マンションにおける火災報知設備(感知器)と「くん煙式・加熱蒸散式殺虫剤」の関係

北村順平

こんにちは、テクノ防災サービスの北村です。

今回は火災報知設備の点検時、実際にご質問をいただいた「火災報知設備(感知器)とくん煙式・加熱蒸散式殺虫剤」について、ご紹介させていただきます。

 

I. 前書き

長年建物にお住まいになる中で害虫が発生してしまい、駆除を考えることがあると思います。
そして「留守の間に駆除してしまおう」と写真のような「くん煙式・加熱蒸散式殺虫剤」を使用したいとお考えになったことはないでしょうか。

その際に「建物の火災報知器が鳴動するのでは?」とご心配になり、防災業者に確認を求めるケースがありましたので、今回はこれらの殺虫剤を使用する際の留意点についてご案内致します。
(なお、共同住宅での殺虫剤のご利用についてはお住まいの建物のルールもご確認の上、ご近所に配慮してご使用ください)

II. 感知器の種類と誤作動の可能性

最近の殺虫剤は親切な設計になっているもので、前項の写真に挙げた製品にも「火災報知器カバー付き」と表示され、専用のカバーが入っています。

ところが、折角専用のカバーが入っていても、取り付ける感知器を間違えてしまうと火災報知設備が鳴動したり、防排煙制御設備が作動するなど、影響を及ぼす可能性があります。

そこで、今回は火災報知設備の各種感知器(火災を感知する仕組みを持った器具)の特徴と併せてご説明いたします。

1. 熱感知器(差動式スポット型感知器・定温式スポット型感知器)

温度上昇を感知する感知器で、概ね写真のような形をしております。

これらの感知器は、感知する対象が熱なので「くん煙式・加熱蒸散式殺虫剤」による影響を受けず、カバーを付ける必要はございません。

2. 煙感知器(光電式スポット型感知器)

煙を感知する感知器で、概ね写真のような形をしております。

多くは煙が光を乱反射させる性質を利用しているため、誤作動する可能性が高いです。
(感知器本体を取り外すことで作動しなくなる建物もございますが、逆に「断線警報」が止まらなくなる建物もございます。また火災を感知できず建物全体に影響を及ぼすこともございますので、感知器をむやみに外さないようお願い致します。やむを得ぬ事情により取り外しを希望される際は、建物の管理会社または防災業者等にご確認ください)

確認の結果「くん煙式・加熱蒸散式殺虫剤」の使用は難しい場合、「エアゾール式殺虫剤(霧式)」などをご検討いただくのも良いかと思います。(但し、ガス漏れ検知器が反応する可能性が出てきますので、詳しくは説明書をご確認ください)

III. 住宅用火災警報器(住警器)が設置されている部屋の場合

前項の火災報知器(感知器)が設置されていない建物でも「住宅用火災警報器(住警器)」が設置されている場合があります。
こちらも熱式・煙式の両方がございます。感知対象は前項でご紹介した火災報知設備の感知器と同じです。

1. 熱式

熱を感知して警報を発します。

2. 煙式

煙を感知して警報を発します。

こちらも煙式のものに対してはカバーを取り付けないと誤動作する可能性がございます。説明書に従い、カバーを取り付けてください。作業が終了したら速やかに取り外すことも忘れないようにご注意ください。

IV. 終わりに

以上、ざっとご紹介させていただきましたが、先にも申し上げた通り共同住宅での殺虫剤のご利用については、お住まいの建物で設定されているルールもご確認の上、ご近所に配慮してご使用くださいますよう重ねてお願い申し上げます。

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北村順平

テクノ防災サービス 北村 順平(きたむら じゅんぺい)
2007年あなぶきクリーンサービス入社
12年間 マンションの清掃設備維持管理の営業を担当、2019年7月からテクノ防災サービスにて、消防設備点検や特定建築物検査の営業を担当
施設管理に欠かせない法定検査になりますので、漏れの無い提案を心がけております。
初めての東京での生活で、休日には東京観光を楽しんでます。

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