あなぶきスペースシェアの三輪です。
暖かい季節になってきて、毎日過ごしやすくなってきましたね。高松も桜の花が咲き始めました。
外を歩いている人もスプリングコートの人が多くなってきて、いよいよ春という感じです。
さて、今話題の「民泊」。ニュースなんかでもよく耳にするワードですが、そもそも「民泊」ってなんなのか・・・
私自身も色々と勉強した中で、自分なりにまとめてみましたので、ぜひご参考ください。
目次
- 「民泊」の定義とは?
- 「民泊」の3つのカタチ
- まとめ
「民泊」の定義とは?
実は、「民泊」についての法律上の明確な定義はありません。
一般的には、「旅行者等に住宅の全部又は一部を宿泊施設として有償で提供すること」を指します。
ここ数年でAirbnb(エアー・ビー・アンドビー)をはじめとするインターネットを通じて空室を貸し出したいオーナーと宿泊希望者とをマッチングするサービスが急激に普及したことが要因となり、世界的にも急速に民泊ビジネスが増加してきてます。
なぜ、ここまで民泊が注目され始めたのかというと、
●訪日外国人旅行者(いわゆるインバウンド)の増加とそれに伴う宿泊施設の不足。
●空き家の増加。特に地方で急増する空き家活用への期待、また不動産投資をする際の新しい選択肢となってきたこと。
●世界的なシェアリング・エコノミー推進の流れ。
こういった期待やプラスの背景はもちろんですが、その反面、
▲従来の「旅館業法」では対応ができないケースが多いこと、また旅館業の許可を得ずに違法に運営している「ヤミ民泊」が横行していること。
▲近隣住民とのトラブル発生の懸念。
▲犯罪やテロ等に利用されないかの不安。
といった、現状のマイナス面も同時に顕在化してきたため、より一層の注目を浴びることになりました・・・
そこで、これらの課題を踏まえ「旅館業法による民泊」「国家戦略特区の民泊」「住宅宿泊事業法による民泊(新法民泊)」の3つの方法が整備され始めました。
国内で民泊をしようとすると、この3つから運用形態を選ぶようになります。
次の項で詳しく解説します。
「民泊」の3つのカタチ
①旅館業法による民泊
これまでの日本では、最もスタンダードな宿泊施設の形態と言える方法です。
「宿泊料を受けて人を宿泊させる営業(=「有償」で「寝具を提供」して施設を「反復・継続」して利用させること)」を行う場合は、この旅館業による許可が必要になります。
住宅や空室を提供する場合であっても、有償で繰り返し宿泊施設として提供する「民泊サービス」を行うことは旅館業にあたるので、本来であれば旅館業法に基づく許可が必要です。
旅館業法では4種類の営業形態がありますが、この中で最も「民泊」に近いのが「簡易宿所」での営業形態です。許可もこの簡易宿所で取るのが多いと思います。
ちなみに、4種類とは
①ホテル営業・・・洋室の客室が主体の宿泊施設。レストランや食堂で食事を提供できること、と条例で規定されていることが多いです。
②旅館営業・・・和室の客室が主体の宿泊施設。
③下宿営業・・・1月以上の期間を単位とする宿泊施設。
④簡易宿所営業・・・宿泊する場所を多数人で共用する宿泊施設。(ペンションやユースホステル、ゲストハウスなどが該当。)
【「簡易宿所営業」の特徴・条件】
・施設がある地域の保健所へ申請をし、許可を得ること。
・用途地域の制限がある。住宅専用地域では営業ができません!
・1棟内で簡易宿所として使用する延べ床面積が100㎡を超えると、建物全体の用途変更が必要。
(例えば、賃貸マンションで40㎡の部屋を簡易宿所とする場合、2部屋までなら建物の用途変更は不要ですが、3部屋になると建物全体の用途変更が必要です)
・面積規定として、宿泊者1人あたり3.3㎡以上の床面積が必要。
・集客サイトの制限なく色々なOTA(旅行予約サイト)に掲載可能であること、365日運用可能なので収益性が高い。
②国家戦略特区の民泊
いわゆる「特区民泊」と呼ばれるものです。
特区民泊とは、国から国家戦略特区として指定された自治体で行う民泊のことを指します。特区に指定された自治体が「民泊条例」を定めた場合は、認定を受けた施設は特例として旅館業法の適用除外を受けられるという仕組みです。
東京都大田区、大阪府、大阪市などが特区民泊の制度を活用しています。
【特徴・条件】
・一居室の床面積が25㎡以上あること。
・最低滞在日数の規定があること。大阪市では2泊3日以上宿泊する人でないと利用できない。
・国家戦略特区のエリアでしか運用できない。
・宿泊者との契約形態は賃貸借契約である。
③住宅宿泊事業法による民泊(新法民泊)
2017年3月に閣議決定され同年6月に可決された、民泊に関わる新たな法律「住宅宿泊事業法(民泊新法)」に基づく民泊です。
2018年6月15日に施工される予定ですので、その日以降の運用になります。
恐らく、現在、話題になっている「民泊」というワードはこのことを指していることが多いのでは・・・と思います。
この方法ですと、民泊ホスト(オーナー、事業者)は、都道府県知事に対して届出をすれば、旅館業法の許可がなくても民泊を運営することが可能となります。
【特徴・条件】
・年間営業日数に制限がある。年間180日しか運用ができません!180泊宿泊したら営業ストップです。
(尚、4月1日正午から翌年の4月1日正午までを1年間とします。1泊=1日としてカウントします。)
・用途地域が住居専用地域でも営業可能。建物の用途変更も不要。(条例によっては制限があることも)
・面積規定として、宿泊者1人あたり3.3㎡以上の床面積が必要。
・賃貸での同時募集が可能。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
民泊の基本的な定義というか概要についてはこんな感じかな、と思います。
ただ、民泊をめぐる法規制やプレスリリースについてはめまぐるしく変動していますし、各自治体によっても反応や対応が異なるため、注意が必要です。
民泊を始める際には、国の法令はもちろんですが、宿泊施設があるエリアの行政に確認をしっかりするようにしましょう。
なお、住宅宿泊事業法により民泊が全国的に合法化されたとしても、分譲マンションの管理規約や賃貸契約書などで民泊が禁止されている場合には民泊はできません。
参考記事:マンションでの民泊対応どうする? ①
マンションでの民泊どうする?②
国の方でも、民泊についての専用サイトを開設していますので、こちらもご参考ください。
民泊制度ポータルサイト「minpaku」
三輪有香
島根大学卒業後、2009年に入社しました。賃貸物件の仲介営業に4年間従事し企画室へ。1年半の産休・育休を取得後、賃貸事業部に復帰しました。2018年2月1日にあなぶきスペースシェアの設立と共に現在の会社へ。初めて触れるシェアリングエコノミー事業ですが、七転八起で頑張ります。保有資格:宅地建物取引士、管理業務主任者、福祉住環境コーディネーター2級
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