あなぶきハウジングサービスの仲西です。 私の仕事は主に分譲マンションの管理会社に対するお悩み事に対してご相談いただきアドバイスを差し上げることをメインに担当しております。
今回は、皆さんのお住まいの分譲マンション管理について、管理の内容や管理会社に対して「あれ?どうなってるの?」といったちょっとした疑問が生まれたときに、まず何から確認(チェック)すべきかをご紹介していきたいと思います。
目次
- 管理委託契約は管理会社とのお約束事項
- 確認ポイント①清掃・点検の内容
- 確認ポイント②管理会社の業務品質
- 確認ポイント③委託金額の妥当性
- まとめ
管理委託契約は管理会社とのお約束事項
「う~ん。うちのマンションはなんとなく清掃が行き届いていない気がするなあ…」とか「管理会社にお任せしているけど、きちんと管理しているのだろうか…」など、ふと疑問に思ったことはございませんか?
また、「管理はしているのだろうけど、内容がよくわからないなあ…」とお思いの方も中にはいらっしゃるかもしれません。
マンションの共用部分(簡単に言いますとお部屋の外の部分)の管理を管理会社にお任せしている場合には、みなさんで構成する管理組合と管理会社の間で「管理委託契約」を取り交わします。その具体的な内容を記載したものが「管理委託契約書」です。この記載内容に基づき管理会社は業務を行います。契約は双方のお約束事項ですから、確実に履行することがなにより大切です。
管理委託契約書・・・う~ん、見たことがあるような、ないような?
という方も多いかもしれませんが、大切なお約束事項を記載した契約書ですので、是非一度ご確認ください。契約書は管理組合へ交付されています。「理事長に聞くのはなんとなく気が引けるし…」というときは、遠慮なく管理会社へ問い合わせして確認してみましょう!
確認ポイント①清掃・点検の内容
前項の管理委託契約書は、多くの管理会社では国土交通省が推奨する「標準管理委託契約書」というものを参考にひな型を作成しています。ですから基本的な記載内容については、どこの管理会社でもよく似ているケースが多いです。
この契約書の中で、まずは『清掃・点検の内容』に焦点を当ててみたいと思います。契約書の中の清掃・点検の実施内容や、頻度が記載されているページをご覧ください。多くは契約書の後半に別表という形で記載されています。
日常清掃であれば、
・作業場所(エントランス、各階廊下など)
・作業内容(拭き掃除、拾い掃き、ガラス清掃など)
・作業周期(2回/週 など)
が場所ごとに記載されています。
点検であれば、
・点検箇所(建物外観、給水設備、電気設備など)
・点検項目(ひび割れ、破損、異音など)
・点検周期(1回/月 など)
が記載されています。(これも場所ごとに記載されています)
最初は内容を理解しづらいかもしれませんが、まずは「知ろうとすること」が第一歩となります。そのうえで、たとえば「週3回清掃している割には汚れているなあ…」などという違和感があれば注意です。みなさんが全ての作業について実際の目で確認することは不可能ですが、契約書には実施箇所として記載されている内容のうち実際の様子が不明な場合もあると思います。内容によっては作業実施報告書が別途存在しますので、心配な場合は管理会社に問い合せてみることも一つの方法です。
また、契約書によっては「あいまいな書き方」をしているケースもみられます。例えば、点検周期に適宜という記載が極端に多い場合などは、実際の点検周期について問い合わせてみるのも良いでしょう。
確認ポイント②管理会社の業務品質
いきなり「管理会社の業務品質」という固い言葉を使いましたが、これはどのような意味なのでしょうか?
管理業務はモノを売るのではなく、サービスをお客様に提供するお仕事です。つまり提供するその瞬間にしか目には見えません。そこで、その質(品質)を守るために裏側で支えているモノ(コト)とは何なのかチェックすることが重要になります。
●管理会社の教育体制
管理会社が提供するサービスの起点になっているのはやはり人材です。マンション管理の知識のみならず、大切なのは『マンションの居住者以上にマンション居住者の立場に立って考え、種々の提案ができるか』ということです。各人のキャリア等に合わせた教育カリキュラムがしっかりしているか、会社のホームページなどでチェックしてみましょう。
●担当者のフォロー体制
一口に“マンション管理”といっても実際のマンション担当者には実に幅広く深い知識・技量が必要です。(マンション会計・組合運営・修繕・保険などなどです。)これらを担当者の力量任せにするのではなく、フォローする専門の部署があるか、まずは担当の方に聞いてみるのもよいと思います。
●公式な認証を取得しているか
管理会社によっては、業務品質の担保をより目に見える形で示すために公式な認証を取得しています。例えばISOという認証もその一つです。ちなみに、あなぶきハウジングサービスでは、ISO9001(管理業務の品質)やISO27001(個人情報保護)を取得しています。管理会社をチェックする一つの指標としてみてはいかがでしょうか。
確認ポイント③委託金額の妥当性
管理委託契約書の中に現在の委託金額が記載されています。月額で●●●円、その内訳として代表的なものとしては、事務管理業務費・管理員業務費・清掃業務費・建物設備点検費・機械警備業務費等のそれぞれの金額が記載されていることと思います。
ここに記載されている金額は、当然ながらマンションによって全く異なります。それはマンションによって管理員さんの有無および勤務時間・清掃の仕様の違い・共用部分の設備の違いなどの違いがあるためです。そのため単純にお知り合いのマンションより委託金額が高い、低いというだけで妥当な金額なのか判断することは難しいということが言えます。
では、現在の金額は妥当な金額なのか知る方法はないのか?簡単なのは他社からの見積もりを取得することです。まずは現在の管理委託契約と同じ仕様で見積もりを取得してみましょう。数社比較することで、現在の金額の妥当性の判断材料になります。
ただし、ここで注意していただきたいのは、“ただ安ければ良いということでは無い”ということです。確認ポイント②で申し上げたように、管理会社が提供するするサービスは目に見えにくいものです。しっかり質を保っていることが大前提となります。金額と同時に前項のチェックポイントを踏まえることが重要です。私自身が感じていることですが、管理会社の変更も以前は検討する上で、金額に非常に大きなウエイトがさかれていましたが、最近ではサービス内容の確かさに視点が移っています。安かろう悪かろうの時代から全体的に変わってきているようです。
まとめ
さて、みなさんのマンションではいかがでしたでしょうか?
最後にポイントのおさらいです。
・管理委託契約は管理組合と管理会社のお約束事項、確実な履行が大切
・まずは内容を知ろうとすることが適切な管理を知る第一歩
・管理委託契約書の記載は多くは標準化されているが、あいまいな書き方の場合は要注意
・管理会社の提供するサービスは目に見えにくい、その品質を支える会社の体制をチェックすることが重要。
・金額の妥当性を調べるために他社からの見積もりを取得してみましょう。
・金額は安ければ良いということではなく、質を保っていることが大前提。
仲西誠
分譲マンションデベロッパー勤務を経て、入社以来、分譲マンションの管理変更についてのご相談を専門に担当。
築年数問わず、マンションライフでの様々なご相談に対応しています。
現在は九州エリア全体の営業担当として、各地を行脚する日々。
皆様との新しい出会いに喜びを見出しています。
■入社8年目 ■福岡勤務
■所有資格:管理業務主任者、宅地建物取引士
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