賃貸物件の原状回復費用~どこまでが借主負担?~

折出茉美

 

みなさまこんにちは。
あなぶきハウジングサービス 折出(おりで)です。
今回は「賃貸物件の原状回復費用~どこまでが借主負担?~」と題しまして、原状回復の費用の借主負担についてご説明させていただきます。

記事を読んでくださった方にとって少しでもお役にたてば幸いです。
どうぞよろしくお願いいたします。

1. 賃貸借契約書に明記された借主負担工事項目

賃貸借契約書に事前に記載してある、借主負担の一般的な項目を以下の通り記載します。
① 室内美装(ハウスクリーニング)
② エアコンクリーニング
③ 畳の表替え
④ 襖の張替え

以前、ご退去された入居者様より、「国交省のガイドラインによれば、室内美装とエアコンクリーニングは次の入居者を確保するためのものであり、賃貸人負担とすると書いてある為、支払いは致しません。」とご連絡がありました。

確かに、国交省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」にはおっしゃられた記載がありますが、当社の賃貸借契約書は室内美装とエアコンクリーニングについては借主の負担とする旨が明記されており、その内容をご承諾の上契約を締結して頂いているので、お支払いをお願いしたいと、ご説明させて頂きなんとかご納得を頂きました。

国交省のガイドラインについてはあくまでも指針です。
まずは、賃貸借契約書について締結前に内容をよく理解して頂きご契約をされることをお勧め致します。

 

2. 故意過失と判断される損傷

次に、借主の故意過失と判断される損傷箇所は、借主の負担となる場合が多いです。
以下の通り、一般的なものをいくつかご紹介いたします。
① クロス(壁紙)の破れ・剥れ
② 衝突などによる壁(ボード)の穴
③ 壁・床・建具へのらくがき
④ タバコのヤニ

 

3. 壁紙・クッションフロアの減価償却について

前項で上げた故意過失とされる壁紙や床のクッションフロアの工事については、国交省のガイドラインによれば、減価償却が6年と定められており、壁紙等を貼った時から6年経過すると価値が1円になると考えられております。

(例)新築時から3年入居・過失により壁紙が損傷・工事費が20,000円かかりました。
この場合、負担割合が貸主と借主で50%ずつの計算になる為、それぞれの負担が
10,000円ずつとなります。

但し、こちらもあくまでも国交省のガイドラインの考え方であり、
内容についてガイドラインと相違しており、納得ができない場合は大家さんもしくは不動産管理会社との協議となります。

 

4. 善管注意義務違反による損傷

通常使用ではなく、対応を放置したことにより発生した損傷について請求をされる可能性があります。
いくつか事例を以下の通り記載致します。

① 掃除をしなかったことにより、発生した浴室等のカビの清掃費
② 飲み物等水分がこぼれた後、拭かなかった、または放置したことにより変色した床の張替え費用
③ ペット飼育が原因による、柱床壁などの傷補修
④ 換気扇が故障しているのを気づいていながら、大家さんへ報告をせず、換気が不十分の為、それが原因で発生したカビの清掃費、または壁紙の張替え。

その他、項目は多岐にわたりますが、大家さんに代わって室内をきちんと管理して頂けたら
上記のような費用の発生は防げると思われます。

 

5. まとめ

代表的な事例を上げさせて頂きましたが、如何でしたでしょうか?
最後にまとめると、原状回復とは、借主の居住・使用により発生した建物の価値の減少のうち、
①借主の故意過失による損傷
②借主の善管注意義務違反による損傷
③その他、借主の通常の使用を超える使用によって生じた損傷
を原状に復旧することであり、減価償却の考え方や、賃貸借契約書の特約などにより具体的な借主負担の範囲が決まる、ということになります。

わからないことがありましたら、管理会社や大家さんに直接聞いてみてくださいね。
皆様のご参考になりましたら幸いです。

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折出茉美

あなぶきハウジングサービス 部屋ナビ中国事業部 広島支店 PM課
折出 茉美(おりで まみ)
広島県広島市出身。2017年入社。

不動産賃貸仲介を4年経験し、現在は、1棟賃貸マンション・アパートの管理担当として日々、奔走しております。
オーナー様、入居者様にとって有意義な情報発信が出来るよう頑張ります!

保有資格:宅地建物取引士
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