M&Aで寡占化が進むマンション管理会社のこれから

松井 久弥 松井 久弥

現在、日本における様々な業界で寡占化が進んでいます。小売業界・コンビニ・ドラッグストア・家電量販店など、経営の効率化や生き残りをかけて、同業他社同士によるM&Aや合併が頻繁におこなわれています。今回は、マンション管理会社において寡占化が進んでいる状況についてご紹介します。

この記事は、2016年9月1日に公開した記事を修正し、2017年12月20日に再公開しています。

 

目次

  • 分譲マンションとマンション管理会社の数
  • マンション管理業者数が減少していく背景
  • 寡占化の状況
  • まとめ

 

分譲マンションとマンション管理会社の数

分譲マンションはこれまでに623万戸が供給されています。下記は国土交通省によるデータグラフです。

国交省グラフ

 

この分譲マンションの内、90%以上が専門のマンション管理会社に管理を委託しています。

国土交通省に登録されているマンション管理会社数の推移を見てみると、以下のようにピーク時と比べて2割減っていることが分かります。

マンションストック戸数は増加している一方で、管理業者数は年々減少しているということになります。

 

マンション管理業者数が減少していく背景

業者数が減少している要因として、管理会社同士の合併や事業の譲渡が進んでいることが挙げられます。マンション管理事業をM&Aで売却する理由については「マンション管理会社のM&A・売却・譲渡が多い3つの理由」で紹介していますが、①そもそも業者の数が多い、②競争が激しい、③金額よりも品質重視にシフトしてきた、というの3つの理由を上げることができます。

次に、実際に寡占化されている現状をご紹介します。

 

寡占化の状況

623万戸の分譲マンションを2185社の管理会社で割ると、1社あたりの管理戸数は約2,850戸になります。しかし実際には、管理戸数が40万戸を超える会社から、管理戸数100戸程の会社まで存在していますので、会社規模や管理サービスの中身については差異があると言えます。

次に、管理戸数上位の管理会社シェアをまとめました。

これを見ると、上位管理会社による寡占化が進んでいることが分かります。

 

一方で、個別の会社シェアを見ていくと、業界1位の会社でもシェア7.0%程度にとどまっており、まだまだプレイヤー数が多い業界であると言えますので、これからより一層、業者数が絞られていくものと思います。(※尚、マンション管理には地域性もあるため、一概に全国規模の大手管理会社が良いとは言い切れません)

このように寡占化が進むと、大手管理会社はスケールメリットを活かした提案サービスをますます拡充してきており、上位と下位のサービス格差が拡大していくことが懸念されます。

 

まとめ

これからのマンション管理には、今までには無かった商品やサービスがどんどん現れ始めています。既に当たり前のように提供されている専有部緊急駆け付けサービスや安否確認サービスを始め、マンション毎のホームページ提供、電力自由化による一括供給サービス、管理組合総会の電子決議サービス、マンション建替え提案、異業種と連携した宅配サービスといった新たなサービスが展開されてきています。また、これからはクラウドやIOTを駆使したまったく新しいサービスも展開されていくでしょう。

一方で、マンション管理業には管理担当者(フロント)や現地管理員による人を介して提供するサービスという面もありますので、継続的な教育研修が欠かせません。

このように創造的破壊の波が到来している業界の中で、しっかりと人・物・金・時間をかけて商品サービスを強化していくことができる会社が生き残り、寡占化はますます進んでいくでしょう。

 

<参考記事>

マンション管理会社の売却・譲渡(M&A)を成功させるために知っておきたい9つのこと

The following two tabs change content below.
松井 久弥

松井 久弥

あなぶきセザールサポート 営業本部:松井 久弥(まつい ひさや)
株式会社あなぶきセザールサポート取締役本部長。
2000年あなぶきハウジングサービス入社。
全国10都道府県において、管理担当・リプレイス営業・新規拠点立上げ・部門責任者に従事。特にマンション管理会社のM&Aにおいては、案件化からデューデリ・譲渡契約・お客様対応全般・統合後プロセス(PMI)までを実践。
マンション管理士、M&Aシニアエキスパート。
  • twitter
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket

ブログの読者になる

ブログの読者になると新着記事の通知を
メールで受け取ることができます。
読者登録はコチラ

最近書いた記事

関連の記事

backtotop