「住宅ローン減税」と「住宅ローン控除」の違いってなに?よくわかる制度の概要

末武巧也

こんにちは!

あなぶきハウジングサービスの末武です。

今回から記事を担当させていただくことになりました!このページでは、税金や会計に関するお金のことを分かりやすくお伝えしていきたいと思います。ぜひ最後までご一読くださいませ!

 

今回は『住宅ローン減税(控除)制度』について、ご紹介します。

新型コロナウイルス感染症の影響による適用要件の見直しもありましたので合わせてご確認ください。

 

 

「住宅ローン減税」と「住宅ローン控除」ってそもそも…

正式には、『住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除』という制度で、一般的にはどちらもこの制度のことを指しています。住宅ローンを利用しているマイホームを取得した人に対して、金利負担の軽減を図るための制度です。

”所得の控除”ではなく”税額の控除”ですね。

この記事ではこの後「住宅ローン減税」の表記でお伝えしていきます。

 

住宅ローン減税の概要

現行の制度では、年末のローン残高の1%の額を最長で10年間の期間にわたり控除するものです。控除対象となる借入金の上限は4,000万円(一般住宅の場合)となっています。(新築・未使用の長期優良住宅、低炭素住宅の場合はそれぞれ5,000万円)

〈控除額〉= 年末のローン残高(上限4,000万円) × 1%

 

消費税率の「引き上げ」による拡充

消費税率10%が適用される住宅の取得等をして、令和元年10月1日から令和2年12月31日までの間に入居した場合は、控除期間がさらに3年間延長され、13年間を対象の期間とすることができます。この場合、11~13年目は「ローン残高の1%」または「建物購入価格×2%÷3年」のいずれか小さい額が各年控除され、この間で最大、建物購入価格の消費税2%分が減税される計算になります。

 

11~13年目については、①②のうち、いずれか小さい額

①〈控除額〉= 年末のローン残高(上限4,000万円) × 1% 

②〈控除額〉= 建物購入価格(上限4,000万円) × 2% ÷ 3年 

 

 

新型コロナウイルス感染症の影響による措置

住宅ローン減税の控除期間13年間の特別措置についての入居時期は、今年末(令和2年12月31日)ですが、新型コロナウイルス感染症の影響により、入居が期限に遅れた場合でも、一定の要件を満たした上で令和3年12月31日までに入居すれば、特例措置の対象となることとなりました。

 

         令和2年12月31日までに入居 →  令和3年12月31日までに入居

 

 

一定の要件とは以下のものです。

(1)一定の期日までに契約が行われていること。

(2)新型コロナウイルス感染症及びそのまん延防止のための措置の影響によって、注文住宅、分譲住宅、既存住宅又は増 改築等を行った住宅への入居が遅れたこと。

 

詳細については、国税庁及び国土交通省の関連ページにてご確認ください。

国税庁:新型コロナウイルス感染症緊急経済対策における税制上の措置

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/kansensho/keizaitaisaku/index.htm

国土交通省:新型コロナウイルス感染症の影響で期限内に入居できない方へ

https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk2_000017.html

 

 

住宅ローン減税の概要“まとめ”

【控除額】毎年末の住宅ローン残高1%(一般住宅の場合、上限4,000万円)

【期 間】10年間控除 ※消費税率10%による特例“あり”

さらに、新型コロナウイルス感染症の影響による入居期間の延長も“あり”

 

今年末までとされていましたが、あらたな措置により対象範囲が広がっています。

低金利の時代に残高に対して「1%」の税額控除というのはメリットに感じられる方もいるかもしれませんね。

住宅ローン減税による控除額は所得税から控除しきれない場合には、住民税から一部控除されることとなります。必ずしも、毎年(4,000万円×1%=)40万円の控除を受けられるとは限りません。ご自身がどのくらいの減税効果があるのか事前に試算してみてください。

 

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末武巧也

あなぶきハウジングサービス 財務・経理グループ 経理課

末武 巧也 (すえたけ たくや)
香川県出身。

新入社員として入社し、高松本社の経理課に配属となりました。2017年9月にあなぶき社宅サービス設立に経理担当として携わり、現在東京にて勤務しています。
会計・税務の分野で社員の皆さんをサポートすることはもちろん、マネージャー・経営者の方々へ正確な指標の提供を心掛けています。
わかりやすくて読んでみたくなる!そんな記事を書いていきたいと思います。

趣味は“ダム”巡り おすすめは兵庫県の千苅堰堤と香川県の豊稔池堰堤

保有資格:日商簿記検定1級、建設業経理士2級
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