マンション大規模修繕工事|外壁塗装で知ってほしい2つのポイント

福田 純行 福田 純行

こんにちは、福田です。
三寒四温とはよく言ったものですね、そのとおりの気候が続いているこの頃です。

さて、今回は大規模修繕工事時の外壁等の塗装工事についてのお話です。

以前のブログでも、塗装を行うことは美観上の為だけではなく、大気中のCO2からコンクリートを保護するために必要なことだとお話しさせていただきました。
マンションにとって必要な塗装工事、どんな種類の塗装の選択肢があるのでしょうか?

関連記事:「地震に強くてもダメなの?CO2に強いマンションって何?」「マンション建物劣化診断|コンクリート中性化の試験って?」

 

※こちらは2016年4月に公開された記事を加筆・修正しております。

 

目次

  • 外壁面塗装の種類について
  • 塗り替えのサイクルについて
  • 軒裏の塗装について
  • まとめ

外壁面塗装の種類(大規模修繕工事時の主な用途として)

塗料の主な成分の樹脂の種類で分けると、
「アクリル樹脂」
「ポリウレタン樹脂」
「シリコン樹脂」
「フッ素樹脂」
などの種類があり、JIS規格A6909での品質基準(光沢保持率)では、性能の良い順番から

1.「フッ素樹脂」
2.「シリコン樹脂」
3.「ポリウレタン樹脂」
4.「アクリル樹脂」   です。

塗り替えのサイクル

また、総合的な性能比較表(耐候年数)をまとめると、下図のようになります。
a
大規模修繕工事の塗装は、以前は(15年以上前)はウレタン樹脂が主流でしたが、現在ではほとんどが姿を消して、シリコン樹脂が大半を占めています。

このシリコン樹脂はコストパフォーマンスが特に優れているため(安価な割に、耐候性が良い)塗装メーカーの主流生産塗装になっています。(ウレタン樹脂はあまり売れ筋ではないんです。)
また、特に大規模修繕工事のサイクルに合っているので使いやすい塗料です。

余談ですが、「うちのマンションはもっとグレードの良いフッ素樹脂塗装で行いたい!」とのご要望があっても、お断りしなければなりません。
その理由は足場にあります。
そもそも、大規模修繕工事のサイクルは10~15年なので、ちょうどその時期に塗装の塗り替えサイクルがぴったり合うのです。
高価なフッ素樹脂も良いかもしれませんが、大規模修繕工事のサイクルに合わず、たとえば築12年目に塗装したとして、築36年目の3回目の大規模修繕工事時までに待つか、途中でわざわざ塗装工事の為だけに足場をかけることになります。
とても24年間の耐候性はありません。

やはりサイクルを合わせないととても効率が悪いですよね。
フッ素樹脂は主に大規模修繕工事のサイクルの長いタワーマンションなどの塗装工事に使用される機会が多いです。

また、近年の塗装技術の進歩のおかげでいままで塗料を薄める液はシンナー系が一般的でしたが、24時間生活している中での工事なのでシンナー臭のしない水道水で稀釈可能な「環境にやさしい塗料」が使われています。

技術の力に感謝ですね。

軒裏の塗装について

今までのお話は壁面の塗装についてでしたが、軒裏についてのお話です。
軒裏とは、天井部分のことです。

建築用語で軒裏とは外部共用廊下や、バルコニー部分の「天井」部分になります。
バルコニーに立って上を見上げるとコンクリートの表面が塗装してあり、この部分の塗装は壁面とはまた違う種類の塗装を選択します。

「水性反応硬化形エマルション塗料」の名称で親水性のある塗装です。

なぜ?親水性?と思われでしょうが、バルコニーも外部廊下も水平な状況ですので、雨水が常に滞留する箇所になり、万一コンクリートに侵入した場合に、水が抜けきるような工夫が考慮されています。
壁面と同じ塗装を施すと中に侵入した水分の抜け道がふさがれてしまい、最悪は風船玉みたいに塗装面が膨れてしまうことがあります。
そういう現象を避けるための親水性なのです。また、常時、コンクリート中の水分の滞留を防ぐためなのです。

実は、コンクリート中性化防止の観点からみると逆行することかもしれませんが、今のところ、水は通すがCO2は通さない塗料はまだ開発されていないみたいですね…残念

まとめ

最近の技術革新のおかげで環境にやさしい塗料が開発され工事中の住環境が良くなることはいいことですね。

但し、依然として、鉄部部分の塗装についてはシンナーで稀釈する方法なので特に各住戸の玄関ドアーの枠の塗装時には困りますね。大規模修繕工事の工事中、アレルギーをお持ちの方で、一時、マンションの外に数日退避していただいたことも過去にありました。
この場を借りて塗装メーカーにお願いしたい!鉄部塗装においても「環境にやさしい塗料」を…!
さらなる技術革新を期待している、福田でした。

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福田 純行

福田 純行

あなぶきセザールサポート 匠事業部:福田 純行(ふくだ よしゆき)
前職の設計事務所時代に手掛けた設計・監理物件は北海道は北見市から南は長崎の佐世保市まで。今となってはとても懐かしい。現在は主にマンションの大規模修繕工事に関するコンサルティング(大規模修繕工事の改修設計・長期修繕計画(案)の作成等)を担当。人が住むマンションのストーリーを一つずつ守るのが役目です。
目指せ、「チェンジ・ザ・ワールド」・E.クリプトン・・・・グルーブな仕事を
皆さんのために。
有資格:一級建築士
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