皆さまこんにちは!3月はお引越しシーズン。春から新生活をスタートされる方も多いと思います。さて、何年か賃貸マンションに住んでいると、管理会社から「契約更新」に関するご案内が届いたことはありませんか?
今回は賃貸借契約の「更新」について、費用や流れ・注意点などを分かりやすく解説させていただきます。
契約期間について
賃貸マンションの契約には、必ず契約期間が定められています。多くの場合は契約期間が「2年間」とされているのが一般的です。この期間が満了する前に、必要な更新手続きを行えば住み続けることができます。
自動更新契約の場合は手続き不要
例外として、手続きがいらない場合もあります。賃貸借契約書上、期間満了後の更新が「自動更新」となっている場合です。自動更新とは、簡単に言うと「前の契約と同条件で契約が続きますよ」という意味です。
費用もかからず手間も少ないため、賃借人には優しい契約になります。
更新の際に発生する費用
更新するときには費用が発生する場合があります。どんな費用で、どれくらいの金額がかかるのでしょうか?
1. 更新料
「更新料」とは賃貸人(家主)に支払う費用になります。あとでご説明しますが「更新料」という費用がかかるかどうかは、地域慣習に大きく左右されます。
更新料が発生する場合、家賃の0.5ヶ月~1ヶ月分が相場になります。
2. 更新事務手数料
「更新事務手数料」とは更新の際の事務手続きなどに関して、マンションの管理会社に支払う費用になります。管理会社にもよりますが、1~3万円くらいまでが相場になります。更新料と更新事務手数料の両方が発生するケースもあります。
3. 火災(家財)保険料
賃貸マンションに入居する場合、必ず保険に加入すると思います。保険は何かあったときに備えて必ず加入が必要です。入居してから何も事故がなかったから更新せず解約してしまおう・・は絶対にNGです!!
保険料も1年毎や2年毎で更新手続きが必要な場合がありますので、注意しましょう。
基本は契約時に支払った保険料と同額を更新時に支払う場合が多いです。
4. 保証会社への更新費用
家賃保証会社と契約しなければならない場合には、保証会社との更新手続きや更新保証料の支払いが発生する場合があります。
その他、賃貸借契約書上に記載されている費用がある場合には支払いが必要です。賃貸借契約書に署名・捺印をしている以上、お部屋に住み続けるためには必要な費用の支払いを拒むことは原則できません。更新時のトラブルを避けるためにも、契約成立までに更新時の条件をきっちり確認し、納得した上で契約することが大事です。
必要な手続き
契約期間の満了日が近づくと、書類が送付されてきます。更新契約書や覚書などです。更新を希望される場合は、期間満了日までに署名・捺印し提出しましょう。
また他にも、現在の賃借人の個人情報を求められる場合もあります。契約期間2年の間には、入居者にも様々な変化が予想されます。勤務先が変わってないか?氏名(名字)が変わっていないか?家族が増えていないか?など管理会社も確認をしておきたいからです。
必要書類は管理会社によっても異なりますので、指示に従い手続きを行いましょう。
更新せずに退去したい場合はどうする?
ご紹介してきたように、更新時には色々な費用がかかる場合が多いです。。そうなると新しい物件に住み替えよう!と思われる方もいらっしゃるかもしれません。その場合は早めに管理会社に退去予告をしましょう。
基本は退去日1ヶ月前までに通知が必要な場合が多いですが、物件により異なりますので、賃貸借契約書を確認しいつまでに予告が必要なのか確認しておくことが重要です。
期間満了までに退去すれば、更新費用はかかりません。
一点注意が必要なのが、「期間満了と同時に退去するのであれば、解約予告は必要ない」と思われる方がいらっしゃいます。これは間違いです!!原則通り退去の手続きが必要ですのでご注意下さい。
更新の際にありがちなトラブル
できればトラブルは避けたいところです。契約更新の時にありがちなトラブル事例をご紹介しておきます。賃借人も賃貸人もトラブルを未然に防ぐために気を付けましょう。
家賃の減額・増額交渉
更新のタイミングでたまにこのようなご相談を頂きます。
賃借人 「長く入居しているのだから、家賃を減額してもらえませんか?」
賃貸人 「近くに新しい駅ができて便利になったので、来月から家賃を上げてもらえませんか?」
どちらの言い分も分かりますが実際のところどちらも非常に厳しいです。。賃貸借契約書上、賃料の改定は「賃貸人・賃借人協議の上行う」とされている場合が多いからです。どちらかが一方的に行うことはできません。
賃貸人からの賃貸契約更新拒否
以前このようなお声を頂いたことがありました。
賃貸人 「転勤が決まりマンションを賃貸に出していますが、戻ってくることが決まりました。契約更新がもう少しだと思うので、次回の契約更新は拒否してください。」
賃貸人から正当事由なく退去を申し出ることは法律で禁止されています。当然、不当な更新拒否も認められていません。
更新料の金額には地域慣習がある?!
最後に、参考程度にご紹介しておきますが「更新料」の発生は地域差が大きいです。東京や神奈川・千葉などの関東圏では更新料が発生するケースが多かったり、地方では「更新料」を支払うケースが少なかったりします。更新料に関わらず敷金・礼金の金額や、細かな賃貸借契約のルールも地域慣習に大きく左右されます。
県をまたいで転居される場合には、自分の常識が通用せずびっくりされる方も多いようです。
まとめ
いかがでしたでしょうか?今回は賃貸借契約の「更新」に関して解説させていただきました。
3月は退去も入居も、そして更新も多い時期になります。少しでも皆さまのご参考になりましたら幸いです。
安永菜美
賃貸仲介と管理の営業職を経験したのち、人事課に異動。
現在は中途採用をメインに担当しています。
会社魅力を色々発信していければと思います!
保有資格:宅地建物取引士・管理業務主任者・賃貸不動産経営管理士
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