マンション標準管理委託契約書|通知義務について

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こんにちは、あなぶきセザールサポートの島村です。マンション標準管理委託契約書の8回目です。今回は「通知義務」について契約内容を確認してみます。

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目次

  • 通知義務について

 

通知義務について

第十二条では、管理組合とマンション管理会社は、お互いに通知しなければならない事項があると記載されています。どんなときに、通知義務が発生するのかをよく理解しましょう。

 

第十二条は以下のとおりです。

①甲及び乙は、本マンションにおいて滅失,き損,瑕疵等の事実を知った場合 においては、速やかに、その状況を相手方に通知しなければならない。

②甲及び乙は、次の各号に掲げる場合においては、速やかに、書面をもって、相手方 に通知しなければならない。

一 甲の役員又は組合員が変更したとき

二 甲の組合員がその専有部分を第三者に貸与したとき

三 乙が商号又は住所を変更したとき

四 乙が合併又は会社分割したとき

五 乙がマンションの管理の適正化の推進に関する法律(平成 12 年法律第 149 号) の規定に基づき処分を受けたとき

六 乙が第 18 条第2項第1号及び第2号に掲げる事項に該当したとき

 

①では、管理会社だけでなく、管理組合(居住者)が、滅失(消滅したり所在がわからなくなって、物がなくなること)、き損(物が壊れること)、瑕疵(キズ・欠点・欠陥)等に気付いたら、速やかに管理会社へ伝えなければならないとされています。例えば、バルコニーや専用庭など専用使用権を有している箇所の不具合は使用している居住者でなければ気付くことは困難でしょうし、エントランスのガラスや駐輪場への扉の破損等も管理員が不在の場合は、一番に気が付くのは居住者だと考えられます。このような場合は、管理会社へ連絡して対応を依頼することが必要です。

 

②の場合においては、書面で通知することが必要な事項です。

一と二は、管理組合から通知する内容です。

一は、役員が変更して管理会社へ伝えなければ、理事会の運営支援業務に支障が生じますし、組合員が変更(売却や相続などです)した場合、通知しなければ、総会案内の通知や重要なお知らせも旧所有者宛に伝えることとなり、これもまた、管理組合運営に支障が生じてきますね。一については、自分自身が係わってきますので、ほとんど通知漏れというのはないのですが、問題は次の二です。

二については、専有部分を賃貸に出したときは、通知が必要となるのですが、こちらを認識している人が少ないのではないかと常に思っています。例えば、漏水が発生したり、バルコニーへの立入が必要な場合、通知がないと、所有者や賃貸業者へ連絡して確認しなければならず、対応が遅くなってしまうので非常に重要なことなのです。

三~六は、管理会社から通知する内容です。

商号変更や合併があった場合に管理組合へ通知がなく、いきなり会社名が変わっていたり、会社の規模が変わっていたりしたら、慌ててしまいますよね。

また、五では、マンション管理適正化法に基づき、指示・業務停止・登録取り消しの処分を受けた場合に通知が必要となっていますが、これは、管理会社がなんらかの不祥事を起こしたということです。管理組合はマンション管理を管理会社へ委託しているのですから、当然、知る権利がありますよね。

六の第十八条とは、「契約の解除」に関する事項です。「契約の解除」に係わる事項に該当する訳ですから、こちらも管理組合が知る権利がありますね。

 

このように、マンション管理会社が管理事務を行うためにも、管理組合がマンション管理を管理会社へ委託するにも、必要な情報を通知することが大切だということがわかると思います。マンション管理会社に適正な管理事務を行ってもらうためにも、管理組合としても通知義務があるということを認識することが重要であるということを是非知っておいてくださいね!

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