■沖縄での宿泊業成功する為のポイント

田村浩彦

少しずつ秋の訪れを感じる頃となりましたが、いかがお過ごしでしょうか。
まだまだ日中は30度の真夏日が続く沖縄より株式会社OneNote田村が第2回のブログをお届けさせて頂きます。

さて、今回は水際対策の緩和、10月からのGotoトラベル事業再開と復調の兆しを見せるリゾート地沖縄での民泊(宿泊業)開業成功のポイント及びしくじり例をご案内させて頂きます。
現在又は将来的に沖縄で宿泊業ご検討の方々へ参考となれば幸いです。

【目次】
沖縄での宿泊業成功する為のポイント
其の①立地について
其の②物件について
其の③内装について
其の④失敗例から学ぶ
まとめ

<其の①「立地について」>
物件又は土地をこれから購入して、沖縄で宿泊業を始めるとしたらどのエリアにしますか?
堅実に行くなら、通年通して稼働が安定していそうな那覇、いやいや南国沖縄と言えばやっぱりビーチリゾートエリア、うーん悩ましいところですね。
運営代行業者目線から誤解を恐れずに申し上げますとズバリ「北部リゾートエリア」が良いと思います。
まず、なぜ「那覇<北部リゾートエリア」かと言うと、那覇は沖縄県内でも最も宿泊施設数が多く集積しており、ハイクラスなホテル~安価なゲストハウス迄多種多様な宿泊施設がひしめき合い、いわばレッドオーシャンのエリアである事が一番の理由です。
逆の見方をすればそれだけ需要が見込めるエリアとも言えますが、それだけに競争レベルも高く個人又は法人で参入するにしても生半可な物件では勝ち残る事が難しく資本力は元より他物件との明確且つ高いレベルでの差別化を求められます。
つまりは、ハードルが高いということですね。
因みに滞在日数について「1~2泊」と他エリアに比べショートステイ傾向にある事も一つの理由と言えます。

それに対し、リゾートエリア特に北部地区は綺麗な天然ビーチが数多く点在し、県外の方がイメージされるビーチリゾート沖縄、まさに非日常感に溢れており平均滞在日数も「3~4日」と長い傾向にあります。
但し、北部で海が見えればどこでも良いわけではないのでご注意ください。
エリア選びでのポイントを以下に3点挙げさせて頂きます。

・ポイント①【東海岸エリア<西海岸エリアを選ぶべし】(※画像はイメージとなります)
人気の高い観光スポットやビーチエリア、飲食店舗等も多く、いわゆる沖縄のリゾートエリアと言われる場所であり宿泊施設開業する場合は外せないポイントと言えます。

・ポイント②【本部町より以北は避けるべし】
結論から申し上げますと「恩納村ビーチサイドエリア」が北部で最も良いエリアと言えます。ではその他北部で宿泊業に向くエリアはどこまでかというと、皆様ご存知「美ら海水族館」がある本部町迄に抑えておいた方が無難です。それ以上北部に上がっていくと、のどかではありますが沖縄の原風景が広がる未開拓地になってくる為、観光目的のゲストは中々足を運びづらいエリアとなり、稼働が著しく落ち込みます。

・ポイント③【橋続きの離島は表側を狙うべし】
代表的な人気の橋続き離島は「古宇利島、瀬底島」が挙げられます。どちらも車で10分も走らせれば一周出来てしまう規模の島ですが、購入する物件・土地の場所を間違えると地獄を見ます。土地又は物件を購入するならズバリ本島と橋で繋がっている表玄関側一択で、めぼしい物件が無ければ勇気をもって見送る事をお勧めします。間違っても坪単価が安いからや不動産会社の口車に乗って島裏手側の土地や物件は購入してはいけません。
坪単価が安いという事はつまり需要が少ないという当たり前のロジックなんです。
実際、不便で人気が少ないので冬場の閑散期等は目も当てられない稼働状況となり開店休業状態となります。また台風の影響で停電等になった場合のライフライン復旧にも時間がかかり、近隣に飲食店等店舗もほぼ無いのでアクシデント時に非常に苦労します。

<其の②「物件について」>
立地は北部リゾートエリア、オーシャンビュー物件が良い事が分かりました。
ではそこに建築する又は購入する物件はどのようなタイプが良いのかご説明させて頂きます。
「集合住宅物件」or「戸建て別荘タイプ」
圧倒的に「戸建て別荘タイプ」が良いです。
理由は「非日常感」となりまして抑えるべき3つのポイントを以降記載させて頂きますのでご参考にしてみて下さい。


・ポイント①【間取りの広さにこだわるべし】
折角のリゾートステイですから、非日常感を演出する為にもやはり間取りは贅沢な空間使いをしたいものです。例えば延床面積が30坪の物件があったとして「3LDK」より「2LDK」、寝室も贅沢な空間使いを念頭に置き「ベッドサイズはDベッドよりQeenやKINGベッド」、リビングも吹き抜け等で縦の空間を確保し、いかに広く贅沢な非日常空間を演出できるかがポイントとなります。

・ポイント②【差別化図る+α付帯設備を付けるべし】
ここもポイントは「非日常感」となりますが、分かりやすく挙げますと「ジャグジー風呂」や「インフィニティプール」、そして「バーべQスペース」等視覚的に伝わりやすい武器があると物件紹介ページのアイキャッチとなり、他物件との差別化にもつながります。


・ポイント③【躯体での差別化を図るべし】
コンパクトでよくあるタイプの住宅より「外人住宅等」独自性の高い躯体の方が非日常感を演出しやすいと言えます。またこれから建てる場合、敷地面積等諸条件にもよりますが
「平屋タイプ」の方が空間も贅沢に使用できるので宿泊業向きと言えます。尚、延べ床面積は最低でも30坪(100㎡)以上は欲しいところです。

<其の③「内装について」>
立地・物件と来まして、最後に最も重要な要素である「内装空間」についてご説明させて頂きます。非日常感演出の要ともいえる重要なポイントなのでここは妥協せず抑えて頂きたいところです。
・ポイント①【予算は妥協するなかれ】
取り合えず必要最低限な家具だけ揃え(又は既存設置家具流用等)、稼働しながら資金を貯めて、改めて内装を整えるという青写真を描いて開業する方がいらっしゃいますが、今までの過去6年約500物件の運営経験則から、成功例は0件です。何故ならこの手の方は前提として「必要最低限の内装でもゲストが利用し、リフォーム資金が貯められる」という大きな判断ミスを犯しているからです。内装クオリティが低い為、そもそも予約が入らず価格を落としギリギリの運営していく流れとなり、とてもリフォーム資金に充てられる余剰金は貯まりません。
したがいまして、開業前の内装予算は妥協することなくしっかりと準備する事が肝要です。

・ポイント②【餅は餅屋の心構えでプロに任せるべし】
自身の好みを反映したい、自分で作り込みたい等オーナーの気落ちもわからなくはありませんが収益を求める場合、シンプルに経験と実績があるプロのインテリコーディネーターに任せる方が得策です。

・ポイント③【非日常感を追求すべし】
住宅との大きな違いの一つが「照明」です。間接照明を効果的に配置し、洗面ボウルや天蓋シャワー等徹底的に非日常感を追求する事により他物件との差別化及び「立地・物件」等のデメリットを補う事も可能です。間違っても住宅展示場のモデルルームのような生活感がある子綺麗な空間にだけはしない事が重要なポイントです。

<其の④「失敗例から学ぶ」>
実際にありました過去失敗例をご紹介しますので、これから沖縄で宿泊業を始めようとご検討されている方々にとって転ばぬ先の杖となれば幸いです。

1位:内装が残念
最も失敗例で多い理由がこちら。「予算が無い、沖縄は人気だし安価にすればお客さんは来るでしょう、自分でコーディネートした物件で営業したいetc…」理由は様々ございますが、民泊という言葉が巷でも聞こえ始めた2016年前後と現在の2022年では「需要と供給」のバランスが完全に逆転しており、今は生活感のある内装空間や宿泊施設としてクオリティの低い物件には、ゲストは食指を示さずそもそも候補にすら入らない状況なので、開業する前から苦戦は決まってしまっていると言っても過言ではございません。因みに内装に予算が掛けられないから薄利多売戦略で行くとした場合、大きなリスクとして「ゲスト層が著しく悪くなる→物件の破損・汚損、人数不正の横行・騒音騒ぎ等トラブルの多発→補修等ケアの為、営業稼働停止→機会損失・経済的損失・何よりそこにかける労力等」負のスパイラルに陥ります。それでも見合う収益があればと一縷の望みを持つ方もいらしゃいますが、誠に残念ながら労力に見合う収益を得る事は稀ですので正直お勧め出来ません。逆にデザインクオリティの高い物件を造ると「ゲスト層の質・収益性向上→ルールを守って綺麗に使って頂ける為、物件コンディションも保たれる→ストレスフリー運営」と良いスパイラルの構築に繋がります。
改めて内装は「非日常感と他物件との差別化」の2点、徹底的に拘りたいポイントですね。


2位:立地環境悪い
そもそも海が見えなかったり、眺望も悪くリゾート感「0」立地、ビーチや飲食店・商業施設まで遠く、アクセスが悪い、住宅街、昔からある集落地域、海はあれどリゾート感が少ないエリア(漁港近く・南部サトウキビ畑エリア・北部ディープな大自然エリア等)色々ありますがシンプルに皆様がイメージされる「リゾート(青い海・白い砂浜・絶景眺望等)」要件を抑える事がとても重要です。

3位:集合住宅タイプ個室(※特に居住者もいらっしゃる混在物件や賃貸物件)
過去経験則からも、成功事例が非常に少ないタイプの物件です。まず第一に物理的に延べ床面積が狭い事が言えます。次に居住者混在物件の場合「騒音・ゴミ出しルール無視・駐車場トラブル等」居住者との間でいさかいが絶えず、管理する側もオーナーサイドも疲弊してきます。目的・用途の違う人々が同じ建物に同居するので問題が起きて当然と言えば当然ですね。かくいう私個人も逆の立場で考えたら単純に嫌です(笑)
あと、賃貸物件の場合等も原状回復観点や規約問題から内装変更が難しく前項で触れた宿泊業向きの内装を作成する事が困難な為、不向きと言えます。

しかしながら全ての集合住宅タイプがNGという訳ではなく、中には特例もございます。それは物件全体が元々宿泊用途のリゾートマンションで、1フロア1世帯(延床30坪)等戸建て物件と遜色ない物件の場合は良いです。
<まとめ>
いかかがでしたか。
一口に沖縄で宿泊業開業と言っても、いろいろな観点からみるとおのずとどこでどういった物件で始めるか見えてきたのではないでしょうか。もちろん全ての条件を兼ね備えた物件は簡単には出てこないとは思いますが、皆様のご要望・諸条件と照らし合わせご自身にとって最良の物件を見つけて頂けましたら幸いです。
最後に開業時期は、狙う時期の1~2ヶ月前がお勧めです。
例えば最盛期(7・8月)を照準にした場合「5・6月」に開業して、レビュー構築・試運転等本番に準備を整えてから最盛期を迎えるのが理想です。

収益物件購入、開業ご検討の方いらっしゃいましたらお気軽に私田村までご連絡下さいませ。ではまた次回お会いしましょう

沖縄でおすすめの宿泊施設はこちらからご確認ください
https://www.alphabed.jp/special/okinawa

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田村浩彦

株式会社One Note営業統括部長
田村浩彦(タムラ ハルヒコ)
東京都出身/沖縄移住歴11年目。
2020年あなぶきグループ入り。
2017年12月「株式会社One Note」入社

【主な業務】
運営代行物件の新規開拓、開業コンサルティング、既存クライアント様ケア、不動産売買仲介、土地建物仕入れ・査定、別荘・留守宅管理業拡販、関連企業様との各種業務アライアンス開拓、
最近は離島宮古島開拓に注力させて頂いております。

沖縄でのリゾート用地、建物又は移住・収益物件お探しの方は田村まで。
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