あなぶきセザールサポートの生山です。
分譲マンションを何らかの理由で売却することになった、愛着あるお部屋。少しでも高く売りたいですよね。でも、買い主は少しでも安く買いたいものです。売主・買主双方が納得したときに売買契約が成立するわけですが、今回は売主として後悔しないために知っておいていただきたい分譲マンションの売却価格の決め方についてお話します!
- 売却査定をする
- 最低限の価格を決める
- 理想の売却額を決める
- 売る時期を決める
- 売却額を決める
1.売却査定をする
まず必要なのが、いくら位で売れるのかを知ることです。査定は不動産会社にお願いすることになります。不動産会社は過去の取引事例等から査定書を作ってくれます。ここで問題になるのが不動産会社選びです。そのマンションをできるだけよく知っている、そのマンションにおける売買の実績が多い会社が良いと思います。複数社に査定をお願いする方もいますが、過去の取引事例等は変わりませんし、査定結果にこだわる必要はありませんので、査定書は1社あれば良いと思います。(売却価格を決めるのは売主ですから、査定額が一番高い会社に任せるというのは、あまり意味がありません!)査定書は概ね3ヵ月以内に成約できるであろう価格を提示する会社が多いです。
2.最低限の価格を決める
査定書をもとに売却価格を決めていきますが、まず最初に最低限の価格を決めておきましょう。
住宅ローンの残債が1,000万円あり、売却時にかかる費用が50万円とすると、最低1,050万円以上で売らなければなりません。
これに対して査定価格が850万円だとすれば、200万円は別に用意する必要があります。
もし手元に200万円無ければ、1,050万円以下では売れませんよね。これが最低限の価格です。
売却時にかかる費用については、下の記事で詳しく書いていますので参考にしてみてください!
3.理想の売却額を決める
次に「これくらいで売りたいな」という理想の売却額(チャレンジ価格)を決めましょう。
ここで査定書の取引事例がポイントになってきます。しつこいようですが、売主は少しでも高く売りたい、買主は少しでも安く買いたいものです。最近はインターネットなどで簡単に相場価格や情報を知ることができますので、買主は売主以上に相場価格を調べているかもしれません。近くで新築マンションが売り出していれば、その価格も参考にしましょう。新築、中古を含め近くで売出中の物件を見て、「自分ならどこを買うか」を考えると分かりやすいと思います。
4.売る時期を決める
「売る時期」が売却にあたって非常に大事なポイントです。所有していると、それだけ管理費や修繕積立金も掛かりますし、できるだけ早く売れるにこしたことはありません。「なぜ売るのか」の状況によって売る時期、売却価格は変わります。まずは次の中から、どの状況なのかを整理しましょう。
a)とにかく急いでいる(できるだけ早く現金化したい)
b)半年以内には売りたい
c)急いでいない(売れなければ売らなくてもよい)
5.売却額を決める
ここまで整理できれば、いよいよ売却額を決定します。さきほどのa)~c)によって売却額は変える必要があります。
a)とにかく急いでいる(できるだけ早く現金化したい)場合
一番手っ取り早いのが、「不動産会社による買い取り」です。
中古マンションの買い取りを行っている不動産会社がありますので、そこに直接買ってもらう。というやり方です。
売却査定価格より安くなってしまいます(査定額の65~85%程度)が、次のメリットがあります。
①短期間で現金化できる。
②瑕疵担保責任が免除。
マンションを売却した際に、隠れた箇所(配管など)に不具合が生じた場合、売主には一定期間その修繕の義務があります。
不動産会社による買い取りでは、この心配がありません。
③仲介手数料が掛からないこともある。
④人に知られず売却できる。
安い!早い!ウマい?ですね。
買い取り価格が最低限の価格以上であれば、急いでいる人にはピッタリです。
「最低限の価格」以下であれば、「最低限の価格」~「査定額」で売り出すのが良いと思います。
b)半年以内には売りたい場合
早く売れるにこしたことはないが、売れた後に「もっと高く売れてたかも…」と後悔はしたくない。この場合、「最低限の価格」で売り出す必要はありません。「理想の価格」~「査定額」で売り出しましょう。ただ、理想の価格が相場と離れすぎていると売れませんので、売り出し価格はプロの意見を聞きながら慎重に決定しましょう。あと、不動産会社との密な連携が大切です。反響が何件あったのか、案内が何件あったのか、何故決まらなかったのかなど、こまめに連絡を取りながら、場合によっては柔軟に売り出し価格を改定したり、価格交渉に応じることも必要です。
c)急いでいない(売れなければ売らなくてもよい)場合
急いでいない場合は、「理想の価格」で売り出し、じっくりと売却しましょう。ただ不動産会社からの状況報告は参考にし、場合によっては価格交渉に応じた方が良いかもしれませんね。また、空室にしていても管理費・修繕積立金・固定資産税等も掛ってしまいます。本当に売却しなければならないのか、将来的にそのお部屋をどうしたいのかを考えて、「賃貸に出す」というのも選択肢のひとつではないでしょうか。
(賃貸で入居者が決まり、家賃が発生している間でも売却することはできます)
売却を成功させるためには、不動産会社との連携、不動産会社のアドバイスが大切ですが、「すべて不動産会社にお任せ」では売った後に後悔してしまうかもしれません。「最低限の価格」「理想の売却額」「売る時期」「売却額」は自分でしっかり決めておきましょうね!
生山 亨
分譲マンションの管理担当(フロント)を経て賃貸仲介・賃貸管理・売買仲介・総務業務を経験。長年やってきた賃貸業務、中でも特に空室の改善、対策は得意分野です。現在は、あなぶきスペースシェアにおいて宿泊事業・マンスリー事業を行っています。
保有資格:宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士・管理業務主任者
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