?:はい、お駄賃、10円どうぞ。
?:わーい、もっとほしい。
?:分かった。ピカピカの5円玉、2枚と交換だ。
?:やったー。でも、もっとちょうだい。
こんにちは。
あなぶきインシュアランス 柳谷です。
今回は、日頃から少しでも節約をしたい人向けに、住宅ローンでできるかも節約術を説明します。住宅ローンの「借換え」という方法です。
1.住宅ローンの「借換え」と「繰上返済」について
住宅ローンの「借換え」とは、現在返済中の住宅ローンを一括で全額返済し、別の金融機関で住宅ローンを新たに借り入れることです。
金利の高いローンから金利の低いローンに乗り換えることで、月々の返済額や総返済額を減額できる可能性が高く、借換えをするメリットがあると言われています。
ちなみに、現在返済中の住宅ローンの「金利タイプの変更」や「返済方法の変更」という借入れ条件の変更は、住宅ローンの「借換え」ではありません。
また、「繰上返済」という、後の総支払額の節減が期待できる方法もあります。
「繰上返済」には、「期間短縮型」と「返済額軽減型」という2種類があります。
「期間短縮型」とは、ローン残高の一部(または全額)を約定日前に返済することにより、返済期間を短くし、もともと負担するはずだった支払利息を軽減する方法です。
「返済額低減型」は、ローンの残高の一部を返済し、返済期間は変更せず、その後の毎月の返済額を減らす方法です。
ただし、住宅ローン減税に伴う注意が必要です。住宅ローン控除には、「住宅ローンの返済期間が10年以上である事」といった要件があります。「期間短縮型」で繰り上げ返済し、返済期間が10年未満になった場合は、その年以降、住宅ローン控除の適用が受けられなくなります。
2.エピソード
不動産クイズ「得して、ガッテン!」のお時間です!
今回は「借換え特集」と題しまして、住宅ローンをよりお得にするためのポイントを、クイズ形式で勉強しましょう!今日の回答者様は、こちらの3名様です。
【解答者】
Aさん(35歳、最近マンションを購入、35年ローンを組んでいる。)
Bさん(45歳、15年前にマンション購入、あと20年でローン完済予定。)
Cさん(57歳、27年前にマンション購入、完済まであと3年。)
司会者:さて皆さん、住宅ローンをどのように決めましたか?
Aさん:何か業者さんに言われるがまま、紹介された銀行でローンを組んだ感じですね。
Bさん:あまり、憶えてないですね。妻に任せっきりでした。
Cさん:金利が高い時代だったので、少しでも金利の低い金融機関を選びました。
司会者:なるほど。もしかしたら、皆さんの中で節約できる可能性がある人がいるかもしれませんね!これから出すクイズを参考に、自分に合ったお得ポイントを見つけて下さい!
【第1問】「住宅ローンの見直し」を考える良い時期があります。さて、それはどんな時でしょうか?(選択肢:① 金利が下がった時 ② 転職で年収が下がった時 ③ 定年で退職金をもらう時)
司会者:はい、正解は、『①・②・③すべて』です。
当初の借入時から金利が下がっていれば、借入額に対する総支払額の低減が期待できます。この時期は、「借換え」にgoodな時期です。
また、ライフステージの変化や、教育費などのウエイトの増加、転職・退職に伴う収入減など、自分の収入に見合った余裕のある返済内容になっているか、節約できることはないかを検討する良い機会です。
【第2問】「借換え」を行う前に必ず確認しておいた方が良いことは何でしょうか?
Bさん:奥さんに許しを請う。
司会者:確かに(笑)。しかし、今回の正解ではありません。
Cさん:シミュレーションを行う!!
司会者:はい、お見事!正解は、『シミュレーションを行う』です。
これは、必ず行ってほしい事です。各金融機関によって、金利などの条件が違いますので、各金融機関のホームページでシミュレーションの計算をしてみてください。現有の住宅ローンプランからの変更や金利状況によっては、思ったより総支払額が下がらず、逆に損をする事もあります。そうなると本末転倒です。
【第3問】「借換え」にはデメリットもあります。それはどんな事でしょうか?(選択肢:① 手間がかかる ② 費用がかかる ③ 状況によって借換えできない)
司会者:これも、正解は、『①・②・③すべて』です。
Aさん:どんな手間がかかりますか。
司会者:借換えの場合でも、住宅ローンを借入れするためには金融機関の審査が必要となります。そのため、審査自体の申込や必要書類の準備をしなければなりません。また、審査が通るとも限りません。
さらに、審査が承認となった後にも、金融機関との契約や司法書士との抵当権設定、抹消手続きのための面談が必要となるため、まとまった時間を確保しなくてはなりません。
Bさん:どのような費用がかかるのですか?
司会者:現在の住宅ローンを完済するための費用(全額繰上返済手数料、抵当権抹消費用)、新しく住宅ローンを借入れするための費用(事務手数料、住宅ローン保証料、抵当権設定費用、印紙代など)が必要になります。
【最終問題】「借換え」でお得になる可能性が高い、ローンの状態とは?穴埋め問題です。
《借換後の重要ポイント》
・金利が【① 】%以上下がる
・返済期間が【② 】年以上ある
・ 融資残高が【③ 】万円以上ある
Aさん、Bさん、Cさん:分からない、難しいなぁ。
司会者:正解は、『① 1、② 10、③ 1,000』です。
繰り返しますが、
金利差が1%以上、返済期間が10年以上、融資残高が1,000万円以上
この条件に当てはまる人は、月々の返済額や総返済額を減額できる可能性が高く、借換えをするメリットがあると言われています。
Cさん:実は借換えは、2,3年前に考えたことがあったんです。しかしシミュレーションで諸費用を入れると、あまり変わらなくて、やめた経験があるんです。
司会者:なるほど。当時のCさんがお持ちの住宅ローンの内容だと借換えのメリットが少なかったかもしれませんね。しかし、Bさんの場合なら、メリットがあるかもしれません。
Bさん:家に帰ったら、早速、シミュレーションやってみます。
Aさん:すみません、この際なんで質問よろしいですか?
司会者:どうぞ!
Aさん:支払いがお得になる以外で、何か「借換え」のメリットはありますか?
司会者:はい、ありますよ!代表的なのは、団信(団体信用生命保険)の保障を充実させたり、金利のタイプを変更できたりですね。
*注意点
通常、住宅ローン借入れ後に団信を変更することはできません。しかし、借換えによって保障が充実している団信に加入することができます。また、団信の内容については、金融機関が取扱いしている商品に限られていることが多く、現在の住宅ローンを団信の保障内容で選ばれた方にとってはデメリットになる場合もあります。
また、借換えによって、現在利用している住宅ローンの金利タイプを、別の金利タイプに変更することができます。将来の金利上昇が不安な方は、長期固定金利に借換えることで金利の変動リスクを軽減することもできるかもしれません。
司会者:クイズは以上となります!1番正解されたのは…。Cさん!優勝おめでとうございます!!それでは、この番組を参考に、お得な住宅ローンの返済ライフをおくりましょう!さようならぁ!
3.まとめ
住宅ローンを組まれた多くの方は、長期間にわたる支払いと付き合わなければいけません。毎月の返済額もローンの組み初めには完済できるよう計算し、金利リスクなども考慮した内容になっていたかもしれません。ただ、数年たてば、ライフステージや経済状況などが変化するように、その状況にあった住宅ローン返済のベストな選択があるかもしれません。特に、今、住宅ローンの負担が重いと感じる方は、専門のアドバイザーに相談したり、金融機関のシミュレーションなどを利用し、節約対策を行ってみてはいかがでしょうか?何か良い解決策が見つかるといいですね。
柳谷智洋
柳谷 智洋(やなぎたに ともひろ)
香川県出身。2008年穴吹ハウジングサービスに入社。賃貸事務センターにて、オーナー様への送金・入居者様からの入金処理等の業務に従事。2021年4月より、あなぶきインシュアランスに出向。銀行代理業の住宅ローンに係る事務手続き業務を中心に従事しております。できるだけ、身近で有意義な情報が発信できるよう頑張っていきます。どうぞ、よろしくお願いします。
保有資格:宅地建物取引士、管理業務主任者・ファイナンシャルプランナー(日本FP協会:2級)
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