宅建合格講座!権利関係|「使用貸借、消費貸借」を解くときのポイント

仲井悟史 仲井悟史

皆さんこんにちは。仲井です。今回は、民法の「消費貸借、使用貸借」を学習します。マイナー分野ですが、万が一出題されたときのために、意味ぐらいは分かっておきましょう。では、早速中身に入っていきましょう。

0038教えて仲井先生!

目次

  • 「使用貸借」「消費貸借」とは
  • 「使用貸借」の主な規定
  • 「消費貸借」の主な規定

「使用貸借」「消費貸借」とは

1 定義

使用貸借」は、タダで物を借りる契約(借主は、賃料を支払わない)で、当事者の一方が無償で使用および収益をした後に返還をすることを約して相手方からある物を受け取ることによって、その効力を生じます
なお、「賃貸借」は、当事者の一方がある物の使用および収益を相手方にさせることを約し、相手方がこれに対してその賃料を支払うことを約することによって、その効力を生ずる契約です。混同しないようにしましょう。
消費貸借」は、当事者の一方が種類、品質および数量の同じ物をもって返還をすることを約して相手方から金銭その他の物を受け取ることによって、その効力を生ずる契約です。金銭のほか調味料・米・味噌等の貸し借りが典型例です。借りたお金や調味料等をそのまま飾っておくわけではなく、使った後で同じようなものを返すということです。消費貸借には、利息付きのものと利息が付かないものがあります。

2 要物契約

ここで、「要物契約」について、説明を加えます。
「要物契約」とは、契約の成立に物の引渡しまで必要なものです(これに対し、契約当事者の意思表示のみで契約が成立するものを、「諾成契約」といいます)。
「使用貸借」「消費貸借」は、「物を受け取ることによって、その効力を生ずる」契約、すなわち「要物契約」です。
なお、「賃貸借」は要物契約ではないので注意しましょう。
他にも、民法上、「寄託契約(他人から物を預かる契約で、当事者の一方が相手方のために保管をすることを約してある物を受け取ることによって、その効力を生じる)」などが、「要物契約」にあたります。

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「使用貸借」の主な規定

では、「使用貸借」で、過去に出題されたことがある規定をざっと確認しましょう。

1 借主による使用および収益

借主は、契約またはその目的物の性質によって定まった用法に従い、その物の使用および収益をしなければなりません。また、借主は、貸主の承諾を得なければ、第三者に借用物の使用または収益をさせることができません(借主を信用してタダで貸しているのですから、勝手に他の人に又貸しされては困りますよね)。そして、借主がこれらの規定に違反して使用または収益をしたときは、貸主は、契約の解除をすることができます。

2 借用物の費用の負担

借主は、借用物の通常の必要費を負担します。タダで借りているのですから、災害等による特別の必要費ならともかく、普通に使っている間のちょっとした修繕費等は、借主に負担させてもよいでしょう。

3 借用物の返還の時期

借主は、契約に定めた時期に、借用物の返還をしなければなりません。
当事者が返還の時期を定めなかったときは、借主は、契約に定めた目的に従い使用および収益を終わった時に、返還をしなければなりません(ただし、その使用および収益を終わる前であっても、使用および収益をするのに足りる期間を経過したときは、貸主は、直ちに返還を請求することができます)。
当事者が返還の時期ならびに使用および収益の目的を定めなかったときは、貸主は、いつでも返還を請求することができます。

4 借主の死亡による使用貸借の終了

使用貸借は、借主の死亡によって、その効力を失います。すなわち、借主が死亡しても、相続は起こらないということです。これは、よく出題されます。
貸主は、その借主を信用してタダで物を貸していたのであり、相続人を信用して貸したわけではないからです。
逆に、使用貸借は、貸主の死亡によって、その効力を失うわけではありません。

「消費貸借」の主な規定

次に、「消費貸借」の主な規定をざっと確認しましょう。

1 貸主の担保責任

まずは、貸主の担保責任についてですが、利息付きと利息なしで内容が異なります。
利息付きの消費貸借においては、物に隠れた瑕疵があった場合、貸主は、瑕疵がない物をもってこれに代えなければなりません(この場合においては、損害賠償の請求を妨げません)。 物を貸していることの経済的対価としてしっかり利息を取っているのですから、それに見合う物に代えなければならないのは当然といえるでしょう。
逆に、無利息の消費貸借においては、借主は、瑕疵がある物の価額を返還することで足ります(ただし、貸主がその瑕疵を知りながら借主に告げなかったときは、利息付きと同様、瑕疵がない物に代えなければなりません)。

2 返還の時期

当事者が「返還の時期を定めなかったとき」は、貸主は、「相当の期間を定めて」返還の催告をすることができます。これは、比較的よく出題されます。消費貸借は、借りた物そのものを返すわけではありません。貸主からいきなり「返せ!」と言われても、借主はすぐに対応することはできません。なぜなら、返還するには、種類・品質・数量の同じ物を調達する期間が必要だからです。そこで、「相当の期間」を定めることになっているのです。
逆に、借主からは、いつでも返還をすることができます。

…いかがでしたでしょうか。民法も残すところ「賃貸借」だけとなりました。「賃貸借」は、頻出分野であり、「借地借家法」の基礎となる部分ですので、もうひと頑張りしましょう!

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仲井悟史

仲井悟史

あなぶきハウジングサービス 東京東支店:仲井 悟史(なかい さとし)
東京イーストエリアで約10年にわたりマンション管理担当者を経験しています。前職は資格試験予備校で長年にわたり宅建等の講師として教壇に立っていました。その経験を活かし、現在、社内講師も務めています。息子たちと野球をしたり観たりすることが最大の楽しみ。
保有資格:管理業務主任者・マンション管理士・マンション維持修繕技術者・宅地建物取引士
特技:中国語
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