はじめてのリフォーム 介護リフォーム② 水まわり設備編

葛西健太郎 葛西健太郎

あなぶき実重(さねしげ)建設の葛西です。「初めてお部屋をリフォームする」という方のお役に立てればと筆を走らせております。

今回は前回に引き続きまして、現在お住まいのマンションを「終の棲家」とするための介護関係のリフォームの中でも重要となってくる水回り設備についてお話していきたいと思います。

 

目次

・介護リフォームの必要性

・自力で排便ができるトイレ

・車いすのまま利用できるキッチン

・洗面化粧台&浴室の注意点

・福祉介護ショールームのご紹介【動画】

・まとめ

 

介護リフォームの必要性

介護と聞くと、やはりご両親との同居などを想定されるかもしれませんが、最近はどんどん核家族化が進んでいますので、今回のブログではお子さんが巣立たれて、夫婦二人で今住まわれているお部屋はそのままに、将来、車イスでの生活やベッドで過ごす時間が長くなった時を想定して書いていきます。

一昔前に「老々介護」という言葉がTVなどで頻繁に流れていましたが、これは高齢者が高齢者を介護するという現在の家族のカタチから生み出された言葉です。

実際、私もまだアラフォー男子ですが、あと何十年か後には、足や腰が悪くなり、車いすや寝たきりの生活を送る可能性は大いにあると思います。

しかしながら、子供やその家族に介護をしてもらうというのは、正直、子供たちの将来を想えば負担になりたくないと考えてしまいます。

そうなると頼れるのは、妻だけということになりますし、逆に妻が車いすでの生活になった場合は最も頼りにならなくてはいけないのは私しかいないなと考えています。

とは言いましても、妻もそのころには体力的に相当衰えがあるでしょうし、だからこそお部屋の中で出来る限り自分で生活できる範囲を増やすことが大切なのではないかと思います。

まだ私達には早いとお考えの、私と同世代のアラフォーの方も、是非一度、介護が必要な時期を迎えた際に、現在のお部屋にそのまま住めるのだろうかとお考えいただきながら読んでいただければと思います。

今回はお風呂やトイレなどの水回りの設備を中心に気を付けたいポイントなどをお伝えしてまいります。

 

 

自力で排便ができるトイレ

 

まず一つ目は「トイレ」です。

 

個人差はありますが1日おうちで過ごしたら多い時では10回以上トイレを利用する場合もあろうかと思われます。

実際に車いすの方にお話しをお伺いすると、そのたびに介助を介護者にお願いするというのも、お互いに精神的にしんどいものだとお聞きします。

お風呂などはともかくトイレだけは自分一人で出来るようになりたいという御依頼をいただくことも多くなってきました。

では具体的にどのようなトイレであればご自身で排便等が可能かと言いますと、当然お体の具合にはよりますが、

・車いす等から、便器にうつる動作が容易であること

・便器から体をおこすときに楽に動作ができること

この2つが重要になってきます。

まず重要なのはドアですね。

車いすの場合、開き戸(レバーを握って下げて手前に引くタイプの扉)では入室も大変ですので、車いすが余裕を持って入れるだけの引き戸(左右いずれかに引いて開けるタイプの扉)にする必要があります。その為には、ドアの寸法が80cm~100cmは欲しいところですし、その寸法のドアを入れようと思ったら、そもそもトイレを広げる必要もあろうかと思います。これは前回もお話したように、北側に2室洋室があるとすれば片方をつぶすなどの方法でトイレの拡張が可能になってくるケースが多いと思われます。

次にトイレの広さと便器の位置です。

理想を言えばトイレ内で車いすが転回できる(もしくはトイレ前の玄関スペースなどで転回できても良い)広さがあれば車いすでトイレ内に入り、そのまま便器に体を移すことができます。

その為には極力便器間際まで車いすを横付けできるスペースがあることが大切になってきますので、ドアに続いて、この広さは十分に考慮して下さい。

トイレ内の必要なスペースを測定できるエリア

あとは便器に座ったり、立ち上がったりを補助する設備も販売されており、ボタン一つで便座が昇降するものもありますので、こちらも採用しておくと安心ですね。

着座サポート、立ち上がりのサポートをしてくれる便座。レバー一つで昇降します。

 

車いすのまま利用できるキッチン

 

次はキッチンです。

言わずもがな、キッチンからダイニング等への動線が広く確保されていることも重要なのですが、自分で炊事をしようと思えばもっと大切なのは車いすのままキッチンが使用できるかどうかが大切です。

通常の高さのキッチンでは床から70~80cm程度ありますので、車いすのままでは少し作業がしづらいのですが、これも各メーカーから車いすでの利用を前提とした専用のキッチンが販売されています。

流し部分が引っ込んでいて、車いすのまま流しで作業が可能です。

 

ごらんの通り通常のキッチンと比べれば収納量は減ってしまいますが、それでも自分でちょっとした料理や洗い物ができるなら嬉しいですよね。

また吊戸棚自体は高い位置にあってもボタン一つで収納が上からウイーンと降りてくるタイプの収納もありますので、それらも活用すればそれなりの収納力があるのではないでしょうか。

また食洗機も労力が省けて非常に便利でしょうし、換気扇もリモコンで操作できるタイプだと安心ですね。

 

洗面化粧台&浴室の注意点

 

最後に洗面化粧台と浴室です。

洗面もキッチンと一緒で車いすが洗面ボウルの下に入り込むタイプのものがありますので、こちらをオススメいたします。

ただそもそも車いすで動けるだけのスペースが必要なのでトイレ同様、使用優先度の低いお部屋をつぶして広げておくことが大切です。

洗面ボウル右手前のレバーを操作すれば、洗面ボウルの高さを変えることもできます。

 

またお風呂は車いすのままでというわけにはいかない場所ですので、ここに関してはある程度の補助が必要となろうかと思われます。

ただ手摺などが必要な箇所にあると自身で出来ることが増えますので、これは手厚く設置しておきたいところです。

また手摺以上に大事になってくるのが、浴槽のまたぎの高さです。

最近のユニットバスでしたらこのまたぎの高さは非常に配慮がされており、40cm前後に設定されています。

ただ20年~30年前の浴槽だとまたぎの高さが50cm~60cmもある場合もあります。正直これは足などが不自由な方にはとてもまたげるものではありません。

ユニットバスは浴槽だけの取替ができない場合が多いので、お風呂に限っては思い切ってユニットバスごとのお取替えがよいかと思います。

その際、手摺などを手厚く設置しておくことはもちろんなのですが、ベンチカウンタータイプのセットが各社ありまして、このタイプであればベンチに腰かけて、シャワーなどができたり、ベンチに腰かけたまま体をずらしていき、そのまま浴槽に入ることもでき、非常に安心できる設計になっていますので、こちらも是非検討してみて下さい。

TOTOのマンションのリフォーム用ユニットバス

手すり等の適切な設置例

 

 

福祉介護ショールームのご紹介【動画:水回り設備編】

あなぶきグループで保有している福祉介護リノベーションのショールームを動画でご紹介してまいります。

浴槽のまたぎの高さ実験や、キッチンの天板の高さを実験するエリアなどが人気です。

それ以外にも、さまざまな体験ができるエリアとなっておりますので、ぜひご覧ください。

 

香川県高松市 あなぶきPMアカデミー5F 福祉リノベーションエリア

 

 

 

 

まとめ

2回にわたって将来介護が必要になった場合を想定して、リフォームがお力になれることをまとめてまいりましたが、いかがでしたでしょうか?

いつかは他人ごとではないとお考えいただけるきっかけになり、いざ必要な時に少しでも今回のブログを思い出していただければ幸いです。

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葛西健太郎

葛西健太郎

あなぶき実重建設 インテリアリフォーム部 葛西 健太郎(かっさい けんたろうう)
香川県の建築系の専門学校を卒業し、その後、あなぶきグループにて新築マンション購入者様に向けてカーテン・照明などのインテリア商品の販売を経て、現在は主にマンションの室内リノベーション工事を担当しています。
インテリア販売で培った知識と経験で、リノベーション工事の際にも家具等のインテリア商品との調和までしっかりとご提案致します。
学生時代はずっとテニスに明け暮れていました。現在の趣味は各都道府県のご当地麺類を食べることです。(福岡はラーメンだけじゃなくうどんもおススメです!)

保有資格
宅地建物取引士 管理業務主任者 福祉住環境コーディネーター3級 第2種衛生管理者
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