株式会社ツツミワークス営業本部の大槻でございます。
前回は、『建物の現状を知る』について一連の流れをご説明させていただきました。
まだ過去のブログをお読みでないお客様がいらっしゃいましたら、ストーリー仕立てでお届けを
しておりますので、是非とも1回目の投稿よりお読みになって頂ければと思います。
第1回目のブログ【 一体なにからはじめればいいの? 】はこちらをクリック♪
第2回目のブログ【 建物の現状を知る 】はこちらをクリック♪
第3回目のブログ【 建物の現状が分かったその後は① 】はこちらをクリック♪
第4回目のブログ【 建物の現状が分かったその後は② 】はこちらをクリック♪
第5回目のブログ【 いよいよ最終段階! 】はこちらをクリック♪
第6回目のブログ【 工事着工前に行うこととは① 】はこちらをクリック♪
第7回目のブログ【 工事着工前に行うこととは②届出・申請編 】はこちらをクリック♪
第8回目のブログ【 工事着工前に行うこととは③仮設計画・特注作成品計画 】はこちらをクリック♪
第9回目のブログ【 大規模修繕工事実施編 着工後 片付け・広報 】はこちらをクリック♪
第10回目のブログ【 大規模修繕工事実施編 直接仮設 下地・タイル補修工事 シーリング工事① 】はこちらをクリック♪
第11回目のブログ【 大規模修繕工事実施編 下地・タイル補修工事 シーリング工事② 洗浄工事 塗装工事 防水工事 】はこちらをクリック♪
第12回目のブログ【 大規模修繕工事実施編 改善追加工事 施工範囲の確認 竣工について 】はこちらをクリック♪
第3回目となる今回は、前回お話をさせていただきましたように
『建物の現状が分かったその後は?①』です。
前回までのお話で、このブログをお読みになっている読者さまは、
想定としてお住いになられているマンションの劣化状況まで現時点では分かっている状況
という段階かと思います。
では、その次に何をしなければならないのか?を今回お伝えさせて頂きたいと思います。
◆ 建物の劣化状況を知ったその後にとるその行動とは?
建物の劣化状況を知ったその後は、どのような工事を行っていくのかの検討となります。
まずは工事の見積書を取得すると言うところからはじまる訳ですが、これが一般のお客様では
進めていくのはまず困難であると思われます。
第1回目のブログでものお話をさせて頂きました通り、
管理組合の諮問機関である『修繕委員会』の設立がされているようでしたら、
知識を有している方もいらっしゃるかと思いますので、そこに一任することになろうかと思います。
では、修繕委員会が設立されておらず、管理組合の役員様だけで検討を行う場合、
どのように進めていけばいいのかをここではお話させて頂きたいと思います。
検討をしていく中で下記に記載の3項目の問題に必ずぶつかるのではないかと思います。
①『そもそもこれから先どうやって進めていくの?』
②『工事の見積依頼はどこにすればいいの?』
③『どうやって依頼する会社をみつけるの?』
①が決まれば、必然的に②・③も決定することとなりますので、
ここでは①に関して更に掘り下げて以下にご説明させていただきます。
①『そもそもこれから先どうやって進めていくの?』
大規模修繕工事を実施するには、年に一度、マンションで開催がされる『通常総会』で
大規模修繕工事実施の議案を上程し、決議をとる必要があります。
ではその議案を上程するために必要な項目は何になるのか?ですが、
一般的には・・・
A『工事の実施時期』 いつからいつの期間で工事を実施するのか。
B『工事の費用』 工事にかかる費用はいくらなのか。
C『工事の内容(仕様)』 どのような工事を行うのか。
D『工事を実施する施工会社』工事を実施する施工会社はどこなのか。
この4点の説明が議案説明では必要となります。
Aについては比較的問題なく決定ができると思います。
問題となるのはB~Dの3項目です。
そもそも、B~Dを決定するためには、最初の検討として、どのような施工方式で施工を行うのか?
と言うところがポイントとなります。
ではどのような施工方式があるのか?
大きく分けて下記の3つの方式が存在していることを皆さまはご存じでしょうか?
『設計監理方式』
『責任施工方式』
『コンストラクション・マネジメント(CM)方式』
ご存じの読者さまもいらっしゃるかとは思いますが、
この3つの方式の違いは何なのか?ついて簡単に説明をさせていただきます。
『設計監理方式』とは
実際に工事の行う施工業者とは別に、建築士を有する設計事務所・管理会社等を選定し、
総会上程までの業務としては『建物調査~改修設計仕様作成~設計予算作成~施工業者選定』を行い、
工事実施段階では仕様通りに工事が行われているかどうかの工事監理を委託する方式。
【〇 メリット】
・設計監理、施工監理と施工が分離されているため、客観的に見極めることが可能。
・専門的な知識を有しており、改修仕様等が組まれているため、工事費の圧縮につながる。
・施工業者選定の際、競争原理が働く。
・管理組合の立場にたった監理が行われるので、管理組合役員の負担が少なくなる。
【× デメリット】
・工事費とは別に設計監理、工事監理費用が発生してしまう。
・設計事務所選定の際、どこを選定すればよいのか分からない。ゆえに選定時に見極めが重要。
『責任施工方式』とは
施工予定業者に『建物調査~改修設計仕様作成~工事予算作成~施工』までの全てを一任する方式。
施工業者は建築士を有し、設計や施工を監理する部門なども持つ専門会社、建設会社、管理会社等となります。
管理組合は信頼のおける数社を選定し、競争入札により1社に絞り込みを行うかたちとなります。
競争入札を実施するには、各社に『調査診断、工事工程表の作成、仮設計画の作成、見積書の作成』の提出を
求め、その内容を精査し、選定する運びとなります。
【〇 メリット】
・施工性(具体的な計画等)に配慮した検討や綿密なスケジューリングが可能。
・設計監理方式のような監理費用がかからない。
【× デメリット】
・設計と施工が一元化となるため、工事内容と費用内訳の関係が不明瞭となりやすい場合がある。
・専門知識が施工業者に偏ってしまうため、管理組合として正しい判断ができなくなってしまう可能性がある。
→検討結果の適切な開示並びに検討内容ごとの費用内訳などの開示が必要。
『コンストラクション・マネジメント(CM)方式』
建設生産、管理システムのひとつの方式で、近年日本でもこの方式の採用が増加してきております。
この方式では、発注者(管理組合)の補助者、代行者となるコンストラクションマネージャー(CMR)
が基本計画や設計の検討、工事の発注方式の検討、工程管理、コスト管理など各種マネジメント業務の全部
または一部を行う方式のことをいいます。
【〇 メリット】
・工事の品質、工期、費用に関して最善の選択がなされているのかを、CMRが客観的に精査。
・無駄を省き、総工費を削減することができる。
・管理組合の状況に応じて様々な発注方式を活用することが可能。
【× デメリット】
・総工費が判明するまで時間がかかってしまう。
・マネジメントフィーがかかってしまう。
・CMRの能力によって結果が左右されてしまう。ゆえに選定時に見極めが重要。
◆まとめ
このように、大規模修繕工事を検討していくうえで施工方式を決定することが非常に重要
であるということを今回はご理解頂けましたでしょうか。
それぞれの施工方式にもメリット、デメリットはございます。
マンションの状況を踏まえたうえで最良の判断をして頂ければと思います。
次回は『建物の現状が分かったその後は?②』です!
お楽しみに♪
大槻政敏
ツツミワークス 大槻 政敏(おおつき まさとし)
新築・改修工事の現場施工管理や管理会社において技術営業の勤務を経て当社に入社。
入社以来、さまざまなお客様のニーズに応えるべく日々奮闘しております。
『お客様の立場になって物事を考え、求められている以上の成果を提供する』を自身のモットーとし、
お客様に求められ続ける存在になれればと日々努力しております。
保有資格:一級建築施工管理技士、監理技術者、管理業務主任者等
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