マンション管理費の滞納を防ぐ3つの予防策

田中一直 田中一直

分譲マンション(区分所有建物)の所有者は、管理費や修繕積立金を負担する義務がありますが、この管理費の滞納問題に頭を悩ませている管理組合も多いと思います。国土交通省が平成25年に行ったマンション総合調査によると、管理費を3ヶ月以上滞納している所有者がいると答えたマンション(管理組合)は、調査対象のマンションのうち37%となっています。
実に3分の1のマンションで管理費の滞納が発生していることになります。

管理費や修繕積立金は管理組合を運営して行くためには必要な資金源であり、滞納が増える(管理組合にとっては未収が増える)ことは、その運営に大きな支障を来たすことになりますので、管理費の収納は管理組合としてとても重要な業務であると言えます。

 

目次

  • 管理費滞納の発生理由
  • 管理費滞納を予防する3つの策
  • まとめ

1:管理費滞納の発生理由

では、なぜ管理費の滞納は発生するのでしょうか?
管理費の滞納が発生する要因については、主に次の3つが考えられると思います。

①資金的に支払いが困難(払うお金がない)
②うっかりミス(引落日に残高不足、支払い忘れ等)
③故意に支払わない(手続きが面倒で後回しにする等)

その他にも管理組合への不満などを理由に支払いを拒まれるケースもあるようです。
上記①~③のうち、①による滞納については、様々な原因があるため事前の予防は難しいと思います。また、滞納期間も長期化する可能性が高いため、案件毎に法的措置を含めた対応を管理組合として協議する必要があると思います。
一方で、上記②③については、滞納を事前に防ぎ、また、発生したときにも長期化させない(早い段階で回収する)仕組みを管理組合で採用することで、滞納問題に対して一定の効果はあると思います。
たまたま1ヶ月分の支払いを忘れて、そのまま、ずるずると滞納額が膨れてしまい支払えなくなった。。。という事例も多くあります。
私の所感ですが、滞納期間が3ヶ月を超えると、一括して滞納額を回収することが難しくなると感じています。

2:管理費滞納を予防する3つの策

それでは、管理費の滞納を予防するためにはどうしたらいいのでしょうか?
予防策としては、マンション毎の事情等により様々なものがあるとは思いますが、私からは、次の3つの予防例をご紹介したいと思います。

①  集金代行会社の利用

ほとんどの管理組合においては、管理費は各区分所有者の銀行口座から毎月引落しを行っている場合が多いと思います。
この口座引落しはマンションによって「銀行(○○銀行・○○信用金庫など)」か「集金代行会社(○○ファイナンスサービス・○○ファクターなど)」の何れかのサービスを利用していると思います。
2つの違いについては、何れも各区分所有者の口座から管理費を指定日に引落とすことは同じなのですが、一番の大きな違いは、

「銀行」=原則として利用契約をした銀行の口座からのみ引落しが可能。
※例えば管理組合がA銀行と契約して管理費の口座引落しを依頼した場合、そのマンションの区分所有者はA銀行の口座からのみ引落しが可能となります。(A銀行に口座を持っていない区分所有者は新たにA銀行に口座を開設しないと管理費の口座引落しをすることができないこととなります。

「集金代行会社」=ほとんどの国内の銀行口座からの引落しが可能。

管理組合(管理会社の場合もあります)がマンション近くの地方銀行などで口座引落しの契約している場合は、他の都道府県や遠方に住んでいる区分所有者にとっては、指定の地方銀行の店舗が無い、また、区分所有者のメインバンクが別の銀行であるなどの問題があり管理費の引落しにあわせて、自分の口座にお金を移す(振込む)手間とコスト(振込手数料)が発生します。
このため管理費の引落日までにお金を移すことができなかった(移し忘れた)などにより滞納に繋がることもあります。
各銀行・各集金代行会社によって利用料(引落手数料)に違いがありますが、区分所有者がマンション外に居住している住戸が増加傾向にある現在においては、集金代行会社の利用をおすすめしたいと思います。

②  引落日の周知

毎月の管理費の引落日忘れを防ぐため、区分所有者へ「今月の管理費引落日は○日です。前日までに残高の確認を必ずお願いします。」といった内容を、掲示板やエレベーター内に貼り出したり、各住戸へ個別に配付する。また最近では電子メール等で区分所有者宛に一斉配信している管理組合もあると聞きます。

③  区分所有者への確実な連絡(未納のお知らせ)

万一、期日に管理費の引落しができなかった区分所有者には、すぐに電話連絡により、支払いをお願いすることが重要です。例え今回たまたま引落しができなかったという人であっても、例外なく連絡は行うべきだと思います。先ほども滞納理由のところで書きましたが、初期の滞納理由がどうようなものであっても、それが長期の滞納に発展してしまう可能性はあります。
また、電話連絡のときには、直接本人と話をすることが効果アップのポイントです。(留守番電話・着信残しのままでは効果が半減します)督促の連絡は通常マンション管理会社が代行する場合が多いと思いますので、滞納が発生した場合にどのタイミングでどのように連絡をしているのかを確認してみてもよろしいかと思います。
ちなみに当社(あなぶきハウジングサービス)では、管理組合とのご契約により、24時間体制のコールセンターより口座引落しができなかったお客様へのお知らせを行なっています。お客さまからの折返し電話等についても24時間体制で受電することが可能ですので、直接お客様とお話することで管理費滞納の予防を心がけています。

また、その他としては、管理費の滞納者からの要望により、滞納額をまとめて口座引落しを行っている管理組合もあると思いますが、これも滞納を助長させる要因となることが多いため、おすすめはしません。確実に1ヶ月分単位での口座引落としを行うことが望ましいと思います。

3:まとめ

管理費の滞納額が膨れ上がり、多額となった場合には、回収が困難になるだけでなく、管理組合の労力やコスト増(法的措置を講じる場合には訴訟費用等)につながることになります。
管理費の滞納問題の対策には、現に未収となっている管理費の回収だけでなく、いかに滞納が発生しない(滞納が続かない)仕組みを構築することも重要なポイントだと思います。

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田中一直

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あなぶきハウジングサービス 田中 一直(たなか かずなお)
香川県出身。あなぶきグループに平成6年に入社。主に新築マンションの販売、中古マンション・戸建などの仲介業務を経て、その後、マンション管理業務に約20年従事しています。マンション管理組合の運営補助だけでなく、お客さまのマンション生活が安心で快適であるため、常にプラスアルファの提案活動を心がけています。現在は福岡で勤務。
資格:マンション管理士・マンション維持修繕技術者
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