宅建合格講座!法令上の制限|「容積率」のポイント

仲井悟史

みなさんこんにちは、仲井でございます。今回は、「法令上の制限」の「容積率」の分野を学習します。早速中身に入っていきましょう。

目次

  • 容積率とは
  • 容積率の計算の概要
  • その他の注意点

容積率とは

容積率とは、建築物の延べ面積の敷地面積に対する割合をいいます。敷地面積が100㎡で、1階が80㎡、2階が80㎡の場合、容積率は、10分の16となります。

では、なぜこのような制度があるのでしょうか。たとえば、前面道路が狭くて、下水道等の公共施設があまり整備されていない地域でイメージしてみましょう。このような地域で、建物の床面積が増えるとどうなるでしょうか。建物の床面積すなわち人口が増えると、道路が混雑し、ゴミや下水が処理しきれなくなるなど、住環境が悪化する可能性があります。そこで、建築基準法では、容積率の制限をすることにより、建築物の延べ床面積を抑え、良好な住環境を守っているのです。

この限度の数字は、用途地域ごとに異なります。それぞれの地域ごとにふさわしい環境があるからです。たとえば、商業地域では、最大10分の130までのメニューが用意されています(ただし、商業地域でも、たとえば観光地の由緒ある街並みを残したい場合等があることを考慮して、10分の20という厳しい数字もメニューとして用意されていることに注意してください)。これに対して、低層住居専用地域は数字が厳しく、最大10分の20までのメニューとなっています。 このように、用途地域ごとに数字のメニューがいくつか用意されており、その中から「都市計画」で限度の数字を定めることになっています(なお、これらの数字はいっぺんに覚えるのではなく、まずは各地域の最小と最大の数字から覚えましょう)。

なお、用途地域無指定区域にも数字のメニューが用意されており、「特定行政庁」が限度の数字を定めることに注意しておきましょう。

容積率の計算の概要

前述のように、容積率制限は、床面積(人口密度)抑制という目的がありますので、容積率の計算では、道路の広さに関係のある「前面道路」がキーワードとなります。

そこで、容積率の計算では、まず、問題文の前面道路の幅(前面道路が複数ある場合は、広い方の幅を採用)に注目します。

前面道路の幅が12m以上であれば、問題文に記載されている「都市計画で定められた数値」がそのまま限度の数字となります。

前面道路の幅が12m未満であれば、①問題文に記載されている「都市計画で定められた数値」と、②前面道路の幅(前面道路が複数ある場合は、幅の数字が「大きい」方)に「一定の数値」をかけた数値とを比べて、厳しい方(数字が「小さい」方)が限度の数字となります。「一定の数値」とは、住居系7つの用途地域の場合は10分の4で、それ以外の地域の場合は、原則として10分の6です(たとえば、住居系の用途地域で、前面道路の幅が8mの場合、②の数字は、8×10分の4=10分の32となります)。

その他の注意点

その他、以下の点にも注意しておきましょう。

1 近年の改正点について

従来から規定されている共同住宅の共用の廊下や階段の用に供する部分に加えて、政令で定める昇降機すなわちエレベーター(エスカレーター等は含まない)の昇降路の部分の床面積も、容積率算定の際に延べ面積に算入しないことになりました。

また、容積率計算の地下室の特例(一定の地階につき、一定の床面積を延べ面積に算入しない)において、老人ホーム・福祉ホーム等が、住宅と同様に取り扱われることになりました。

2 都市計画との関係

容積率は、都市計画法における「都市計画」の分野と関連性があります。

まず、都市計画法では、「用途地域に関する都市計画には、容積率の限度を定めなければならない」とされています。

前述のように、容積率は、地域ごとに限度の数字のメニューが用意してあり、その中から都市計画で1つを選ぶ、ということを思い出してください。

また、用途地域以外の地域地区でも、「容積率」という言葉が登場します。「容積率」という言葉が登場するものとして、「特例容積率適用地区」「高層住居誘導地区」「高度利用地区」「特定街区」が挙げられます。以下、説明します。

「特例容積率適用地区」は、「第一種中高層住居専用地域、第二種中高層住居専用地域、第一種住居地域、第二種住居地域、準住居地域、近隣商業地域、商業地域、準工業地域または工業地域内の適正な配置および規模の公共施設を備えた土地の区域において、建築基準法…の規定による建築物の容積率の限度からみて未利用となっている建築物の容積の活用を促進して土地の高度利用を図るため定める地区」です。

「高層住居誘導地区」は、「住居と住居以外の用途とを適正に配分し、利便性の高い高層住宅の建設を誘導するため、第一種住居地域、第二種住居地域、準住居地域、近隣商業地域または準工業地域でこれらの地域に関する都市計画において建築基準法…に規定する建築物の容積率が10分の40または10分の50と定められたものの内において、建築物の容積率の最高限度、建築物の建ぺい率の最高限度および建築物の敷地面積の最低限度を定める地区」です。

「高度利用地区」は、「用途地域内の市街地における土地の合理的かつ健全な高度利用と都市機能の更新とを図るため、建築物の容積率の最高限度および最低限度、建築物の建ぺい率の最高限度、建築物の建築面積の最低限度ならびに壁面の位置の制限を定める地区」です。

「特定街区」は、「市街地の整備改善を図るため街区の整備または造成が行われる地区について、その街区内における建築物の容積率ならびに建築物の高さの最高限度および壁面の位置の制限を定める街区」です。

…今日はこれぐらいにしておきましょう。

容積率の分野は、建ぺい率と比べて、苦手な方も多いと思いますが、今回説明したポイントをマスターして、ぜひ得意分野にしてください!

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仲井悟史

あなぶきハウジングサービス 東京東支店:仲井 悟史(なかい さとし)
東京イーストエリアで約10年にわたりマンション管理担当者を経験しています。前職は資格試験予備校で長年にわたり宅建等の講師として教壇に立っていました。その経験を活かし、現在、社内講師も務めています。息子たちと野球をしたり観たりすることが最大の楽しみ。
保有資格:管理業務主任者・マンション管理士・マンション維持修繕技術者・宅地建物取引士
特技:中国語
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