こんにちは、三原です。今回は「分譲マンションのエレベーター保守料を、なぜ1階の所有者も支払うのか」というテーマでご紹介します。
皆さんも一度は疑問に思われたことがあるのではないでしょうか。
はじめに
日頃、何気なく利用しているエレベーター。
エレベーターの歴史は、今から160年以上も前の1857年に、ニューヨーク488ブロードウェイで、世界初の実用エレベーターとして設置されたのが始まりのようです。
さて、私自身も“マンションの1階”に住んでいたことがありますが、1階ですと、エレベーターを利用することは、ほとんどありません。
一方、上の階にお住まいの方は出かけるたびに利用していると思います。
(近年の健康志向で階段を利用する方もいらっしゃると思いますが・・・)
さて、本題の「分譲マンションのエレベーター保守料を、なぜ1階の所有者も支払うのか」についてですが、この件は私自身もマンションにお住まいの方より、過去何度か質問を受けたことがあります。
確かにほとんどエレベーターを利用されていない1階に住んでいる方は当然に持つ疑問なのかもしれませんね。
マンションの管理費の設定
ここで『マンションの管理費の設定』について目を向けてみましょう。
マンション共用部分の利用状況は区分所有者それぞれ異なっていますが、その共用部分によって受ける利益について、各区分所有者が負担する管理費にそれぞれ反映させることは難しいはずです。
区分所有法では、
原則として共用部分の維持管理費用は各区分所有者の専有部分床面積に応じて負担金額を決める
と定められており、これは極めて合理的であると言えます。
また、エレベーターは人(住んでいる方)を運ぶだけでなく、マンションの設備管理の際の移動手段としても使用されています。
屋上等に設置されている高架水槽、消防用補助水槽、TV受信設備の保守点検の際、入室の必要な消防設備点検の際にも作業員の移動手段として使用もされます。
このようにマンションの共用部分の維持管理にもエレベーターは必要不可欠です。
なお、災害時や緊急時の避難手段としてエレベーターを使用することは危険ですから絶対に控えてくださいね。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
余談ですが、1階の方がマンションを売却する際に、不動産会社の売却査定価額はエレベーターがあれば、ない場合よりも高く査定されるケースもあるようです。
また、マンションを高層にすることによって総戸数を増やし、低層のマンションよりも管理費を安くすることにも繋がっていますし、ひいてはエレベーターを設置することによって1階も含むマンションの価格を抑えることにも繋がっているという見方も出来るのではないでしょうか。
三原 章
はじめまして!三原章と申します。入社以来10年以上、管理フロントとして業務に従事しております。長年フロント業務に従事してきた経験に基づくお役立ち情報や事例などを配信していきたいと思っています。宜しくお願いいたします。
保有資格:管理業務主任者・宅地建物取引士・マンション管理士
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