賃貸マンションの専用ゴミ置き場への不法投棄の原因と対策~前編~

藤川展行

あなぶきハウジングサービスの藤川です。
賃貸のオーナー様や管理会社にとって頭を悩ませるのが、この「賃貸マンション専用のゴミ置き場への不法投棄問題」です。
不法投棄者が非常に分かりにくいため、損害賠償を請求することも難しく、さらには処分するための費用を請求する先もありませんので、オーナー様が支払わなければならないケースがあります。
今回は、不法投棄の原因となる項目についてお話しします。

 

 

①入居者のマナーが悪く、ゴミ置き場に常にゴミがある

分別ができていない

入居者が出すゴミ自体が分別されていないため、地方自治体や塵芥業者が回収できずに現地へ残してしまうため、“ゴミ置き場に常にゴミが残っている”という状況が発生します。
そうなると、不法投棄者は管理されていないゴミ置き場として判断し、ゴミを捨てやすい環境になってしまうわけです。
地方自治体によって分別方法がそれぞれ異なるため、賃貸マンションの場合は特に起こりやすい事象です。

粗大ゴミを出す

新しく入居する際に、粗大ゴミの処理方法が記載された案内文を入居者に配布するのが一般的ですが、案内を配布していたとしても、きちんと守らない入居者がいます。
粗大ゴミについても、分別されていないゴミと同様、ゴミ置き場に残ってしまううえに、不法投棄されるのは粗大ゴミが多いため、さらに不法投棄を呼び寄せてしまう原因となってしまうのです。

事業ゴミ(産業廃棄物)を出す

マンションに店舗や事務所が入っていないのに、事業ゴミが相当な数で投棄されることがあります。
それは、「入居者が勤めている勤務先のゴミを自宅に持ち帰って捨てている」というケースです。
過去、私の経験では大量の段ボールや大量のペットボトル・ひどい時には冷蔵庫3台、洗濯機2台、炊飯器2台が捨てられていた!ということもありました。

②自治体のゴミ置き場が遠い

これは中々避けがたい事象ですが、“マンションが建っているエリアのゴミ置き場が遠い”というパターンです。
朝の忙しい時間帯に、決まった時間までに出さなければならないゴミであるがゆえに、ゴミ置き場が遠いと「まぁ、どうせ回収されるから同じだろう」と考える近隣の住人が不法投棄をしてしまいます。
この場合でも正確に分別してくれていれば問題となることは少ないのですが、決まった場所に出せない人は、分別も正確にできていませんよね…。
結果、さらなる不法投棄を呼び込んでしまいます。

③近くに人が集まる場所がある

コンビニや自動販売機・公園などが近くにある場合です。
以前、コンビニや公園ではゴミ箱を置いていましたが、コンビニや公園も不法投棄が絶えず、今では大半のコンビニがゴミ箱を店内へと移動させ、公園もゴミ箱自体をなくしているところがほとんどです。
その結果、コンビニで買った商品や、自動販売機の空き缶、公園で食べたもののゴミなどを捨てる場所に困った利用者が近くのマンションのゴミ置き場に不法投棄するというわけです。

④ゴミ置き場の形に問題がある

ゴミ置き場はマンションによってそれぞれ大きさや構造等(簡易に設置できるボックス型ものや、ブロックで囲んだもの、建物と同様にコンクリートで作ったものなど)が異なります。
その中でも不法投棄が多いのは、『扉やネットが付いていないゴミ置き場』です。
扉やネットがない場合、通りすがりに投棄することができ、短時間で人目につかず投棄することができます。
扉があっても屋根がないゴミ置き場も上から投げ入れられるため要注意です。

⑤まとめ

以上が、不法投棄を発生させている代表例です。ゴミの不法投棄でお困りのオーナー様は、所有しているマンションのゴミ置き場がどの項目に当てはまるのかを確認して対策を打つ必要があります。対策については次回お話ししていきますね!

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藤川展行

あなぶきグループ 藤川 展行(ふじかわ のぶゆき)
うどん県出身。穴吹カレッジを卒業後、20歳で株式会社穴吹ハウジングサービスに入社。
カーテンや照明などの物品販売営業、室内リフォーム営業、マンションの大規模修繕(外壁改修)営業を経て、賃貸マンションの管理業務・新商品の開発に従事。県外への転勤の際に、自宅用に購入したマンションを貸し出しし、賃貸オーナーとしても奮闘中。。
プライベートでは、さぬきうどん研究会に入会し「さぬきうどん」について勉強しています。

保有資格:賃貸不動産経営管理士、上級相続支援コンサルタント、CPM(米国不動産経営管理士)、CCIM(米国不動産投資顧問)、マンション維持修繕技術者、宅地建物取引士等
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