こんにちは!あなぶきハウジングサービスの末武です。
今回は、改正が予定されている『すまい給付金制度』について要点をおさえながら紹介していきます。
すまい給付金制度とは
すまい給付金制度は、消費税増税による住宅取得者の負担軽減のために設けられもので、収入に応じて現金を給付する制度です。
住宅取得については、住宅ローン減税による負担軽減の制度もありますが、すまい給付金制度との併用が可能です。また、住宅ローン減税による効果は所得税(住民税)が軽減され、所得(所得税)の高い人ほど恩恵が大きいものでした。
住宅ローン減税については、過去の記事もご参考ください。
「住宅ローン減税」と「住宅ローン控除」の違いってなに?よくわかる制度の概要
すまい給付金はどんな人が受け取れる?
すまい給付金の対象となる人の要件を見ていきましょう。
対象者となるためには、以下の3つに該当する必要があります。
1.住宅を取得し登記上の持分を保有する、かつ、その住宅に自分で居住する人
住宅の所有者:不動産登記上の持分保有者
住宅の居住者:住民票において、取得した住宅への居住が確認できる者
2.収入が一定以下の人
《消費税 8%時》収入額の目安が510万円以下
《消費税10%時》収入額の目安が775万円以下
3.住宅ローンを利用して購入する人
住宅ローンを利用しない場合のみ、年齢が50才以上の人
※消費税10%時には、収入額の目安が650万円以下
(都道府県民税の所得割額が13.30万円以下)の要件が追加
すまい給付金制度の給付額は…
給付額はどのように決まるの?
すまい給付金の給付額は住宅取得者の「収入」と「持分割合」により決まります。
「収入」は、いわゆる“額面収入”ではなく、「都道府県民税の所得割額」に基づきます。
都道府県民税の所得割額は、給与所得控除や扶養控除などの世帯属性に伴う各控除をした額によりが算出されているため、額面収入より個別事情(住宅取得に係る負担感)を反映しているといえるかもしれませんね。
[給付額] = [給付基礎額] × [持分割合]
・給付基礎額 … 都道府県民税の所得割額による
・持分割合 … 不動産登記事項証明書(権利部)
収入別の給付額
消費税率が10%に引き上げられた現在では、10万円~最大50万円が給付基礎額となります。
モデル世帯(夫婦、妻は専業主婦、中学生以下の子供が2人)の年収775万円まで給付金を受取ることができます。
こちらのページでは給付額がいくらもらえるのかを検討することが可能です。
対象となる住宅の要件
対象となる住宅は、新築住宅と中古住宅、住宅ローンの有無で要件が異なります。
また、中古住宅の取得に当たっては、個人の売主から消費税が非課税となる取引の場合、給付対象外となりますので、注意しましょう。
【新築住宅を取得する場合】
①住宅ローンを利用する場合の要件
・床面積50㎡以上の住宅
・施工中等に検査を実施し、一定の品質が確認された住宅
②現金購入の場合の追加要件
・50歳以上で650万円以下の収入額(目安)のものが取得する場合に限る
【中古住宅を取得する場合】
①住宅ローンを利用する場合の要件
・床面積50㎡以上の住宅
・現行の耐震基準を満たす住宅
・既存住宅売買時に検査を受け品質が確認された住宅
②現金購入の場合の追加要件
・50歳以上で650万円以下の収入額(目安)のものが取得する場合に限る
(補足)ここでの面積は「内法(うちのり)面積」となっており、壁の内側で測る面積です。
物件広告等に記載される「壁芯(へきしん)面積」は、壁の中心線で測る面積なので、内法面積より壁芯面積が大きくなります。これらは確実に区別しておくよう注意しましょう。
2021年版『すまい給付金』はどう変わる?
消費増税による反動減に続き、コロナ禍での需要の後押しのため、住宅ローン減税の延長等に合わせて「すまい給付金」についても「住宅の引渡し期限の延長」と「床面積要件の緩和」がすでに閣議決定されています。
例年であれば3月頃に国会で関連法案の成立となりますが、最新情報については、「すまい給付金事務局」にてご確認ください。
すまい給付金制度改正のポイント
一定の期間に契約をした者について、引渡し期限の延長・床面積要件の緩和がなされます。
一定の期間とは…?
【注文住宅の新築の場合】
令和2年10月~令和3年9月末まで
【分譲住宅・既存住宅の取得の場合】
令和2年12月~令和3年11月末まで
引渡し期限の延長
すまい給付金制度は、平成26年4月から令和3年12月末まで実施とされていましたが、
一定の期間に契約をした者については、令和4年12月末まで延長されることになりました。
床面積の要件の緩和
上記の一定の期間に取得した住宅について、前述の対象となる床面積が50㎡から40㎡へ引き下げられました。
まとめ
「すまい給付金制度」は、消費税率引き上げによる税負担の軽減を目的とされて始まった制度で、住宅ローン減税制度と合わせて利用できます。
住宅ローン減税制度は税負担を軽減効果であるのに対して、「すまい給付金制度」は“収入額”に応じて現金の給付を受けることのできる制度でした。
また、2021年の改正で、期限が1年間延長され、対象となる床面積の緩和がされました。
これにより単身世帯や夫婦2人などの少人数世帯での適用が見込めるのではないでしょうか。
申請には期日がありますので、提出書類などは事前に確認をする様にしておきましょう。
条件を満たす場合にはうまく利用したいものですね。
末武巧也
末武 巧也 (すえたけ たくや)
香川県出身。
新入社員として入社し、高松本社の経理課に配属となりました。2017年9月にあなぶき社宅サービス設立に経理担当として携わり、現在東京にて勤務しています。
会計・税務の分野で社員の皆さんをサポートすることはもちろん、マネージャー・経営者の方々へ正確な指標の提供を心掛けています。
わかりやすくて読んでみたくなる!そんな記事を書いていきたいと思います。
趣味は“ダム”巡り おすすめは兵庫県の千苅堰堤と香川県の豊稔池堰堤
保有資格:日商簿記検定1級、建設業経理士2級
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