自主管理のマンション必見|マンション管理会社に会計業務を委託する

松井 久弥

自主管理のマンションにお住まいの方へマンション管理会社に業務を委託した場合どのように変わるのかを項目ごとにご紹介します。

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目次

  • マンション管理会社に業務委託するとどこが変わるの?
  • 出納・会計業務の中で毎月実施するもの
  • 出納・会計業務の中で年1回実施するもの
  • マンション管理会社に出納・会計業務を委託した場合、透明性を確保する方法
  • まとめ

マンション管理会社に業務委託するとどこが変わるの?

マンション管理会社に業務委託すると、自主管理マンションの管理組合様の業務は下図のように変わります。

変化

特に自主管理のマンションで会計担当をされている役員さんは毎月の支払や記帳などの組合業務に時間を取られているのではないでしょうか?

今回はマンション管理会社へ業務委託ができる項目の中の「出納・会計業務」において、自主管理の時とどの部分がどのように変わるのかを詳しくご説明します。

出納・会計業務の中で毎月実施するもの

出納・会計業務の中で毎月実施するものをまとめてみました。

  1. 通帳や請求書、領収書などから必要な仕訳を起票する。
  2. 通帳を記帳する。
  3. 口座引落で支払う公共料金・リース料などの支払いについて、領収書、引落通知などと一致しているかを確かめる。
  4. 通帳に記帳された入金取引について、内容を確かめ必要な仕訳を起票する。
  5. 管理費等の滞納者に対して督促を行う。(適宜)
  6. 通帳の預金残高と帳簿の預金残高が一致していることを確かめる。
  7. 小口現金を利用している場合は月末の実際の現金残高を実査し、帳簿残高が一致していることを確かめる。
  8. 役員などが立て替えた支払いがあれば精算し、必要な仕訳を起票する。
  9. 収入・支出項目について、各勘定科目の予算額と比較する。
  10. 収入項目は組合員別・月別の納付状況を補助簿に記入して、納付遅れがないかどうかを確かめる。
  11. 請求書・領収書を整理する。
  12. 前払金・未収入金・未払金・前受金を正しく計上する。
  13. 収入項目についてあるべき金額になっているかを確かめる。
  14. 会計報告書案を作成し、内容を確かめる。
  15. 理事会に報告する。

 

これまで会計担当の方がされていた上記の項目は業務委託した場合すべてマンション管理会社が行うので、理事会は上記項目の報告を受け内容に間違いがないか確認するだけでよくなります。

出納・会計業務の中で年1回実施するもの

次に管理組合の会計業務の中で年1回決算時に実施するものをまとめてみました。

①すべての預金口座について残高証明書を入手し、帳簿残高と一致していることを確かめる。

② 理事長が交代したら預金口座の名義変更の手続きを行う。(交代時)

③ 小口現金を利用している場合には決算月末の現金残高を実査し、できれば監事にも立ち会ってもらいチェックを受ける。

  1. 決算にあたり仮払金・立替金・仮受金・預り金の残高の内訳を調べて、精算漏れや返金漏れとなっているものはないかを確かめる。
  2. 収入・支出項目について、各勘定科目の予算額と比較する。
  3. 請求書・領収書を整理する。
  4. 前払金・未収入金・未払金・前受金を正しく計上する。
  5. 収入項目について、あるべき金額になっているかを確かめる。
  6. 支出項目について定額のものは予算額と一致していることを確かめ、差異が生じていた場合には、その発生理由を調べる。
  7. 次期予算案を作成する。
  8. 総会開催日と監事の監査実施日の日程を調整する。
  9. 理事会に報告する。
  10. 監事の監査を受ける。
  11. 総会開催資料を発送する。
  12. 総会で報告する
    ※本来は議長として理事長が報告を行いますが、マンション管理会社に業務委託している場合この報告を理事長に代わってマンション管理会社が行うことも可能です。
  13. 帳簿や会計報告書作成資料などを保管する。
  14. 次期の会計担当理事に引き継ぎを行う。

 

赤文字表記の項目はマンション管理会社に業務委託した場合でも、管理組合が行わなければならない業務です。
もちろんマンション管理会社はその業務を行うためのサポートをしてくれます。

マンション管理会社に出納・会計業務を委託する場合、透明性を確保する方法

マンション管理会社に出納・会計業務を委託する場合、上記の業務内容を実施するためにこれまで管理組合で管理保管していた通帳はマンション管理会社が管理保管(預る)ことになります。※印鑑はこれまで通り理事長が管理保管です。

マンション管理会社に通帳を預けたりするのは不安…、と思われるかもしれませんがご安心ください。
不正等がないようにマンション管理会社は透明性を確保する方法があります。

たとえばあなぶきセザールサポートの場合

月次報告書を毎月理事長へ提出します。

月次報告書には通帳のコピーを添付するので、”いつ” ”何に” ”いくら支払った”のかを明確に確認することができます。

収納口座に入金された管理費や修繕積立金等は、当月分は当月末までに管理組合の保管口座へ振替を行います。

またその明細は月次収支報告書に添付して理事長へ毎月報告をします。

支払手続きは2重チェックを行います。

マンション担当者とは別部門(経理部)が支払手続きを行い、1万円を超える支出に関しては理事長が署名捺印した「支払依頼書」原本がないと支払いを行いません。
通帳を預かっているからといって勝手に支払いを行うことはないのです。

管理費等保証協会の保証委託契約を締結

万が一マンション管理会社が倒産したりしてしまった場合でも、1ヵ月分の管理費等が保証されるようにマンション管理会社はマンション管理業協会と管理費等保証委託契約を結んでいます。

まとめ

自主管理のマンションでは役員の成り手不足問題から、同じ方が何年も会計担当をされていて負担になっているというお話をよく聞きます。

マンション管理会社に出納・会計業務だけを依頼することも可能なので、自主管理の主体性はそのままにして管理組合の業務負担だけを軽減することもできるのです。

自主管理のマンションの管理組合の方はマンション管理会社への一部委託も検討してみてはいかがでしょうか?

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松井 久弥

あなぶきハウジングサービス:松井 久弥(まつい ひさや)
2000年あなぶきハウジングサービス入社。
全国10都道府県において、管理担当・リプレイス営業・新規拠点立上げ・部門責任者に従事。特にマンション管理会社のM&Aにおいては、案件化からデューデリ・譲渡契約・お客様対応全般・統合後プロセス(PMI)までを実践。
マンション管理士、M&Aシニアエキスパート。
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