マンションで騒音被害を受けたときの対処方法

飯野琢磨

おはようございます。

あなぶきセザールサポートの飯野です。

先週までは防音対策についての工事やグッズについてご紹介してきました。

ご紹介してきた内容はそのほとんどが騒音を外に漏らさない対策でしたが、今回は実際に騒音の被害を受けている方へその対処法をご紹介したいと思います。

2016.09.09

目次

  • 騒音を発生させている住戸へ直接話す
  • 理事会、管理会社へ相談する
  • 弁護士に依頼する
  • まとめ

 

 

 ・騒音を発生させている住戸へ直接話す

集合住宅に住んでいると少なからず部屋の外から音が入ってきます。その音が耐えがたいほどの不快な音の場合、みなさんならどのような対応をとりますか。一番シンプルなのは音の発生元へ配慮のお願いをすることです。マンション内での音は響くため真上から音がしていると思っていても、実際はその隣の部屋であったりすることもあります。近隣の住戸の居住者と親しく話せる間柄であれば確認と配慮のお願いは直接するのが一番だと思います。しかし直接話をすることができる状況であればおそらく悩まされることも無く、このブログにたどり着くこともなかったと思います。騒音被害について直接話せる間柄ではない場合はどのような解決策があるのか、次項でご紹介します。

 

・理事会、管理会社へ相談する

分譲マンションにお住まいの場合は、理事会や管理会社へ相談するのが一般的です。(分譲マンションでない場合は大家さんもしくは賃貸管理会社になります。)理事会もしくは管理会社へ相談すると、一般的に次のような対応となります。

 ・理事会・管理会社の対応①~被害者に代わって理事会や管理会社から直接連絡する~

直接言いにくい被害者に代わって、理事会や管理会社が騒音への配慮のお願いをします。ただし理事会も管理会社も直接の被害者ではないため、被害者が直接申し入れる場合と比べ真剣に取り合ってくれない場合もあります。また、理事会や管理会社に申入れのお願いをしても騒音被害の場合は誰からの申入れか加害者側に予測がついてしまう可能性が高い事が欠点です。近隣住戸と揉めないために代理で申入れをお願いしているにもかかわらず、誰からの申入れかわかってしまうのでは本末転倒です。

 ・理事会・管理会社の対応②~全居住者向けの文章でお知らせを配付してもらう~

騒音元へ直接依頼するやり方以外に騒音被害を訴えるやり方として、手紙の配付があります。一般的なやり方は差出人は管理組合名とし、「マンション内では音が響くので配慮してくださいね。」といった内容の文章を配付します。このやり方は被害者が特定されないのと、一度にまとめてマンション内全ての居住者へ案内をすることができる事が一番のメリットです。欠点としては読まれずに捨てられてしまう恐れがあり、改善されない場合もあります。

 

・弁護士に依頼する

弁護士に相談して騒音被害を訴える方法です。騒音についての裁判の事例もあり、裁判所の判断は以下に基づいて判断しています。

・受忍限度を超える騒音は発生させてはならない。

・しかし騒音を全く発生させない事は不可能である。

・したがって対象の騒音の値や回避可能性、発生者の誠意などを総合的に判断して違法性を吟味する。

つまり騒音値が条例や環境基準等で定められる値を超えており、かつ騒音発生源が誠意ある対応をしていない場合、違法と認められる事が多いです。ただし法的に訴える場合は、想像がつくと思いますが近隣住戸との良好な関係を築いていくことは困難となってきます。管理会社の私としても一番お勧めしたくない方法です。

 

・まとめ

いろいろとご説明してきましたが騒音問題解決の方程式はなく、それぞれ置かれた事情により異なります。すぐに解決できる場合もあれば長い間解決しない場合もあります。ただし一般的に騒音問題解決の近道は、マンション全体のコミュニティーがしっかりと形成されている事です。コミュニティーがしっかりしているとマンション居住者全体的に音に配慮するようになりますし、音がしても騒音と感じずに問題とならないことが多いです。

コミュニティーの形成は簡単には出来ませんが、消防訓練やマンション内での夏祭り等の行事やイベントでマンション居住者が一体となれるような活動をしていくことで少しずつ形成されていきます。

管理会社には組合のコミュニティー形成を得意とする社員がいるはずなので、相談してみてください。

 

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飯野琢磨

あなぶきハウジングサービス 飯野 琢磨(いいの たくま)
前職では大工や建築積算を経験。入社後、マンション修繕工事のコンサル業務、分譲マンションのリプレイス営業、分譲マンションのフロントを経験。
マンション管理のことについてはもちろんのこと、リフォームやリプレイスなどさまざまな視点から幅広い情報を提供します。
所有資格:一級建築士・マンション管理士・管理業務主任者・宅地建物取引士
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