管理業務主任者合格講座!マンション標準管理規約|主な改正点のポイント

仲井悟史 仲井悟史

みなさん、こんにちは、仲井です。本試験も近づいてきましたので、今回は、マンション標準管理規約の主な改正点を説明します。

今回の改正の背景として、高齢化等による理事役員の担い手不足、管理費滞納等による管理不全、暴力団排除の必要性、災害時における意思決定ルールの明確化等が挙げられています。他にも、情報開示に関する規定の整備等、社会情勢を反映した改正となっています。

「専有部分の修繕等」の主な改正点

専有部分の修繕等については、「区分所有者は、その専有部分について、修繕、模様替え又は建物に定着する物件の取付け若しくは取替えであって共用部分又は他の専有部分に影響を与えるおそれのあるものを行おうとするときは、あらかじめ、理事長にその旨を申請し、書面による承認を受けなければならない」とされ、区分所有者は、この承認を要しない修繕等のうち、「工事業者の立入り、工事の資機材の搬入、工事の騒音、振動、臭気等工事の実施中における共用部分又は他の専有部分への影響について管理組合が事前に把握する必要があるものを行おうとするときは、あらかじめ、理事長にその旨を届け出なければならない」との規定が新設されました。

「管理組合の業務」の主な改正点(コミュニティ条項)

従来、管理組合の業務として挙げられていた「風紀、秩序及び安全の維持…に関する業務」「防災に関する業務」「地域コミュニティにも配慮した居住者間のコミュニティ形成」が、「マンション及び周辺の風紀、秩序及び安全の維持、防災並びに居住環境の維持及び向上に関する業務」になりました。

ここでは、「地域コミュニティにも配慮した居住者間のコミュニティ形成に要する費用」という文言が削除されたことを押えましょう。すなわち、強制加入である管理組合と任意加入である自治会・町内会等の混同により、日常的なトラブルの未然防止等に資するコミュニティ形成のための費用という本来の主旨から離れ、自治会費や自治会活動への支出をめぐるトラブルや意見対立がみられたため、削除するに至ったのです。ただし、マンションやその周辺における美化や清掃、景観形成、防災・防犯活動、生活ルールの調整等で、その経費に見合ったマンションの資産価値の向上がもたらされる活動は、それが管理組合の目的である「建物並びにその敷地及び附属施設の管理」の範囲内で行われる限りにおいて可能である点にも注意しましょう。

「役員」の主な改正点

1 「役員」について

「理事長、副理事長及び会計担当理事は、理事の互選により選任する」という規定が「理事長、副理事長及び会計担当理事は、理事のうちから、理事会で選任する」になりました。

また、「外部専門家を役員として選任できることとする場合」という規定が新設されました。この場合、「理事及び監事は、総会で選任する」ことになります(「組合員のうちから」という文言が入らなくなります)。なお、この場合の専門家としては、マンション管理士のほか弁護士、建築士等で、一定の専門的知見を有する者が想定されます。

2 「役員の欠格条項」について

「役員の欠格条項」が新設され、これにより「成年被後見人若しくは被保佐人又は破産者で復権を得ないもの」「禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又はその執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者」「暴力団員等(暴力団員又は暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者をいう。)」は、役員となることができません。

3 「利益相反取引の防止」について

マンション管理組合を犠牲にして自己等の利益を図ることを防止するため、「利益相反取引の防止」が新設され、役員は、「役員が自己又は第三者のために管理組合と取引をしようとするとき」「管理組合が役員以外の者との間において管理組合と当該役員との利益が相反する取引をしようとするとき」は、理事会において、当該取引につき重要な事実を開示し、その承認を受けなければなりません。

なお、理事長については、「管理組合と理事長との利益が相反する事項については、理事長は、代表権を有しない。この場合においては、監事又は理事長以外の理事が管理組合を代表する」との規定が新設されました。そもそも利益相反行為自体ができないのです。

4 「理事長」について

「理事長は、○か月に1回以上、職務の執行の状況を理事会に報告しなければならない」との規定が新設されました。

また、「必要箇所への立入り」に関する規定において、従来の規定に加えて、「理事長は、災害、事故等が発生した場合であって、緊急に立ち入らないと共用部分等又は他の専有部分に対して物理的に又は機能上重大な影響を与えるおそれがあるときは、専有部分又は専用使用部分に自ら立ち入り、又は委任した者に立ち入らせることができる」との規定が新設されました。

さらに、理事長は、災害等の緊急時においては、総会または理事会の決議によらずに、敷地・共用部分等の必要な保存行為を行うことができます。

なお、区分所有者は、バルコニー等の保存行為のうち通常の使用に伴うものまたはあらかじめ理事長に申請して書面による承認を受けた場合を除き、原則として、敷地・共用部分等の保存行為を行うことはできません(ただし、専有部分の使用に支障が生じている場合に、当該専有部分を所有する区分所有者が行う保存行為の実施が、緊急を要するものであるときは、この限りではありません)。

5 「理事」について

「理事は、管理組合に著しい損害を及ぼすおそれのある事実があることを発見したときは、直ちに、当該事実を監事に報告しなければならない」との規定が新設されました。

6 「監事」について

「監事は、いつでも、理事…に対して業務の報告を求め、又は業務及び財産の状況の調査をすることができる」との規定が新設されました。

また、「監事は、理事会に出席して意見を述べることができる」という規定が、「監事は、理事会に出席し、必要があると認めるときは、意見を述べなければならない」になりました(出席しなくても決議の効力には影響なし)。

さらに、「監事は、理事が不正の行為をし、若しくは当該行為をするおそれがあると認めるとき、又は法令、規約、使用細則等、総会の決議若しくは理事会の決議に違反する事実若しくは著しく不当な事実があると認めるときは、遅滞なく、その旨を理事会に報告しなければならない」「(この場合において)監事は、…必要があると認めるときは、理事長に対し、理事会の招集を請求することができる」「(この)請求があった日から5日以内に、その請求があった日から2週間以内の日を理事会の日とする理事会の招集の通知が発せられない場合は、その請求をした監事は、理事会を招集することができる」との規定が新設されました。

「総会」の主な改正点

「議決権」につき、「組合員が代理人により議決権を行使しようとする場合において、その代理人は、以下の各号に掲げる者でなければならない」との規定が新設され、「以下の各号に掲げる者」として、「その組合員の配偶者(婚姻の届出をしていないが事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む。)又は一親等の親族」「その組合員の住戸に同居する親族」「他の組合員」が記載されています。

「理事会」の主な改正点

1 「理事会」について

理事会の職務として、「規約若しくは使用細則等又は総会の決議により理事会の権限として定められた管理組合の業務執行の決定」「理事の職務の執行の監督」「理事長、副理事長及び会計担当理事の選任」が新設されました。

2 「招集」について

「理事が○分の1以上の理事の同意を得て理事会の招集を請求した場合には、理事長は速やかに理事会を招集しなければならない」との規定について、「(この)請求があった日から○日以内に、その請求があった日から○日以内の日を理事会の日とする理事会の招集の通知が発せられない場合には、その請求をした理事は、理事会を招集することができる」との規定が追加されました。

3 「決議事項」について(範囲の拡大)

理事会の決議事項の1つとして、敷地及び共用部分等の管理」「窓ガラス等の改良」の規定に定める承認または不承認が追加されました。そして、これらおよび「専有部分の修繕等」の承認・不承認について、「理事の過半数の承諾があるときは、書面又は電磁的方法による決議によることができる」との規定が新設されました。なお、この規定を含め、理事会の決議について「特別の利害関係を有する理事は、議決に加わることができない」との規定が新設されました。

また、理事会の決議事項の1つとして、「災害等により総会の開催が困難である場合における応急的な修繕工事の実施等」が追加され、この場合、「理事会は、…当該決議に係る応急的な修繕工事の実施に充てるための資金の借入れ及び修繕積立金の取崩しについて決議することができる」との規定が新設されました。「応急的な修繕工事」は、保存行為に限られるものではなく、二次被害の防止や生活の維持等のために緊急対応が必要なものが広く含まれ、たとえば、給水・排水、電気、ガス、通信といったライフライン等の応急的な更新、エレベーター附属設備の更新などが「応急的な修繕工事」に該当します。

「会計」の主な改正点

1 「管理費等の徴収」について

「管理組合は、納付すべき金額を納付しない組合員に対し、督促を行う等、必要な措置を講ずるものとする」との規定が新設されました。

2 「帳票類等の作成、保管」について(管理状況等の情報開示)

長期修繕計画書、設計図書及び修繕等の履歴情報について、「理事長は、…保管し、組合員又は利害関係人の理由を付した書面による請求があったときは、これらを閲覧させなければならない。この場合において、閲覧につき、相当の日時、場所等を指定することができる」との規定が新設されました。

また、「理事長は、…閲覧の対象とされる管理組合の財務・管理に関する情報については、組合員又は利害関係人の理由を付した書面による請求に基づき、当該請求をした者が求める情報を記入した書面を交付することができる。この場合において、理事長は、交付の相手方にその費用を負担させることができる」との規定が新設されました。

その他の主な改正点

「専有部分の貸与」の主な改正点(暴力団員の排除)

専有部分の貸与に関し、暴力団員への貸与を禁止する旨の規約の規定を定める場合に関する規定が追加されました。

The following two tabs change content below.
仲井悟史

仲井悟史

あなぶきセザールサポート 東京東支店:仲井 悟史(なかい さとし)
東京イーストエリアで約10年にわたりマンション管理担当者を経験しています。前職は資格試験予備校で長年にわたり宅建等の講師として教壇に立っていました。その経験を活かし、現在、社内講師も務めています。息子たちと野球をしたり観たりすることが最大の楽しみ。
保有資格:管理業務主任者・マンション管理士・マンション維持修繕技術者・宅地建物取引士
特技:中国語
  • twitter
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket

ブログの読者になる

ブログの読者になると新着記事の通知を
メールで受け取ることができます。
読者登録はコチラ

最近書いた記事

関連の記事

backtotop