こんにちは!あなぶきハウジングサービスの北條です。
前回の記事では、分譲マンション管理会社のフロント担当の業務をご紹介しました。
その記事の中でも触れましたが、管理会社のフロント担当者がどんな業務を行っているか意外と知られていないのが現状です。
そこで、今回は管理組合運営の一年間の流れとあわせて管理会社として必要な業務や理事会でどのような提案をしているかご紹介いたします。
分譲マンション管理会社のフロント業務に興味がある方はぜひご覧ください!
管理組合運営の一年間の流れ
管理組合運営の一年間の起算月は管理規約で定められた会計年度に応じているため、管理組合ごとに異なります。
大まかな流れは以下のとおりです。
<管理組合運営の一年間の流れ 例)会計年度が1月1日~12月31日の場合>
・2月 通常総会開催
・3月~12月 定期的に理事会開催(開催頻度目安:3~4回)
・1月 決算理事会(通常総会の議案内容の最終確認)
標準管理規約では、通常総会を毎年1回新会計年度開始以後2ヶ月以内に召集しなければいけないとされているため、上記の例では2月末までには通常総会を開催する必要があります。
管理規約によっては、「新会計年度開始以後3ヶ月以内」など異なる場合がありますのでご確認ください。
また、基本的には管理組合役員もこの年度ごとに交代して回していくことになりますが、会計年度と通常総会開催月がずれているため、役員の任期は通常総会から翌年の通常総会までとなります。
この役員の任期に関しても、管理規約によって異なりますのでご確認ください。
管理会社が定期的に行う業務
上記の流れで管理組合は運営されておりますが、それにあわせて管理会社では法律や管理委託契約によって定められている定期的に行う必要がある業務がありますのでご説明します。
重要事項説明
管理組合運営のサポートを行うにあたり、管理委託契約を締結する必要がありますが、それに伴い重要事項について説明することが法律で義務づけられています。
重要事項説明は管理業務主任者の資格を持っていなければ行うことができないため、フロント業務を行うには必須の資格となります。
この重要事項説明は管理委託契約締結の承認の場となる総会の前に行われます。
総会で承認され締結したときは、契約成立時の書面を交付することが義務づけられています。
月次報告
毎月、その月における会計の収入及び支出の状況に関する書面を作成し、翌月末日までに管理者(理事長)に交付することが法律で義務づけられています。
また、管理委託契約では、毎月の管理費等の滞納状況を報告することが定められています。その他にもその月における各種点検等の報告も行う必要があるため、日ごろから適正に管理を行うことが必要不可欠です。
収支予算案の素案の作成
管理組合の事業年度開始の1ヶ月前までに、翌年度の収支予算案の素案を作成し、管理組合に提出することが管理委託契約で定められています。上記一年間の流れで当てはめると11月末までに提出する必要があります。
素案の作成は、当年度の収支推移状況や翌年度の施工を予定している工事などを基にフロントで作成します。
管理事務報告
管理組合の事業年度が終了した後は、当該事業年度におけるマンションの管理状況について、管理事務報告書を作成し、報告することが法律で義務づけられています。
管理事務報告の内容としては、報告の対象となる期間、管理組合会計の収入及び支出の状況、管理委託契約の内容に関する事項(各種定期点検等)について報告を行います。
管理事務報告も重要事項説明と同様に管理業務主任者の資格を持った者が行う必要があります。
理事会での主な提案内容
管理会社として法律や管理委託契約で定められている業務が多くありますが、フロントとして大きく関わる業務は、やはり理事会のサポート業務となります。
ここでは、理事会に対してどのような提案を行っているか一部ご紹介します。
管理組合運営に関する提案例
管理規約の改正や駐車場の使用に関するルールの制定、管理組合役員の選任方法など、スムーズな管理組合運営やトラブル防止のために提案を行います。
管理組合ごとに問題となっている点は異なることから、入居者の方々とコミュニケーションを取り、何が問題でどうすれば改善されるか他の管理組合の事例も参考にしながら提案を行います。
建物や設備の維持・修繕に関する提案例
長く安全に快適な住生活をサポートするためには、建物や設備の状態を把握し、大きな不具合が発生する前に修繕ができるよう提案することが大切です。
実際に現地に赴き、変わったことがないかの確認や、設備点検の結果を確認し、異常がある場合には、改善の提案を行います。
特に電気関係や給水関係など、ライフラインに関することについては、急な停電や断水に繋がり、長期間生活に影響を及ぼす可能性があるため早めの提案が必要です。
マンションには様々な設備があるため、それぞれの設備に対してある程度の知識をつけることも重要になります。
まとめ
管理組合運営の一年間の流れとあわせて管理会社として必要な業務等についてご理解いただけましたでしょうか。
これから住んでいるマンションの役員の順番が回ってくる方や管理会社への入社を検討されている方のお役に立てれば幸いです。
管理会社への入社を検討されている方は、管理業務主任者の資格取得が必須になりますので、資格取得もあわせてご検討ください!
北條弘城
北條 弘城(ほうじょう ひろき)
香川県高松市出身。2019年入社。
入社をしてから分譲マンションの管理担当(フロント)として、管理組合様のサポートをさせていただいております。
これまでの経験をもとに、管理組合運営に関する情報を中心に発信して参ります!
保有資格:管理業務主任者
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