【分譲マンション管理】2021年2月13日・福島県沖地震の対応について

立花晴太郎

皆さんこんにちは。あなぶきハウジングサービス仙台営業所の立花です。

2021年2月13日の深夜、福島県沖を震源とする地震が発生し、宮城県・福島県で最大震度6強を観測しました。私が住む仙台市内は震度5弱でしたが、発生時は久しぶりの激しい揺れに恐怖を感じました。後に2011年の東日本大震災の余震と思われるとのニュースを見て、地球の時間軸のスケールに驚かされました。

今回は、2月13日発生の福島県沖地震の被害状況や対応について取り上げたいと思います。

 

2021年2月13日 福島県沖地震

2月13日の地震は深夜に発生しましたが、発生直後から24時間体制で緊急受付を行う「あなぶきコールセンター」内に設置された対策本部と連携のうえ、お客様からの入電内容等と併せて被害状況の把握に努めました。幸いにも火災等の甚大な被害の連絡はありませんでしたので、翌日、スタッフ総出で管理物件の緊急巡回を実施しました。巡回の結果、特に以下のような状況が多く確認されました。

 

エレベーターの停止

ほとんどのマンションのエレベーターが停止し、「いつ頃復旧するのでしょうか?」というお問合せも多くありました。

大きな地震が発生した際、エレベーターは、「地震時管制運転装置」により最寄り階に自動停止します。地震動(P波・初期微動)、(S波・主要動)を感知し作動するようになっており、設定値は建物の高さなどにより異なりますが、一般的におよそ震度5弱以上の揺れで地震時管制運転に移行します。

復旧させるには基本的にエレベーター保守会社の技術員が現地に赴き、安全を確認したうえで復旧していきますが、エレベーターは無数に設置されているため、復旧は以下の優先順位で行われます。

①閉じ込めが発生している建物

②病院等、弱者が利用する建物

③公共性の高い建物

④高層住宅(高さ概ね60メートル以上)

⑤一般の建物

(一般社団法人エレベーター工業会HPより)

この順序に照らし合わせると、ほとんどのマンションは「⑤一般の建物」に該当するため復旧にはどうしても時間を要してしまいます。

今回の地震では、仙台市内の当社管理物件ではすべてのマンションが翌日中(14日)に復旧しましたが、中には翌々日(15日)まで時間を要したマンションもあったそうです。

マンション高層階にお住まいの方、高齢者や小さなお子様がいらっしゃる家庭では特に苦労されたかと思います。やはりこのような状況をみると、水や食料等、非常時のための備蓄の重要性を改めて認識されられます。

 

【過去の参考記事】外出自粛中におうちの備えの見直しを!防災のために今、家でできること

 

エキスパンションジョイントの損傷・変形

皆さんは「エキスパンションジョイント」をご存じでしょうか。

多くの建物の中は、形状が異なる別々の躯体をつなぎ合わせて建てられています。それぞれの躯体同士には少し隙間を空けており、その隙間をつなぎ合わせている金物がエキスパンションジョイントです。

地震が発生すると、別々の躯体はそれぞれの揺れ方をします。その際に躯体に大きな損傷が生じないようわざと隙間を空けたエキスパンションジョイント部分で衝撃を吸収・分散させるというわけです。

今回の地震でも、多くのマンションでエキスパンションジョイントの損傷・変形が確認されました。

 

 

エキスパンションジョイントの役割を理解していなければ、上記のような状況を目の当たりにしてしまうと建物が大きなダメージを負ってしまったと感じるはずです。

2016年の熊本地震の際もこのエキスパンションジョイントの損傷を「マンションに亀裂」「マンションが分断された」と報道され、一時、話題騒然となりました。

しかし、構造と仕組みを理解していれば、地震後にエキスパンションジョイントがある程度損傷・変形していても、それは本来の働きができたと言えます。

ただし、損傷したエキスパンションジョイントは、補修等の対応を行う必要があるので、今後対象マンションの管理組合様と対応を協議していくこととなります。

 

給水管の損傷による漏水

一部のマンションでは、地震の衝撃により給水管が損傷し漏水も発生しました。

高架水槽から各戸に給水する配管が破損し、共用廊下で漏水が発生しました。幸いにも当日中に仮補修対応が出来、長時間の断水という最悪の事態は避けることが出来ましたが、仮補修工事時に2時間程度の一時的な断水が発生しました。

こちらのマンションは、日頃の防災訓練の成果が発揮され、管理組合役員が集会室に集まり、対策本部を設置して対応にあたりました。

仮補修工事の前には総戸数100戸を超えるすべての住戸に対し、管理組合役員が手分けして「トイレ等へ使用するための水を浴槽等に貯めておいてください」とそれぞれにアナウンスしたことにより、その後2時間あまりの一時断水を迎えても、大きなトラブルになることなく、対処することができました。

いざという時に組織が機能するためには、日頃の訓練が重要だと改めて認識しました。

 

【過去の参考記事】 なぜ必要!?なにをするの!?分譲マンションにおける防災訓練

 

備えあれば憂いなし

今回の地震において、当社で管理させていただいているマンションにおいては、幸いにも人命にかかわるような甚大な被害の発生はありませんでした。

しかし、この地震を機に今一度、災害に対する備えを考え直すきっかけにしなければいけないと感じました。

頭ではわかっていても実際に十分な対策・準備ができていないという方はたくさんいらっしゃるのではないかと思います。

今年は東日本大震災から10年目の節目の年であり、また、南海トラフ地震や首都直下型地震などの大きな地震の発生が心配されている昨今において、どの地域に住んでいる方も自分事と捉えて真剣に考えていくことが大切なのではないでしょうか。

当社では、「マンション管理組合で備えておきたい防災用品」をはじめ、各マンションの事情に合わせた防災対策の提案を行っています。ぜひお気軽にお問合せください!

 

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立花晴太郎

あなぶきハウジングサービス 立花 晴太郎(たちばな せいたろう)
宮城県仙台市出身。分譲マンション管理(フロント)業務、新規受託営業に従事し、様々な地域の様々なマンションに携わらせていただきました。「より快適なマンション」へのヒントになるような情報を提供していきます。
保有資格:マンション管理士、管理業務主任者、宅地建物取引士、マンション維持修繕技術者
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