こんな会計状況はよくない!?~貸借対照表の適正化~

佐藤尚斗 佐藤尚斗

あなぶきハウジングサービスの佐藤です。

最近、管理会社を当社へ変更いただいたマンションを担当するに当たり、気になったところがありました。
収支報告書をみると多くの管理組合にて貸借対照表が整理されていないのです。
今回は貸借対照表に隠されている問題をお伝えし、記事を読んでいただいた方には改善に取り組んでいただけたらなと思います。

計上されていたら良くない?勘定科目

まずは以下の貸借対照表をご確認ください。

いったい何のお金なのかわからない勘定科目が多いです。もし、読者の皆様の管理組合の貸借対照表が上表の内容と似たような状況である場合、改善が必要です。

未収入金

こちらは改めてお伝えしなくてもご存じの方が多いと思いますが、管理費等の滞納が未収金として計上されます。
多額の滞納があると、日々の管理コストを支払えなかったり、修繕工事を行う時に資金が足りなかったりと大きな問題につながります。また、しっかりと管理費を支払っている組合員と滞納組合員との間の不公平感も生まれてしまいます。
管理会社による督促でも、支払いがなされない場合、早い段階で法的措置をとって滞納解消に取り組みましょう。

預け・預かり金

当社では預け金・管理口、預け金・積立口のように計上しておりますが、管理会社によっては科目の名称が違うかもしれません。今回の例に計上されている預かり金・積立口及び預け金・管理口が意味するものは、「本来修繕積立金会計の預金口座に保管されていなければならないお金が、管理費会計の預金口座へ保管されている」状況であるということです。
管理組合全体のお金が増えていたり、減ったりしているわけではないため、慌てて対処する必要はありませんが、会計に詳しくない方が見ると、本来あるはずのお金が無いように見えたり、その逆に本来無いはずのお金が有るように見えたりし、戸惑わせてしまうこともあるため、発生したときにはお金の振り替えを行い、勘定科目を消しておいた方が良いでしょう。
この勘定科目は、もともと預金口座を一つしか作っておらず、管理会計と修繕積立金会計を分別管理することが定められた際に追加で預金口座を作成した管理組合に多くみられます。

仮払金・過払金

仮払金は、「何に支払いを行ったかわからないとき」や、「本来支払わなくてもよいが、支出が行われてしまったとき」等に使用されることが多いと思われます。
前者の場合は、調べてみたら必要経費であったということもあるかもしれませんが、管理組合において理由がわからない支出を行うことは管理会社が入っている場合ではほぼ無いと思われるので、後者の場合で使われていると思われます。
過払金は「必要以上に支払いを行ってしまったとき」に使用される科目であり、仮払金と似たような勘定科目です。
仮払金・過払金のどちらも、本来管理組合では支出しなくても良いものであることから、その分のお金を回収しなければなりません。
もし、貸借対照表に計上されているのを確認したら、理由を調べ、支払い先からお金を回収するようにしましょう。

管理費等預かり金・仮受金

管理費等預かり金は、本来その区分所有者が部屋の売却等に伴い管理費等の支払い義務がなくなっていたにも関わらず管理費・修繕積立金の支払いを受けた時に計上されます。つまり、管理組合から当該区分所有者に返金を行わなければならないことを表す勘定科目となります。
仮受金は管理費・修繕積立金以外の支払いを受けた時に使用されます。
本来お預かりしてはいけないお金があるということは適切な状態ではないですし、後々トラブルになることもあるでしょう。支払った方も何月分まで払っているかわかっていない場合もあり、返金しないままになっていることが見受けられます。
貸借対照表に計上されているのを確認したら、早急に返金手続きを取るようにしましょう。

未払金

未払金は当該の月内に費用は発生しているものの支払いは行われていないときに計上されるものです。
通常は翌月以降に支払いが行われますので、計上されていても問題はないことが一般的ですが、数カ月も同じ金額が残っていた場合は問題です。何かしらの工事等を実施した後、その支払いが何らかの事情で行われていないわけですから、工事を行った業者に損失を与えています。ごく稀に業者の請求忘れによって計上されていることがありますので、確認してみてください。

まとめ

今回お伝えした勘定科目は、どれも管理組合にとって存在すると適切ではないものになります。
もしかしたら、マンション管理に係る誰かに迷惑をかけているかもしれません。
もし、計上されていることが確認されたら早急に対応し、会計の適正化を目指してください。
理想は以下のような貸借対照表になることですね。

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佐藤尚斗

佐藤尚斗

あなぶきハウジングサービス東京南支店 佐藤 尚斗(さとう なおと)
2012年に入社し、始めに経理業務に従事した後、現在までマンション管理(フロント)業務に従事しています。主に埼玉・東京エリアのマンションを担当してきました。マンションの会計の健全化、収支改善、修繕・資金計画の策定の提案に力を入れています。
お客様に信頼されるようにお客様起点の提案を行います。

保有資格:管理業務主任者 宅地建物取引士
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