みなさま、こんにちは!
あなぶきハウジングサービスの橋本です!
今回は自主管理マンションの現状と課題について前編・後編に分けてご紹介します。
前編では自主管理マンションとはどういったマンションなのか、後編では自主管理マンションが抱えている課題についてお話します。
みなさまは自主管理マンションという言葉を聞いたことはありますか。
私は管理会社変更の窓口を担当しているのですが、自主管理マンションの組合様からも”管理会社に委託したい”というお問い合わせが数件あり自主管理マンションの問題について考えるようになりました。
日本全国の分譲マンションは約700万戸あります。
そのうちの約90%はマンション管理会社に委託しているのに対して自主管理マンションは約6.8%と割合として非常に少ないことが分かります。
そんな数少ない自主管理マンションとはどういった管理形態なのか、どういったメリット・デメリットがあるのかに重点を置いて説明していきます。
マンション管理方式について
マンション管理の方法には主に以下の3つがあります。
- 自主管理方式
- 全部委託方式
- 一部委託方式
どの管理方法を選択するかによって建物の資産価値にも影響します。
それでは①からどのような管理形態なのかご説明します。
①自主管理方式
分譲マンションは区分所有法(建物の区分所有等に関する法律)に基づいてマンションの区分で構成され 区分所有者全員で「管理組合」を構成しなければなりません。
自主管理方式とは管理会社などに管理を委託せず、管理組合が自分でマンションを管理しているということです。
②全部委託方式
マンション管理会社に管理業務の全てを委託する方式です。
現在、最も一般的な管理形態で、管理会社と契約した範囲において全面的に管理を任せるというものですが、管理委託の費用が発生します。
会計から理事会、総会のサポート、設備・建物の維持管理などワンストップで行ってくれるもので組合の負担は軽減されます。
③一部委託
マンションの管理に関して、すべて委託するのではなく管理業務の一部だけを管理会社に委託する方式でその分管理組合が業務を行う方式です。
例えば、事務管理業務、管理員業務、清掃員業務、定期清掃業務は管理会社に委託しそれ以外の業務は組合が直接下請け業者と契約しているなどがあります。
どこまで委託するかは管理組合によって様々ですが、管理会社を経由せずに業者に依頼することで管理委託の費用などは安く済みます。
しかし、その分管理組合による管理業務の負担は増えるというデメリットもあります。
自主管理マンションのメリット・デメリット
自主管理を行うと管理組合にはどういったメリット・デメリットがあるのでしょうか。
【メリット】
①点検費用を抑えることができる
自主管理は管理会社に委託しないことで管理会社への委託費を節約することができます。多くの自主管理マンションでは管理会社に委託するよりも毎月の支出を抑えられているという傾向にあります。
②マンション運営の意識が高い
自主管理マンションは自分たちで管理組合を運営しているので、居住者一人一人のマンション管理に対する意識が高い傾向にあります。全部・一部委託の管理組合では総会・理事会の出席率が低いことが多いですが、自主管理マンションでは7~8割の組合員が参加するという管理組合が多いようです。
自分たちでマンションを運営していくという意識が高いことが分かります。
③居住者同時のコミュニティができやすい
管理組合を自分たちで運営していくので、居住者同士のコミュニケーションが多くなりお互いのことを知っている方が増えることで、問題が発生したときなど居住者間で助け合うことができるような体制になっています。
【デメリット】
①居住者の高齢化による管理継続の困難
自分たちで管理を行っていく自主管理マンションは、30~40年前に建てられたマンションで多く見受けられます。建物が建てられた時からずっと住んでいる方が多く、年数が経過していくと役員を担う体力がないということで役員のなり手不足が発生します。
②マンション管理に関する知識や情報を入手しにくい
自主管理になると、会計、清掃、大規模修繕計画などの管理会社が行っている業務もすべて行う必要があります。必要な知識も多岐に及ぶため、知識を得ることは重要ですが、常に勉強して最新の情報を得ようとするのはなかなか難しいですね。
専門知識が不足していると業務の進みが遅く時間と手間がかかってしまうので、修繕など時間をかけることができない問題に対しての対応が遅くなるなど考えられます。
③専門家に依頼していない場合はマンションの修繕や点検の管理が十分ではないことがある
マンション管理では適切な点検、修繕をしておかなければなりません。きちんと点検なしないと建物だけでなく居住者にとっても良くないですね。
②でも述べたように、修繕しなければいけない箇所があっても管理が行き届いていないと重大な事故に発展してしまう可能性もあります。
まとめ
自主管理マンションについてはお分かりいただけでしょうか。
管理方式に正解はありません。どの管理方式にもメリット・デメリットはあるので自分たちに合った管理方式を選んでいただくことが重要です。
自分たちで管理していくことは大変ですが、適切に管理していれば資産価値の低下を抑え居住者の生活も向上します。しかし、もし「今の管理のままでいいのだろうか。」と感じていれば一度管理会社への委託を検討してみてもいいかもしれないですね。
今回は前編として自主管理マンションについて紹介しました。次回は自主管理マンションの課題について実体験も含めてご紹介します!!
橋本大
橋本 大(はしもと だい)
神奈川川崎市出身 2023年4月入社
賃貸物件の管理会社を経てあなぶきハウジングサービスに入社。
現在は分譲マンションの管理会社変更をお手伝いする営業を行っております。
これまでの経験を活かして皆様が読んで“おもしろい!”と思ってもらえるようなブログを発信していきます!
保有資格:宅地建物取引士
最新記事 by 橋本大 (すべて見る)
- 分譲マンションの管理会社を変更する”リアル”な理由TOP3! - 2024年10月25日
- 管理組合様必見!!マンション管理計画認定制度とは! - 2024年7月1日
- 管理会社変更の重要事項説明は一体どんなことを説明するの? - 2024年6月1日