中は誤って操作してしまうと、装置に接触していまいます。
ドアミラーを閉じた事の確認、装置が停止するまではドアロックを操作しない。
という事を徹底して頂く事により、事故を防げます。
全高オーバー車両の誤入庫による装置への接触事故
装置をご使用になる場合、入庫できる車両の寸法(全長・全幅・全高・重量)を守って頂く必要があります。
初回使用時は入庫される車両の寸法の確認をされると思います。
ですが車検等により代車をご利用の場合、代車が全高オーバー車両である事を見落としたまま普段通り入庫してしまい、パレット格納時に梁と代車の屋根部分が接触してしまった。という事例があります。
普段使用している車両と異なる場合は必ず諸元の確認をお願いいたします。
(諸元については2023年度ブログ担当の川村が説明しているページがありましたので記載いたします。
その車は停められる? 機械式駐車場の注意点)
運転操作を誤りタイヤ止めを乗り越えた事による装置への接触事故
入庫の際、適切な停車位置(タイヤ止めに当たっている)である事に気付かずに更に後進した場合、
タイヤ止めを乗り越えて装置奥にある壁や昇降部品に接触してしまいます。
入庫の際には、十分に確認しながらの入庫をお願いいたします。
おまけ
車両事故ではありませんが、
装置内での落とし物の回収作業も大変多くなっています。
車両が地下に格納されるタイプの装置での話に限定されますが、入庫が完了して車両から降りる際や、出庫しようと車両に乗り込む際に、
カバンやズボンのポケット等からスマホや車・家の鍵がポロッと落ちてしまい、それが不幸にも装置の隙間から地下に落ちていった。
という事例が多数ございます。
隙間から落ちてしまった場合、構造にもよりますが、約10mほど下にある地下ピットまで落ちてしまっている為、自力で拾う事は大変危険です。
保守業者にご連絡頂いたとしても、作業員の到着までに1時間程度お待ち頂く事になりますので、
車両への乗降の際にはポケットの中やカバン等に十分注意して頂ければと思います。
おわりに
皆様、いかがでしたでしょうか。
上記のよくある事故につきましては、ご利用者様の確認によりゼロにできると言っても過言ではありません。
毎日使用していると油断してしまったり、注意力が低下したりするかもしれません。
ご覧になられている方に機械式駐車装置をご使用頂いている方がいらっしゃいましたら、十分にご注意頂きますようお願いいたします。
次回も皆様のお役に立てるような内容を発信できるよう善処いたします。
最後までお読みいただきありがとうございます。
熊野佑矢
立駐事業本部 工務部 技術課
熊野佑矢
2008年入社 自社製機械式立体駐車場の現場作業員だからこそ知るような事を配信できればいいなと思います。
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