分譲マンションの維持ってどれ位お金がかかるの?

佐藤尚斗

あなぶきハウジングサービスの佐藤です。
これからマンションに関わる全ての方々に対して、お役立ち情報を発信していきたいと思います。

さて、初投稿となる今回は、分譲マンションにお住まいの方が徐々に気になってくるであろう、マンション維持管理にどれだけのお金がかかるのかをざっくりとご紹介していきたいと思います。(あくまでも弊社管理物件50戸前後のマンションでの実績を基にした目安金額ですので、建物の形状や仕様によって金額に変動があります。)

 

目次

  • 外壁や扉などの建物系の維持費用
  • 給水管や排水管などの設備系の維持費用
  • まとめ

【外壁や扉などの建築系の維持費用】

①大規模修繕工事

外壁等のひび割れや塗装やタイルの浮き、剥がれを修繕する大規模修繕工事。分譲マンションにお住まいの方の認知度がとても高い修繕になります。
修繕工事の内容としては、足場を仮設し、外壁・内壁・天井の補修・塗装、パイプスペース扉等の鉄部塗装、屋上やバルコニーの防水、各箇所の継ぎ目にあるシーリング打替等があり、範囲が広いが故、多額の費用がかかります。
この大規模修繕工事はおおよそ10~12年周期で実施し、工事費は戸当たり80万~120万円が目安となります。
以前投稿されたこちらの記事も参考にして見てください
参考:マンションの大規模修繕工事|工事費用の妥当性の目安とは

②玄関扉・サッシ

マンションの各お部屋の玄関扉やサッシも経年劣化により、開閉が困難になったり、意匠が損なわれたりします。特に開閉困難になった場合、災害時の避難に影響を与えるため、早急な修繕が必要です。
玄関扉の更新はおおよそ築25~35年頃に実施し、工事費は戸当たり15万~20万円が目安になります。
サッシの更新はおおよそ築35~45年頃に実施し、工事費は戸当たり60万~80万円が目安になります。

【給水管や排水管などの設備系の維持費用】

①給水管更新

給水管は管内の洗浄や更生工事を行うことで更新をできるだけ遅らせることがお金の節約の面で重要です。
給水管更新はおおよそ築20~30年頃に実施し、工事費は戸当たり20万~30万円が目安になります。(共用部分のみ更新)

②排水管の更新

排水管は定期的に洗浄を行うことはあるものの、日々の外観点検や配管内の点検を行わないため、劣化の状況を確認することができず、漏水してから直すことが多いと思われます。適切な時期での更新が望まれます。
排水管更新はおおよそ築40年~45年頃に実施し、工事費は戸当たり30万円~40万円が目安になります。(共用部のみ更新)

③給水ポンプの更新

給水方式の違いによって給水ポンプの種類が変わり、更新費用にも違いがあります。
受水槽を利用した加圧給水方式では、加圧給水ポンプでおおよそ90万~110万円。
給水本管から直結した増圧給水方式では、増圧給水ポンプでおおよそ230万~260万円。
更新時期は10~15年周期が目安になります。

④貯水槽の更新

給水方式で貯水槽水道方式を採用しているマンションの場合、貯水槽の更新が必要になります。マンション地下に設置されているより、屋外に設置されている貯水槽の方が紫外線等により劣化が進みやすいようです。
貯水槽更新はおおよそ築35~40年で実施し、工事費は戸当たり15~25万円が目安になります。

⑤インターホンの更新

オートロックと連動しているインターホンは戸別での交換ができず、マンション全体で更新する必要があります。
インターホン更新はおおよそ15~20年周期で実施し、工事費は戸当たり15~20万円が目安になります。

⑥エレベーターの更新

エレベーターは部品の劣化だけでなく、安全基準の改正により既存不適格になってしまうことがあります。適切な時期の更新が必要です。
エレベーター更新はおおよそ築25~30年で実施し、工事費は既存部品完全撤去して新設する場合1基で1,000~1,500万円が目安になります。

⑦機械式駐車場の更新

機械式駐車場は更新に至るまでの期間にも、都度部品交換が必要となり維持にはかなりの費用を要します。部品交換を行わないと駐車場の利用ができなくなることが多いため、適切に修繕を行うことが必要です。駐車場の空きが多い等、状況によっては撤去も考えられます。
機械式駐車場更新はおおよそ25年周期で実施し、工事費用は1台当たり100~150万円が目安になります。

【まとめ】

以上、マンションを維持するためにかかる費用についてご紹介しました。今回は高額費用になる修繕の一部のご紹介となりますが、マンションには他にも火災報知設備であったり、照明設備、外溝工事等であったりと色々な費用がかかります。
今回概算費用を把握したところで、皆様のマンションは現在の修繕積立金で維持することができるでしょうか。
第3回目の大規模修繕工事及び各設備更新が重なる築30~35年を目標に資金計画を早めに考えておくことが重要です。
将来の資金計画を検討するときには「長期修繕計画書」を作成しておくことをお勧めします。
参考:長期修繕計画(案)のシミュレーションとは?

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佐藤尚斗

あなぶきハウジングサービス東京南支店 佐藤 尚斗(さとう なおと)
2012年に入社し、始めに経理業務に従事した後、現在までマンション管理(フロント)業務に従事しています。主に埼玉・東京エリアのマンションを担当してきました。マンションの会計の健全化、収支改善、修繕・資金計画の策定の提案に力を入れています。
お客様に信頼されるようにお客様起点の提案を行います。

保有資格:管理業務主任者 宅地建物取引士
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