こんにちは。あなぶきハウジングサービスの福山です。
今回は、分譲マンションの管理会社の変更を行うときに、現在の管理会社とのマンション管理委託契約の解約の方法と解約通知書の例をご紹介します。
「マンション管理会社を変更する」、「自主管理に切り替える」となった場合には、マンション管理会社との委託契約を解除する必要があります。
現在のマンション管理会社との契約解除はどのように行えばいいのでしょうか。
管理委託契約の解除(解約)3つの方法
マンションの管理会社変更を検討している変更管理組合様より、「管理会社を変更したいが、現管理会社との契約期間が2年間の契約期間なので、契約期間が残っており、すぐに変更することが難しい」といったご相談を受けることがあります。
契約の残期間があれば途中解約は難しいのでしょうか?
マンションの管理委託契約書には、『契約の解除に関する条項』がしっかりと記載されていることが多く、契約期間を満了せずに管理委託契約の解除することが可能です。
管理委託契約の解除は以下の3つの方法があります。
合意解除
「合意解除」とは、マンション管理会社と管理組合様との契約の継続中に協議を行い、合意によって契約の効力を失わせるもの(解除)です。合意解除のポイントは、双方の意思表示が必要となります。
しかし、マンション管理会社の変更では、「合意解除」で行われることはほとんどなく、ほとんどのケースは「約定解除」にて行われます。
約定解除
「約定解除」とは契約に基づいて契約解除を行うものです。国土交通省が公表している「標準管理委託契約書」の第十九条にて
「前条の規定にかかわらず、甲(管理組合)及び乙(管理会社)は、その相手方に対し、少なくとも三ヶ月前に書面で解約の申入れを行うことにより、本契約を終了させることができる。」
と記載されています。
つまり、三ヶ月以上前であればいつでも解約することが可能ということです。
この「標準管理委託契約書」に準じて管理委託契約書が作成されていれば、基本的には三ヶ月前の告知となっており、この三ヶ月間に、現管理会社と新しい管理会社との間で引き継ぎを行います。
法定解除
3つ目の方法は「法定解除」という方法がです。これは契約違反、法律違反等があった際に行うものです。
なお、標準管理委託契約書」の第十八条では、
(契約の解除)
第十八条 甲及び乙は、その相手方が、本契約に定められた義務の履行を怠った場合は、相当の期間を定めてその履行を催告し、相手方が当該期間内に、その義務を履行しないときは、本契約を解除することができる。この場合、甲又は乙は、その相手方に対し、損害賠償を請求することができる。
2 甲は、乙が次の各号のいずれかに該当するときは、本契約を解除することができる。
一 乙が銀行の取引を停止されたとき、若しくは破産、会社更生、会社整理、民事再生の申立てをしたとき、又は乙が破産、会社更生、会社整理の申立てを受けたとき
二 乙が合併又は破産以外の事由により解散したとき
三 乙がマンション管理業の登録の取消しの処分を受けたとき
と定められております。契約の不履行があった際に利用できる方法です。
解約通知書の雛形
次に解約通知書の文章(雛形)をご紹介します。解約通知には難しいことを記入する必要はなく、ポイントとなるのは以下の2点です。
●解約は管理組合の総会(臨時総会等)の決議によること
(または、契約書の第何条に基いて行っているか、を記載しても可)
●いつを以って契約を終了するのかを記載する
以下はこの2点を盛り込んだ解約通知のサンプルです。サンプルのように、『現管理会社は新しい管理会社との引継ぎに関して円滑に協力をする』ようお願いする旨を記載しても良いでしょう。
管理会社の契約解除と変更スケジュール案
マンション管理会社との契約を解除する理由としては「マンション管理会社を変更する」という理由が多いと思います。
マンション管理会社を変更する場合に、三ヶ月前の契約解除通知以外にも、マンション管理適正化法に定められている法的なルールなど遵守しなければならないこともあります。
『総会通知の期日』や『決議方法』などがそれにあたります。 一般的なマンション管理会社変更のスケジュールは下表のとおりです。
これは一例ですが、管理組合様の状況によっては、これより長くなったり短くなったりすることもあります。マンション管理会社との契約を解除して、新たな管理会社へと変更する場合のポイントは、スケジュールをきちんと明確に管理しながら進めていくことです。
まとめ
今回はマンション管理委託契約の解除方法と一般的なスケジュールの流れをご説明させていただきました。
マンション管理の改善にお役立てていただければ幸いです。
福山洵
賃貸アパート・マンションの建築営業や不動産の売買・賃貸の勤務を経て、入社以来、分譲マンションの管理変更についてのご相談を専門に担当しております。
営業担当エリアは、北部九州エリア(福岡県、佐賀県、大分県、長崎県)です。
様々な人との出会いを大切に、日々鋭意努力しております。
保有資格:宅地建物取引士
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