賃貸オーナー様必見!マイナンバーの提供OK?NG?

三輪有香

あなぶきハウジングサービスの三輪です。
平成28年より運用が開始されたマイナンバー制度。
今回はマイナンバー法施行にあたり、賃貸オーナー様より『マイナンバーを提出するよう通知がきた!』というお問い合わせを多々頂きますので、その点についてご説明したいと思います。

目次

  • マイナンバーを提出しなければならないケース
  • マイナンバーを提出する影響
  • マイナンバーを提出するリスク
  • マイナンバー提出しないとどうなる?罰則は?
  • まとめ

マイナンバーを提出しなければならないケース

「確定申告」への記載

サラリーマンの方で、副業として不動産投資をされている方や、持家を実住していない期間だけ賃貸に出すようなケースですと、1年間の不動産所得が20万円以上の場合は確定申告が必要です。
マイナンバー法施行後は税務署に提出する「確定申告書」に納税者であるオーナー様のマイナンバーを記載する欄ができました。このため、提出時にマイナンバーを記載しなければなりません。
尚、配偶者控除や扶養控除などを受ける親族がいる場合は、その親族のマイナンバーも記載する必要があります。

「不動産の使用料等の支払調書」への記載

借主が法人(法人契約)の場合、借主である法人様は毎年「不動産の使用料等の支払調書」を作成し、税務署に提出しなければなりません。
この支払調書に家賃の支払先であるオーナー様の氏名や住所、更にマイナンバーを記載する欄が追加されました。そのため、年末年始にかけて借主法人様からオーナー様のところへマイナンバーに関する問合せやご提出依頼の通知が届くようになります。
原則として、賃借人である法人様自身がマイナンバーの取得を行うのですが、社宅代行会社と提携している法人様の場合は、この社宅代行会社が借主法人様に代わってマイナンバーの取得を行うケースもあります。その際は、耳慣れない会社からマイナンバーの提出を求められることになりますが、通知文書等をご確認いただければその旨記載があるかと思います。
尚、借主が個人(個人契約)の場合には、借主様へマイナンバーを提出する必要はありません。

マイナンバーを提出する影響

前項にてご説明した通り、確定申告書と支払調書にオーナー様のマイナンバーを記載するようになるので、確定申告書の家賃等の申告漏れや収入漏れが早い段階で分かるようになります。
オーナー様の方でも確定申告の際には今一度、間違いがないかを確認し、税務署へ書類を提出するようにしましょう。

マイナンバーを提出するリスク

マイナンバーはいわば個人情報の固まりと言えるもの。安易に教えて大丈夫か、ご心配される方も多くいらっしゃるでしょう。
「マイナンバー法」にて、マイナンバーの取り扱いについて細かく定められています。支払調書作成のためマイナンバーを収集した際には、適切に管理をし、当初の利用目的以外の使用はできないよう定められています。

Q4-4-1  民間事業者がマイナンバーを取り扱うにあたって、注意すべきことはありますか。

A4-4-1  原則として法に定められた利用範囲を超えてマイナンバーを利用することはできませんし、特定個人情報(マイナンバーをその内容に含む個人情報Q5-6参照)をむやみに提供することもできません。 また、マイナンバーを取り扱う際は、その漏えい、滅失、毀損を防止するなど、マイナンバーの適切な管理のために必要な措置を講じなければなりません。 具体的な措置については、個人情報保護委員会からガイドライン(個人情報保護委員会ホームページ)別ウィンドウで開きますが示されていますので、そちらをご覧ください。
なお、特定個人情報を不適正に取り扱った場合には、個人情報保護委員会から指導・助言や勧告・命令を受ける場合があるほか、正当な理由がないのに、個人の秘密が記録された特定個人情報ファイル(マイナンバーをその内容に含む個人情報ファイル Q5-6参照)を提供した場合などには、処罰の対象(Q5-10参照)となります。(2014年6月回答)

引用元:内閣府ホームページ  >  内閣府の政策  >  社会保障・税番号制度  >  よくある質問(FAQ)  >  (4)民間事業者における取扱いに関する質問

以上のように、従前の個人情報保護法と相まって、法律による定めに基づき、指導や罰則の規定も設けられています。借主法人様にマイナンバーを提供することによって、大幅にリスクが増える可能性というのは低いように思われます。
また、国税庁より、「不動産の売主・貸主のみなさまへ 取引先へマイナンバーの提供をお願いします」という告知文書がアップされております。こちらもご参考ください。
https://www.nta.go.jp/mynumberinfo/pdf/mynumber_fudosan.pdf

マイナンバー提出しないとどうなる?罰則は?

Q1-5 支払を受ける者からマイナンバー(個人番号)の提供が受けられなかった場合、マイナンバー(個人番号)を記載せずに法定調書を提出することとなりますが、その場合、摘要欄に何か表示する必要はありますか。

(答)

マイナンバー(個人番号)の記載がない理由を摘要欄に記載する必要はありませんが、記載のない理由を確認させていただく場合がありますので、記載できない理由等を別途記録するなど、分かるようにしておいていただくようお願いします。

引用元:国税庁ホームページ>社会保障・税番号制度<マイナンバー>について>社会保障・税番号制度<マイナンバー>FAQ>法定調書に関するFAQ>法定調書に関するFAQ

以上のように、現在の時点ではマイナンバーの提供を断ったとしても、特段罰則等はありません。税務署の方でもマイナンバーの記載がなくても書類を受理してくれます。
しかし、借主法人様の方では「提供依頼をしたが、取得できなかった」というような記載ができない理由を明確にしておく必要があります。

まとめ

以上の様に、借主法人様から利用目的を明示した上で、マイナンバーの提供を求められた際には、不正使用や詐欺目的といった可能性は限りなく低いと思われます。法的にはマイナンバー記載が原則義務付けられた書類になりますので、可能であれば借主法人様にご協力をしてあげたいですね。
もちろん、マイナンバーは大切な個人情報ですので、オーナー様にて慎重に検討し判断することも大切です。
どうしても提供したくない時や、不安な時には、マイナンバーを提供する前に、相手方に問合せしてみることも一つの方法です。また、内閣府や国税庁といった公的機関でもマイナンバーに関する電話相談の窓口を用意していますので、一度ご相談してみても良いかもしれませんね。

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三輪有香

あなぶきスペースシェア 運営事業部 三輪 有香(みわ ゆか)
島根大学卒業後、2009年に入社しました。賃貸物件の仲介営業に4年間従事し企画室へ。1年半の産休・育休を取得後、賃貸事業部に復帰しました。2018年2月1日にあなぶきスペースシェアの設立と共に現在の会社へ。初めて触れるシェアリングエコノミー事業ですが、七転八起で頑張ります。保有資格:宅地建物取引士、管理業務主任者、福祉住環境コーディネーター2級
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