マンション大規模修繕工事で起こりがちな問題~大規模修繕工事のあるある話~

中西克彦

こんにちは、あなぶき建設工業です。

一説によると、マンション大規模修繕工事は、年間約6000億円の市場だそうです。

6000億円ぐらいの市場を他に探してみると「缶コーヒー」や「即席麺」市場があるようです。

メジャーではないが、ある程度認知されているぐらいの規模でしょうか。

マンションの大規模修繕工事は年々着工が増えていきます。それにつれて工事の経験が蓄積されていきます。

今回は大規模修繕工事の「あるある」を集めてみました。

1.騒音問題

マンションの大規模修繕工事ではどうしても騒音が出ます。

時に「音がうるさい」と苦情をもらうことがあります。

夜勤のある仕事(医療系・インフラ系等)の生活サイクルは、昼間に睡眠される場合があります。

すると、マンション大規模修繕工事の騒音で昼間眠れない、となります。

どうしようもない場合は、騒音の作業がある期間を早めに告知して、個人で対策してもらうようにお願いすることもあります。

2.駐車場の移動問題

大規模修繕工事では、駐車場の移動が必要になる事があります。そのため、代替駐車場をマンションの近くで10台、20台分探す必要に迫られることがあります。

それだけの駐車場を探すとなると、易々とは見つかりません。

運よくマンションの近所に空き地があると、丸々駐車場として貸してもらえる場合があります。

そうでない場合は、パチンコ屋さんの駐車場やコインパーキング、お寺の駐車場などいろいろ手分けをして交渉することになります。なかなか大変な作業です。

3.近隣に鉄道がある場合の工事

マンションの隣地が「鉄道」の場合、かなり安全対策が大変になります。

一例ですが、仮設足場の組立と解体の際には、線路際に「列車見張員」を配置しないといけません。

列車の通過時には列車見張員の合図で、作業員が退避して列車の通過するまで待機することを繰り返します。

現場の監督は、鉄道会社との打合せを何度もするので、スケジュール的にも精神的にも大変だそうです。

4.バルコニーの片付けの問題

ときおりテレビなどで報道されることもある「ゴ●屋敷」

マンションでも、バルコニーの中に大量の不用品が置かれていてそのままだと工事ができない状態の場合があります。

対策として、当社の大規模修繕工事の場合、「バルコニー不用品回収」として、バルコニーの不用品を処分する期間をもうけて、一斉処分する大型コンテナを用意します。

大規模修繕工事よりも、不用品回収のほうが入居者の方には喜んでもらえることもあります。

5.バルコニーとベランダの呼び方の違い問題

マンションの入居者から「バルコニー」「ベランダ」はどう違うのか聞かれることがあります。

ネットで調べると「屋根があるのがベランダ、屋根がないのがバルコニー」といくつかのサイトでは書かれています。

一般の方では「ベランダ」と呼ぶ方が多いと思います。

一方、マンション管理業界、大規模修繕工事業界では「バルコニー」と呼ぶ人が多いように感じられます。

私見ですが、マンション管理業界のバイブルというべき、国土交通省の「マンション標準管理規約」や「長期修繕計画標準様式」で「バルコニー」と書かれていることから、その関連業界の人は「バルコニー」と呼ぶ人が多いのではないかと思います。

6.まとめ

マンション修繕工事は現状の建物の状態に左右されるので、さまざまな経験が必要になります。

よりよい工事を行うため、今後も経験を積み重ね、継承していきたいと思います。

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中西克彦

あなぶき建設工業 中西 克彦(なかにし かつひこ)
2013年入社。中四国・近畿を中心にマンション大規模修繕工事の現場管理をしています。
県外の物件に行くときはアプリで美味しいお店をチェックすることが楽しみです。
保有資格:1級建築士・1級建築施工管理技士
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