こんにちはテクノ防災サービスの西部です。
万一マンション内で火災が発生した場合、初期段階の消火活動で欠かせ無いものと言えば消火器です。
マンションの共用部とは別に、各ご家庭内にも設置をお勧めしておりますが、ホームセンター等でも購入できる一般的なこの消火器に、使用期限(設計標準)があるのはご存知だったでしょうか?
使用期限(設計標準)切れの消火器を使用すると、正常に機能しない場合や事故に繋がるケースもありますので、適正な消火器への交換が必要となります。今回は交換時における不要な消火器の処分の注意点を、いくつか紹介させて頂きます。
I. 対象となる消火器
消火器を購入・設置後、数年(または数十年)に渡りそのまま放置されているケースもあると思われます。
その放置期間中に、消火器が以下の項目に該当すれば、早期に適正な消火器に交換をする必要があります。
①有効期限切れ
◆住宅用消火器: 製造年から 5年
◆業務用消火器: 製造年から 10年
製造年からとは? 例:2013年製→2023年迄有効 (2024年~交換対象の消火器となります。)
②消火器の規格変更
◆例として、2010年以前に製造された消火器は、現行の規格の消火器とは異なります。
※識別しやすいように、消火器本体にある表示が変更されています。
文字のみ→イラスト付へ変更。(普通火災用、油火災用、電気火災用)という表示部分です。
【2010年以前製造消火器ラベル】 【現行規格の消火器ラベル】
文字表示のみの消火器は、現行の規定に該当しない消火器となります。
将来的にも制度改正により、消火器機能の規格が変更される可能性があります。
③圧力低下、変形、使用済み等による消火器
検査員の点検により、 正常に機能しないと判定された消火器は交換の対象になります。
又、皆様の目視で液漏れ等の異常が認められる場合も、危険を回避するため交換をお勧めします。
Ⅱ.処分方法と手続き
消火器の処分は、一般的にリサイクルにより実施されます。
その為、以下の確認事項への注意が必要です。
1. 消火器の品目確認
消火器リサイクル対象となるのは、国内メーカーが製造した消火器だけです。
尚、外国製消火器、スプレー型のエアゾール式消火器具は対象外です。
2. 消火器のリサイクルシール添付確認
消火器本体にリサイクルシールが貼られているかを確認します。
2010年以降に製造された消火器には、原則としてリサイクルシールが貼られていますので、新しくシールを購入する必要はありません。
【東京都:㈱消火器リサイクル推進センター発行リサイクルシール】
リサイクルシールが貼られていない場合、リサイクルシールを特定窓口や指定業者から購入し、添付する必要があります。(写真=東京都例)
【新たに購入したリサイクルシール】
3. 申込方法の選定
処分の申込方法には、主に3つの方法があります。
①特定窓口による引取り依頼
特定窓口は、主に『消火器の販売代理店』や『防災・防犯事業者』が担っており、全国に約5000カ所あります。インターネットの検索等により最寄りの窓口に問い合わせのうえ、引き取り依頼をして下さい。
②特定窓口、又は指定引き取り場所への持ち込み
指定引き取り場所は『消火器メーカー営業所』や『廃棄物処理業者』が担っており、全国に約200カ所あります。
③エコリサイクルセンターへゆうパックで送付
個人の場合、直接ゆうパックでエコリサイクルセンターに送る方法が選べます。事前申し込みが必要ですので、詳細はこちらをご覧ください。
4. 申込み窓口での確認事項
特定窓口にお電話等で問い合わせをすると、以下の処分条件の確認がなされます。
① 持込もしくは、引取の方法及び日時
② 消火器の大きさ・本数
③ リサイクルシールが貼付されているか
④費用
5. 持ち運び時の注意点
直接持込の場合は消火器を引き取り場所まで持っていく必要性がありますが、この際に誤放射する危険があります。その為、以下の注意が必要です。
①黄色の安全ピンやレバーの上側を持たない
※持ち運ぶ際に黄色の安全ピン部分に、容易に指を引っ掛けやすいですが、持つ際は写真のようにレバーの下を持ちをましょう。
②安全ピンが無い場合やストッパーが固定されて無い場合、テープなどでレバーを固定する
③中身が漏れている消火器は、ビニール袋等に入れて運ぶ
6.手続き
①「特定窓口受取伝票」に排出者のご署名が必要となります。
② 料金のお支払い
消火器の種類・本数が異なる場合は実際の本数に合わせて料金が変わります。
特定窓口となる業者によって異なりますので、申し込みの際に確認しましょう。
III. まとめ
いかがでしたでしょうか。今回は消火器の処分方法と注意点についてご紹介させて頂きました。身の周りに設置してある消火器が適正であるかの確認を再度して頂いて、必要に応じて交換を行い万一の火災に備えておくことをお勧めします。
(ブログ投稿協力:テクノ防災サービス 消防設備課 後藤)
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