分譲マンションで役員が知っておきたいマンションルール|管理規約④

北原浩二

あなぶきハウジングサービスの北原です。
今年も早いものであと一月(ひとつき)となりました。今年の8月に当ブログを書き始めて4ケ月が経過し、その間7回のブログをアップをさせていただきました。今後も皆様のお役に立つ情報をご提供できるように努めてまいります。どうぞよろしくお願いします。
前回に引き続き管理規約④としてお届けします。今回は、マンション全戸の区分所有者がご参加の対象となる「総会」について記載します。

ご参考のため、前回までの管理規約シリーズ①~③は、こちらをクリックしてください。

→分譲マンションで役員が知っておきたいマンションルール|管理規約① (管理規約とは、バルコニーの管理)

→分譲マンションで役員が知っておきたいマンションルール|管理規約② (管理費、修繕積立金)

→分譲マンションで役員が知っておきたいマンションルール|管理規約③ (管理組合の役員)

 

目次

  • ♥マンションの重要な決まり事が決定する会合
  • ♥通常総会と臨時総会
  • ♥総会の議決事項
  • ♥総会の議決方法
  • ♥まとめ

♥マンションの重要な決まり事が決定する会合

分譲マンションを代表とする区分所有建物の場合、一棟の建物に多くの人が共同生活を営んでおり、トラブルや管理上の混乱が生じてしまう恐れがあります。そこで「建物の区分所有等に関する法律」=通称「区分所有法」というマンション生活を交通整理してくれる法律が存在します。この法律の全体構成のご説明は、別の機会にできたらと思います。
この法律の中では、集会(管理規約では総会となります)が、最高の意思決定機関とされています。つまり、集会(総会)では、建物や敷地等の管理に関する重要な事項が決められていくようになっています。

♥通常総会と臨時総会

総会には、通常総会と臨時総会があります。
通常総会
・毎年1回、会計年度開始以後2ケ月以内(3ケ月としている場合も多いです。)に行います。
臨時総会
・理事会の決議を経ていつでも開催できます。次の通常総会まで待てない案件が議案となります。
・理事及び組合運営に不正があると認められるときに限定して監事さんが招集します。
・一定数以上(1/5以上)の組合員からの請求により開催できます。
・通常総会で決まった予算を修正するとき開催します。
・管理会社を変更するとき開催します。
お分かりの通り、臨時総会は、普通の事ではない特別感(?)があると思いませんか。開催パターンは、いろいろありますが、開催頻度はあまり多くはありません。

通常総会での議長は、原則理事長さんが行うようになります。とはいえ、議案の準備・説明・会合の進行など初めて理事長を引き受けた方には、ハードルが高いことかと思います。一般的には、我々管理会社が、管理を受託している範囲内で、議案準備・会合補助を行いますので、どうかご安心ください。

♥総会の議決事項

総会での承認が必要な内容をわかりやすい表現で列挙したいと思います。
①一年間の決算(会計)と管理組合としての一年間の事業の報告
②次の年の予算(会計)と管理組合としての次の一年間の事業の計画
③管理費・駐車場使用料などの金額変更
④管理規約・使用細則の変更
⑤長期修繕計画の決定
⑥資金の借り入れ
⑦修繕積立金の取り崩しと保管方法・運用方法(金融機関への預け入れ)
⑧共同の利益への違反行為に対する各種訴えの提起
⑨役員の選任
⑩管理会社との契約
などです。

♥総会の議決方法

議決方法の前に定足数について記載します。
定足数とは、わかりやすく言えば、成立要件の事です。総会の成立要件は、標準管理規約によると「議決権総数の半数以上」となっています。つまり、半数以上の出席が必要ということですが、出席方法には、次の3パターンがあり、①+②+③合計を出席数とします。
①自分が出席する。
②自分は欠席するかわり、他の人に委任する。(委任状出席)
③自分は欠席するかわり、書類で意思決定を伝える。(書面行使出席)

次に議決方法です。総会の議決は、その議決の重要度・慎重度に応じて3種類あります。
①通常決議
出席組合員の議決権の過半数で決する場合
⇒ 下記②③以外は、このパターンです。
②特別決議
組合員総数の3/4以上及び議決権総数の3/4以上で決する場合
⇒ 規約変更、敷地共用部分の変更など
③建替え決議
組合員総数の4/5以上及び議決権総数の4/5以上で決する場合
⇒ マンションの建て替え

♥まとめ

通常のファミリータイプの小規模・中規模マンションにおいては、総会への出席者は減少しつつあり、前述した委任状出席・書面行使出席をあわせてぎりぎり定足数となる例が多いようです。
管理組合にとって最も困るのは、総会に出席頂けない区分所有者の自己主張発言です。皆様のマンションでもそのような方がいらっしゃるかもしれませんが、総会で協議、決定していくというスタイル・スタンスを基本としてください。
以前にも記載した通り、規約の目的は、区分所有者の共同の利益を促進し、良好な住環境を確保することです。そのために建物や敷地等の管理に関する事項が決められていく総会は、とても重要な位置づけとなります。
一人でも多くの区分所有者が出席頂ける総会となるような工夫を提案することも弊社あなぶきハウジングサービスの提案力の一例です。総会への参加者減少でお困りの管理組合の方は、弊社へ一度お声掛け頂ければと思います。

 

 

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北原浩二

あなぶきハウジングサービス 北原 浩二(きたはら こうじ)
あなぶきグループ入社一筋。戸建住宅販売・不動産売買仲介・ホテルフロント・ 賃貸仲介・分譲マンション管理・コールセンターの仕事を経験した後、現在はグループ全社のCS推進、ISO認証維持を担当する部署(CS推進室)に所属しています。特にISO認証維持については、品質・環境・情報セキュリティ各分野で社員教育・指導も担当しています。
昨年より、グループが経営する専門学校の不動産ビジネス課で教壇にもたっています。
保有資格:マンション管理士
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