こんにちは、寒さに弱い木須です。
“最新キッチン徹底比較!!”第5回目。ラストは「TOYO KITCHEN STYLE(トーヨーキッチン)」のキッチンをご紹介します。
「トーヨーキッチン?」と、馴染みがないメーカーかもしれません。いわゆる国内キッチンメーカーといった時に、あまり比較対象では出てきません。なぜかと言えば、非常にデザイン性が高いキッチンメーカーだからです。
ご存じでない方のためにも、少しだけトーヨーキッチンの成り立ちから。
現在の社名は、トーヨーキッチンスタイル(TOYO KITCHEN STYLE Co,.ltd. )。主にシステムキッチンを中心に家具やインテリア全体を提案する国内メーカーです。旧社名はトーヨーキッチンアンドリビング株式会社。創業地である岐阜県関市には大規模な工場を持っています。
もともとはステンレス食器メーカーでしたが、1958年にステンレス流し台の製造に開始し、以後はステンレス加工を得意とする国内有数のキッチン専門メーカーとして知られるようになりました。
また、イタリアはミラノにデザインセンターがあり、デザインにおいて独自の新しい提案を続けています。2004年、イタリアで開催された国際的な家具ショーでは、オールハンドメイドによるステンレスキッチン「ISOLA・S」を発表し、海外からの注目を集めました。
掲げるコンセプトからしても、『私たちがお届けするキッチンは、ただ調理をする道具ではありません』
ライフスタイルにあわせたキッチンと、個性を映すトータルなインテリアで、豊かな暮らしをお届けする。まさに「暮らしの中心」、日常をエンターテイメントにする舞台。それが、トーヨーキッチンスタイルです。』と謳うくらい、キッチンをいわゆるキッチンと捉えていないメーカーです。
正直、このメーカーは好き嫌いがわかれます笑。
「おーーー!!」と思う方もいれば、
「ん~~~!?」と思う方もいるはずです。
ですので今回は、ある意味の番外編ですが、敢えて最後の比較対象にしました。
トーヨーキッチンは、グレードの優劣はあるものの、スタイルを重視していますので、代表的なキッチンスタイルを例に挙げてご紹介します。
- 様々なキッチンスタイル
- デザインだけではないこだわり
- その他のキッチンスタイル
- まとめ
・様々なキッチンスタイル
トーヨーキッチンのキッチンは、一般的なアイランド型が主流です。それは、キッチンをインテリアと捉え、空間の中心にキッチンがあることで楽しく家族でコミュニケーションがとれるツールだと考えているから。独自の考え方により考案された、なかなか見ないキッチンの形をご紹介します。
●「CD-LAND」
Continent=大陸という言葉と、Diningの頭文字をとった独自の形。
奥行きが普通のキッチンの2倍のサイズを持ち、ダイニングテーブルがなくても家族や友達と過ごせる、みんなが集まる生活の中心を目指した形です。
帰ったらまずキッチンに集まる。広大な1枚のワークトップは、二世帯住宅や大家族、また大勢が集まる時にも頼れるサイズです。どこからでも作業ができ、ワイワイと料理や食事が進みます。
“食”から広がるライフスタイルが創造できます。
「CD-LAND」は、基本形状はあるものの、レイアウト変更も自在です。
例えば、I型着席タイプ。収納力抜群で、家族との会話が弾むはず。キッチン本体への収納力は十分に確保したまま、テーブル機能を追加した形です。
シンク・コンロ・テーブルが三角形にレイアウトされているので、スムーズなコミュニケーションが可能。近くにソファを置けば、キッチン・ダイニング・リビングが「CD-LAND」を中心に繋がります。
また、対面着席タイプだと、ダイニングスペースで調理や趣味の作業をすることができます。ダイニング部分が大きく開口しており、1460mmと奥行きのあるテーブルのため、料理の作業台、勉強や趣味を行うスペースとして有効に使えます。キッチン部分が非常にコンパクトなため、空間とのコーディネートもスッキリします。
一見「すごい大きいのでは?」と思うかもしれませんが、ダイニングテーブル代わりも兼ねると考えれば、LDKの中心で大活躍するかもしれません。
●「V-LAND」
両手をひろげた自然な角度を目指した、その形の通りの「V-LAND」。
「V-LAND」は人が両手を開いた135°の角度。この自然な角度が、キッチンを囲む4方向の人との距離を近づけます。さらに、「人とキッチンの一体感」を極めたレイアウトは人間工学から生まれたもの。料理の効率化はもちろん、作業での手足の動きを少なくし、また首や眼の負担を軽減します。
シンク・コンロが体に近く使い勝手に優れ、放射状に会話がはずむレイアウトでもあります。
また、キッチンには表と裏がありません。収納はどちら側にもついているので、みんなで料理をしながら同時に他の人が配膳をすることも簡単です。
ソファやダイニングテーブルをキッチンの周囲のどこに置いて違和感がありません。
●「I-LAND」
一般的なアイランド型を、トーヨーキッチンで再解釈した「I-LAND」。トーヨーキッチンだからできる、I型の魅力があります。
例えば、リビング側にも収納を設置することも可能です。引き出し収納をキッチンの表裏に振り分け、さらにシンクとレンジを対面に設置した例。逆のレイアウトも可能で、どちら側が表か裏か、ライフスタイルで変幻自在です。
「I-LAND」なら、部屋全体を見渡せ、会話しながらゲストをもてなすことができます。カウンター付きならばできたての料理を目の前でサーブするのも喜ばれますし、テーブルと組み合わせれば、キッチンの用途もぐんと広がり、キッチンを中心にして、自分らしい使い勝手を最大限に引き出せます。使い方は自由自在です。
このように、アイランドタイプを独自に昇華し、実用のレベルまで形作っています。コンセプチャルとも言えるかもしれませんが、他国内キッチンメーカーが決して真似できないような進化を遂げているのがトーヨーキッチンです。
デザインだけではない“こだわり”
独創的だけではなく、キッチンとしても使い勝手よく“恒久”的に使えるよう、トーヨーキッチンが製造にも持つ“こだわり”をご紹介します。
「手技」
創業以来、つねに高いクオリティを追求してきたトーヨーキッチン。高品質素材の採用や、職人による熟練の手技によって、量産では不可能な高い精度とクオリティ、そしてデザインを実現しています。
「ハンドメイド」
使い込むほどに愛着を深める、職人によるハンドメイドを大切にしています。たとえば、シンク。
安易なプレス加工で単に薄く伸ばしてシンク形状にするのではなく、板材を折曲げ、叩き、溶接、研磨して、ていねいに肉厚なシンクをつくりだしています。長年の使用にも堪え、味わいを増し、あなたの手に馴染んでいくことでしょう。
トーヨーキッチンは“ステンレス”によるキッチンづくりにこだわってきました。素材はステンレス鋼の中でも品質の高い「SUS304」。クリナップのSSと同じですね。強靱な耐久性と堅牢性を誇ると同時に、自然石などに比べ、適度な柔軟性で衝撃を吸収する素材です。抗菌性にも優れ、においやシミなども付きにくく、衛生面でも高い効果があります。プロ用厨房のほとんどで採用されているステンレスはキッチンに最も適した素材。
もともとステンレス食器を製造していたトーヨーキッチンだからのこだわりです。
「仕上がり」
トーヨーキッチンがドアで採用するHPL(ハイプレッシャーラミネート)は強靭な耐久性を誇ります。過酷なキッチンでの使用においても、20年以上も色合いを保つ耐光性にも優れています。また、最先端デジタルプリントと特許技術でもある表面の深く複雑なテクスチャーによる、本物以上の美しいデザインは、永きに渡るヨーロッパの専門ブランドとのパートナーシップによって開発しています。
「浮遊感」
宙に浮く新しい独自の快適なキッチン脚「エアフロー」。キッチンをリビング側に設置することは、部屋に向かって壁を立てているのと一緒です。
そのため、空気の流れがリビングだけで遮断され、キッチン側の空気回りが悪化。リビングの心地よさをよそに、キッチンにいる人は「寒さ」「暑さ」に悩まされます。エアフローならばキッチンが床から浮いているので、空気循環が改善されます。また、キッチン下が掃除できるため、湿気も溜まらず衛生的にもクリーンに保てます。
このように、デザイン性だけではなく独自のこだわりを強く持った製造で、使い勝手にも優れたキッチンとなっています。かっこよい・美しいだけではない、永年使い込めるキッチンと言えます。
その他のキッチンスタイル
前述した3つのキッチンスタイル以外にも、独自のスタイルを創り出していますので、ご紹介します。
●「MEGA KITCHEN」
最大全長6.5mという巨大なキッチンです。キッチンはますます住宅の中心になってきました。
料理をするだけのキッチンはもう古い。キッチンに求められる機能が増えてきている中で、キッチンの「多機能化」が求められる時代がやってきました。
キッチンに求められる機能は、「料理をする」、「家族が集う」、「友人を招く」だけではなく、子供はキッチンで勉強したり、旦那さんはワインを傾けながら寛ぐ。奥さんは料理をつくり、家計簿もつける。そして、家族や友人が集うパーティーまで考えると、キッチンはますます巨大になることで、世代を超えて集う新しいエンターテインメント空間が実現できます。
●「LEONE」
1本の脚で立つ印象的なT型ボディ。ワークトップの前後を斜めにカットし、さらに8ミリの繊細な面取り加工を施しました。見る角度でワークトップの薄さが強調され、ボディの鮮烈な光のラインが浮かび上がります。
アンティーク仕上げの有翼獅子のエンブレムは、翼をもつライオンは水の都市「ヴェネツィア」の守護神として有名で、イノ・レオーネが暮らしの島 (アイランド) として家族の守り神になるよう願いを込めています。
また、ライフスタイル重視のシステムユニットは、宙に浮いたソリッドな収納ユニットにはデザインだけではなく使いやすさと収納力のノウハウが凝縮されています。デザインを統一した「3段引出し」や「食洗機ユニット」、「サイドストレージ」を組み合わせることで、機能重視の拡張性を実現できます。
まとめ
ほか国内キッチンメーカーと一線を画すトーヨーキッチン。そのクオリティは、オリジナル性のみならず使い勝手や細部にも強いこだわりが見えます。
人とは違うキッチンをお求めの方にはうってつけのメーカーです。
それでは最後となりますが、独断と偏見によるトーヨーキッチンの総評です!
価格帯:△
機能性:○
耐久性:◎
種類数:○
デザイン:◎
サポート:○
デザインは群を抜く◎。耐久性も、恒久的に使えるよう考えられているため◎。価格帯は、富裕層を狙っているメーカーですので△。
アイランドスタイルを極めたメーカーですので、LDKをキッチン中心に考えたい方は、是非おススメです。一度ショールームに行って、そのスタイルを感じてみてください。
いかがだったでしょうか。5回に渡ってお届けした“最新キッチン徹底比較!!”。こうやって比べてみると、各メーカーで特徴がわかれているのがわかります。キッチンリフォームを考えている方にとって参考になったら幸いです。
本当に欲しいキッチンを手に入れるためには、各メーカーの特徴やこだわりを知ることが大切です。
また機会があれば、お風呂や洗面台の比較もアップしたいと思います。
木須 拓己
分譲マンション管理会社で専有部(お部屋内)の様々なサービス開発・企画の立案、リフォーム&リノベーション・室内クリーニング、インテリア商品販売等、お客様の快適な生活をサポートする部署の担当。分譲マンションの管理会社を15年務めた実体験及び情報をわかりやすく伝えるために日々仕事に励んでいます。仕事での心情:ニーズを形にする
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