マンションにおける水道管凍結のトラブル事例と対策

立花晴太郎 立花晴太郎

皆さんこんにちは。あなぶきハウジングサービスの立花です。

今季の冬は全国的に平年より寒い地域が多いようです。昨年(2019年~2020年)は暖冬だったので特に寒さが厳しく感じますね。私の住む仙台は、東北地方の中では比較的雪が降らない地域なのですが、今季は何度も数日間路上に残るほどの雪が降っており、あまり慣れていない雪道の通勤に四苦八苦しています。

このような中、マンションにおいても水道管の凍結により「水が出ない!」というトラブルが多発しています。今回のブログは水道管の凍結をテーマに取り上げたいと思います。

 

マンションにおける水道管の凍結

一般的に一戸建てやアパート等と比べ、マンションは構造上、水道管の凍結が発生しにくいと言われています。

マンションにお住いの方が過度に水道管の凍結を心配する必要はありませんが、厳しい寒波が到来するなどした場合は、やはり注意が必要です。

マンション専有部の配管、共用部の配管の凍結についてそれぞれ解説していきます。

(一般的に水道本管から各戸メーターまでが共用部分、メーターより先の配管が専有部分です)

 

共用部配管の凍結

冬季において、マンション全体で水が出にくい、もしくは断水しているといった場合は、共用部の配管で凍結が発生している可能性が高いです。

マンションによって給水方式は異なりますが、共用部配管の凍結で多いのは、受水槽を経て各戸へ給水するまでの配管が外気に接している部分です。

高架水槽方式の場合、建物屋上に配管されていますので、屋上のように風当りが強い場所は特に凍結の危険があります。

ただし、寒冷地においては通常、水道管の凍結を防ぐために断熱材で配管を保温したり、凍結防止ヒーターを取り付けたりというような対策が施されています。凍結防止ヒーターは配管に被覆された電線を巻き付け、電線の熱で配管の凍結を防止します。一般的に凍結防止ヒーターは、節電のためにサーモスタットが付いており、外気が一定の気温まで下がるとサーモスタットが検知し自動的に通電する仕組みです。

また、マンションの外構や廊下等に設置してある共用水栓は、蛇口部分が外気に接していますので凍結しやすい場所のひとつです。

 

サーモスタットの故障に注意

凍結防止ヒーターは下写真のように「電源ランプ」と「通電ランプ」があります。

電源を入れると電源ランプが点灯し、オンになっていることがわかります。通常この状態にしておけば、サーモサタットの機能により、外気が一定の気温まで下がると自動的に通電し、配管の凍結を防止します。

しかし、サーモスタットが経年劣化等で故障していると、気温が低下しても通電されず、配管が凍結してしまう、ということが起きてしまいます。

電源ランプの点灯を事前に確認していても、通電ランプは、実際に一定の気温まで低下しないと点灯をしないので故障に気付けないケースが多々あります。

「設備はいつか壊れるもの」とわかっていても、限りある修繕費を考えると、できる限り長く使いたいところですが、凍結が発生した際にサーモスタットの故障に気付いた、では元も子もありません。

一概に交換時期を決めるのは難しいですが、一定年数ごとに更新をする必要があるかと思います。

 

凍結してしまったら

共用部の配管凍結が疑われる場合は、管理会社へ連絡を入れてください。設備業者にて解氷機(電気を使い氷を融解する機械)等を用いて融解を試みたり、応急措置的にホース等で高架水槽に給水するなどし、極力断水を発生させないための対処を行う必要があります。

また、屋外の共用水栓などが凍結した際は、氷を解かすために熱湯をかけてしまうと熱膨張し、配管を破損させてしまう原因になります。

凍結している蛇口や水道管にタオルを巻き付け、その上からぬるま湯(40度前後)をゆっくりかけるようにしてください。

専有部配管の凍結

マンションは気密性が高く、上下左右に住戸があるため外に面する面積も少ないことから、外気温が低い状況であっても室内側は比較的暖かく、専有部内の室温が配管凍結に至るほど低くなることは、あまりないかと思います。

しかし、厳しく冷え込んだ場合は、メーターボックス内の配管等で凍結する可能性も考えられます。

他の住戸では水が出ているということであれば、専有部の配管が原因の可能性が高くなります。

 

凍結してしまったら

屋外の共用水栓等と同様、熱湯をかけることは禁物です。この場合も水道管にタオルを巻き付け、その上からぬるま湯をかけるか、ドライヤーなどで配管を温めるようにしてください。

 

凍結による配管の損傷

水道管の凍結は、水が使えなくなるだけではなく、配管を破損させてしまうことがあります。

水は凍結して氷になると体積が増加します。0度以下で凍結すると、約9%の体積膨張が生じるそうです。それによって配管が破損してしまうのです。

破損した場所から漏水が発生し下階に被害が及ぶなど、二次被害が起きないよう注意が必要です。

 

〈参考〉水道凍結事故の際の火災保険についての過去ブログ

水道管が凍結したとき、火災保険は使える?

まとめ

「水道管の凍結」といっても、原因や凍結箇所も様々なパターンが考えられます。

昨今のコロナ禍においては、特に単身向けマンションで学生の方が実家に帰るなどして、マンション全体の使用水量が減少したことにより配管内の水の流れがなくなり、凍結に繋がったと考えられるケースもありました。

もちろん未然に対策し、断水等が発生しないようにすることが一番ですが、断水が発生し、急に水が出ない場合は、焦らずに管理会社にご連絡いただければと思います。

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あなぶきハウジングサービス 立花 晴太郎(たちばな せいたろう)
宮城県仙台市出身。分譲マンション管理(フロント)業務、新規受託営業に従事し、様々な地域の様々なマンションに携わらせていただきました。「より快適なマンション」へのヒントになるような情報を提供していきます。
保有資格:マンション管理士、管理業務主任者、宅地建物取引士、マンション維持修繕技術者
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