プロの掃除屋が語るナチュラル洗剤【重曹・セスキ炭酸ソーダ編】

神中一記

皆様こんにちは。あなぶきクリーンサービスの神中です。

今回は最近よく耳にするようになってきた『ナチュラル洗剤』といわれている洗剤の中から2つご紹介したいのですが…

実は…
プロの掃除屋の私でも『はじめまして』なものなんです…

実際に使った経験がございません。(/ω\)キャッ
というか掃除屋さんは業務用洗剤があるので使いません(笑)

なので!!

掃除のプロが初めてナチュラル洗剤を使ってみたーー!!

実際に使ってみたプロの目線での感想や「こういった使い方もできますよ」「ここを注意して下さい」といったことなどを書いてみたいと思います。

記事の最後には実際に我が家で使ってみた際の動画を載せていますのでよかったらそちらも見てください。

重曹


ナチュラル洗剤の代表といっても過言ではない重曹ですが、某テレビ番組を見て使ったことのある方も多いのではないでしょうか?
正式名称は『炭酸水素ナトリウム』と言い、食品添加物としても使用されるほど人体への影響の少ないもので、市販の化学系洗剤とは違い排水口に流しても自然破壊をしない環境にも優しいものになります。
性質はほぼ中性のアルカリ性で水に溶けにくく基本的には粉のままスポンジなどに付けて汚れに馴染ませる研磨剤のような使い方をします。

適した汚れと使用場所

中性~弱アルカリ性の重曹は
酸性汚れ(油汚れ、コゲ付き、タバコのヤニ、茶シブなど)
アルカリ性汚れ(湯垢、水垢、シャンプーなどの石鹸カスなど)
の両方に効果のある洗剤になりますので使用できる場所は多岐にわたります。
また消臭効果もあり、トイレや靴箱の消臭にも使えるようです。

ただ除菌効果はありませんのでカビ汚れや排水口のぬめり取りには適していません。
(研磨剤効果による物理的な除去は多少見込めますが除菌できていないとすぐに元通りになってしまいます)

主な使用場所として

・コンロ回りや調理器具の油汚れ
・魚焼きグリルや調理器具のコゲ付き
・シンクや水栓、お風呂内の水垢
・洗面台や洗面器の石鹸カス  ets…があります。

使い方と注意

油性の汚れや水垢などを落とすときには水をつけたスポンジに粉のまま付けて磨くようにします。

しかしステンレスやプラスチック製のものに使う場合は粉に水を混ぜてペースト状にしましょう。
(粉のままでは研磨力が高すぎてキズが入ることがあります)

コゲ付きを落とす場合は粉をふりかけた後に水を張った鍋などで沸騰するまで煮込み火を消して数時間放置しましょう。
汚れが浮き上がってきたら流水で流し、拭きあげれば完成です!
※キズが入るか心配な場合は目立たない場所で試してみることをおすすめします。

ナチュラル洗剤の仲間の『クエン酸』を重曹と混ぜると『炭酸ソーダ』になります。
排水口にこの2つを入れると派手に泡が湧いてきて掃除をしているように錯覚するのですが、まったく何の意味もありません。
ただシュワシュワしているだけで資源の無駄遣いなのでやめましょう

なぜ重曹で油汚れが落とせるの?

答えは簡単で【重曹と油が混ざる】=【石鹸】になるからです。
石鹸って水によく溶けますよね?
つまり水に溶けない油を水に溶けやすいものに変えることできれいにしているわけです。

実際につかってみた

ステンレス製の調味料や洗剤などを置く台です。油汚れに加えサビもみられます。

ペースト状にした重曹をゴム手袋に付けて擦っていきます。

かなり落ちていますね

仕上げに水拭きします

完成!

初めて使ってみた感想

当然のことながらいつも使っている洗剤と比べると時間がかかってしまう感がありましたが、素材を汚染したり洗剤が残留したりといった心配がなく思い切り使えて好感触でした。
使用する道具も少なくて気軽に使えるのもいいですね。
また赤ちゃんや小さな子供の使う食器にも使えるのは親として安心できますのでそこは特に高評価です。
タワシやメラミンスポンジではなくゴム手袋に直接粉を付けて磨くと洗浄力が上がり、より汚れを落とすことができますし、スポンジに付いている研磨剤での余計なキズを入れる心配もないのでおすすめです。

 

セスキ炭酸ソーダ


こちらも某テレビ番組でお掃除芸人さんが使っていましたね。

正式名称は『セスキ炭酸ナトリウム』と言い、重曹と炭酸ソーダが合わさったものになります。
こちらも重曹と同じく自然由来のものになりますので排水口に流しても問題ありません。
性質は弱アルカリ性~アルカリ性でこちらは水に溶けますので液体での使用になります。溶かした量によって洗浄力が変わりますのでまずは少量からはじめていきましょう。

適した汚れと使用場所

アルカリ性のセスキ炭酸ソーダは
酸性汚れ(油汚れ、タバコのヤニ、皮脂汚れ、手アカ、軽度の油性マジック跡など)
を落とすのに適しています。
また、衣類の襟シミなどを落とすこともできるようです。
重曹よりも油汚れに強く、タンパク質を分解する効果もありますのでキッチン回りの掃除で活躍してくれます。

主な使用場所として
・コンロ回りやレンジフードの頑固な油汚れ
・シンクや食卓の食べ物カスや調味料汚れ
・壁紙やドアノブの手アカ
・衣類やリモコンなどについた皮脂汚れ  ets…があります。

使い方と注意

必ず水に溶かして使用しましょう。
弱アルカリ性の水溶液を作る場合500mlの水に対して5g=小さじ1杯が目安です。
セスキ炭酸ソーダの水溶液をスプレーボトルに入れ、噴霧して使用します。
頑固な油汚れを落とす場合はキッチンペーパーに噴霧し張り付けて放置すると落ちやすくなります。
それでも落ちが悪い時には少しづつ濃度を上げていくのも効果的ですし、重曹と併用し研磨力をプラスするのもアリですね。
熱めのお湯を使うと油がさらに溶けやすくなりますが、その場合は傷に注意してください。

また軽度な汚れや家電製品に使う場合は直接噴霧するのではなく雑巾などに噴きかけてから拭きあげてください。直接噴きかけると風で流されたり、必要以上の量が出てしまうため弊害が起きやすくなります。

タンパク質を分解する性質があるため肌の弱い方はゴム手袋を着用する方が良いでしょう。

実際に使ってみた

使い込まれたガスコンロの火口です。頑固な油汚れが目立ちますね。

まず水溶液を作ります。

掃除をする場所へ噴きかけます。

放置します。油が溶けてきているのが分かりますね。

1時間ほど放置し、スポンジやブラシを使って除去していきます。


仕上げに水拭きします。

完成です。少し残っている部分は業務用洗剤で仕上げました。

初めて使ってみた感想

重曹と同じく時間がかかる感は否めませんが、界面活性剤が入っていないのに洗浄力はそこそこあったと思います。
濃度を弱アルカリ性にして作り置きしておけばちょっとした汚れを拭き取るのに役立ちます。
小さな子供がいる家庭あるあるですが、子供に触られたテレビの画面や窓ガラスをきれいにするのに効果的だなと思いました。
最近では除菌もできるセスキ炭酸ソーダが出ているようなのでおすすめですね。

まとめ

重曹にセスキ炭酸ソーダの2つを初めて使ってみましたが、いかがでしたでしょうか?
色々なものに使えてさらに人体や環境への影響もほとんどない良いこと尽くめのナチュラル洗剤ですが、やはり洗浄力は化学系洗剤に分があるようです。
クオリティとスピードを求められる私達プロの掃除屋さんは使う機会は無いのですが、とてもいい経験ができました。
この経験を活かして子供たちと一緒に家中をピカピカにしてみたいと思います!
次回は【クエン酸】と【過炭酸ナトリウム】に挑戦します!

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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神中一記

あなぶきクリーンサービス:神中 一記(かみなか かずき)

愛媛県出身。広島にて清掃管理業務を担当。
21歳で清掃の業界に入りマンション・アパート・戸建て・テナントビル・製造工場 etc...様々な建物の様々な ”汚れ” と向き合い、高所ロープ作業や樹木の剪定作業にいたるまで現場の最前線で磨いたスキルとキャリアには自信を持っております。
プライベートではわんぱく盛りの2児の父親として子育てに奮闘中。
根っからの職人気質の頑固でせっかちな若造が、『究極のハイスピード・ハイクオリティの探求』をモットーに日々精進しております。
掃除のプロとしての経験や実体験を交えながら皆様のお役に立てる情報を発信していけたらと思っております。
【保有資格】
ビルクリーニング技能士・電気工事士・消防設備士・消防設備点検資格者
高所ロープ作業技能修了・高所作業車技能修了 など
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