通常総会の開催月と決算月の変更について│マンション管理組合

 

目次

  • 通常総会の開催月を変更する理由(理事長様の声)
  • 通常総会の開催月はどのうようにして決まっているのか
  • 通常総会を5月・6月に開催している管理組合は多い
  • 通常総会の開催月変更の手順について
  • まとめ

分譲マンション(区分所有建物)の管理組合では、毎年ほぼ同じ月に通常総会(定期総会)を開催していると思いますが、先日、ある管理組合(A管理組合)の理事長様より、通常総会を毎年5月に開催しているが、開催月の変更を検討したいとの相談を受けました。その理由は以下のようなものでした。

通常総会の開催月を変更する理由(理事長様の声)

①3月末で会計年度が終わり、決算処理(未払金計上・決算整理)を経て4月下旬に決算が確定した後、すぐに大型連休があるため、理事会を招集して通常総会の事前準備(事業計画案・予算案等の検討)をする十分な時間がとれない。(監事からも会計監査をする時間が十分にとれないとの意見もあった。)また、連休期間を除くと、通常総会を開催する日として設定できる日(土日等)が少ない。

②この時期は、一般企業や各種団体の決算や新年度開始の何かと忙しい時期であり、また、お子さんのいる世帯では、新学期が始まり様々な行事と重なるなどの理由で、通常総会に出席することができない組合員も多い。

③同じ公民館を利用する近隣マンションの管理組合が増えたため、毎年利用していた近くの公民館を都合のいい日時に予約することが難しくなった。今年の通常総会は近くの公民館が予約できなかったので、やむを得ず遠方の集会所で開催したが、組合員から苦情があった。

通常総会は管理組合の事業や収支状況の報告・計画等、管理組合運営について重要なことを決める年1回の大切な機会なので、事前の準備をしっかりとして、多くの組合員に出席してほしいとの思いから通常総会の開催月を見直したいとのことでした。

通常総会の開催月はどのうようにして決まっているのか

分譲マンション(区分所有建物)の管理組合では、毎年ほぼ同じ月に通常総会(定期総会)を開催していると思いますが、通常総会は、管理規約で「新会計年度開始以後○か月(2か月または3か月が多い)以内に通常総会を招集しなければならない」という規定があり、その規定に基づいて開催する月を決定しているのが一般的です。したがいまして、管理組合において会計年度と通常総会の開催月とは連動していることになります。
会計年度については、法令等で何月から何月までの1年間にしなければならないという規定はなく、管理組合ごとに総会決議などで自由に決めることができますが、A管理組合では、毎年4月1日から3月31日の1年間を会計年度とし、新会計年度開始以後2か月以内の通常総会開催を管理規約で定めているため、それにもとづき毎年5月に通常総会を開催していることになります。
この、会計年度の最終月を一般的に「決算月」と呼んでいます。(A管理組合は3月が決算月)

通常総会を5月・6月に開催している管理組合は多い

実は、上記のA管理組合と同じく、会計年度を毎年4月1日から翌年3月31日まで(3月が決算月)と管理規約で定め、それにもとづき、5月に通常総会を開催している管理組合はとても多いのです。

1年のうちで、3月を決算月として規定している管理組合が多い理由は、主に次の2点であると考えられます。

①企業や公的機関等が採用している会計年度にあわせているため(一般的に言われる年度の考え方にあわせている)

②新築時にマンションの引渡しが3月に行われることが多いため(引渡しと同時に管理組合も発足するため4月スタートとしている)

上記以外に3月を決算月とすることに明確な理由がある管理組合もあると思いますが、ほとんどの管理組合においては、3月を決算月とする大きな理由はあまりないように感じています。

通常総会の開催月変更の手順について

通常総会の開催月を変更するには、決算月(会計年度)の変更が必要となります。
決算月(会計年度)の変更は、管理組合ごとの規定により違いはありますが、一般的には総会において管理規約変更の決議を得ることで変更することができますので、ご検討に際しては、お住まいのマンションの管理規約を確認いただければと思います。

ただし、決算月(会計年度)の変更に伴い、以下のような問題が発生する可能性もありますので、場合によっては、決議の内容に盛込む必要もあると思いますので参考にしてください。

①変更を開始する初年は、会計年度が1年に満たないか1年を超える期間となるため、管理組合役員の任期等の変更または調整
②年1回だけ徴収するような使用料等がある場合(駐輪場使用料など)には徴収内容や引当期間などの調整
③長期修繕計画の計画修繕年度の見直し
④業務委託先(管理会社・点検会社)との契約期間の見直し(通常総会の開催月を考慮した契約期間に変更)

これとは別に単純に通常総会の開催月を変更する方法もあります(新会計年度開始以後の通常総会開催の期限を延ばす方法)が、これも手順としては同じ管理規約の変更となることが一般的なので、管理規約変更の決議を得る必要があります。

まとめ

決算月を変更することによるメリットの有無は管理組合ごとに違うとは思いますが、特に現在、決算月が3月で5月に通常総会を開催している管理組合については、A管理組合と同様の問題を抱えているか、または、今後問題化する可能性があると思いますので、是非、決算期の変更(通常総会の開催月の変更)について、ご検討されることをおすすめいたします。
なお、決算期を度々変更することは、会計における継続性の原則が失われることになりますので、度々変更することは望ましくありません。十分ご留意いただければと思います。

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田中一直

田中一直

あなぶきハウジングサービス 田中 一直(たなか かずなお)
香川県出身。あなぶきグループに平成6年に入社。主に新築マンションの販売、中古マンション・戸建などの仲介業務を経て、その後、マンション管理業務に約20年従事しています。マンション管理組合の運営補助だけでなく、お客さまのマンション生活が安心で快適であるため、常にプラスアルファの提案活動を心がけています。現在は福岡で勤務。
資格:マンション管理士・マンション維持修繕技術者
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