こんにちは。あなぶきハウジングサービスの松井です。これから秋にかけて、特に10~11月は防災訓練や消防訓練を実施する分譲マンションが多い時期です。今回は過去に私が参加した分譲マンションの消防訓練の事例も交えてマンションにおける防災訓練についてご紹介いたします。
防災訓練や消防訓練は何故実施するのか
2011年3月の東日本大震災や2016年4月の熊本地震において多くのマンションが被災しました。「いつ」、「どのような」災害が発生するかは誰にも分かりません。マンションは多くの家族が共同生活しているだけでなく、一軒家に比べて各種消防設備や防災備蓄品を設置していることも多く、“マンションだからこそできる防災”も少なくありません。
万一の事態に備えて訓練をしておくことで、被災時の迅速な対応や復旧に寄与するとともに、居住者の防災意識向上につながります。
訓練の種類
避難訓練
火災や地震発生時には通常エレベーターが使用できないため、階段を使って避難します。
訓練の際には、実際に火災警報を発報させて、住戸内から1階の共用部まで避難することも多いです。
通報訓練
今回はデモ機を使って、消防署員の方と実際に通報電話をおこないました。
消火訓練
実際の消火器と同じ動作で使用できる水消火器を利用します。
AED使用訓練
最近はAEDを設置しているマンションも多くなってきました。万一の際には利用できるようにしておきたいものです。
はしご車を利用した訓練
テレビで見たことがあるような消防車のハシゴですが、実際に自分のマンションで使用する場合を想定した駐車位置やハシゴが届く範囲を確認しておくことで安心できます
煙体験
地震や火災で注意すべきことのひとつに「煙による被害」があります。火災による死者に関して言えば火傷ではなく煙を吸い込み一酸化炭素中毒などで死亡することが多いと言われています。また避難する際に煙により前が見えない状況になりますので、どれくらい視界が遮られるか事前に体験しておくことが重要です。
非常食の試食
非常食や水をマンション単位で備蓄しているケースが多くなってきました。非常食を訓練の機会に実際に試食してみるのも良いですね!
補助金の活用
自治体によっては町内会(自治会)としての防災活動に対して助成金が支払われるケースもありますので、一度確認してみても良いと思います。
マンションや地域とのコミュニティ形成につなげる
マンション生活においては他の住戸の方と接する機会が少なく、 コミュニケーションを取りにくい環境にあると言われています。 しかし居住者間の親睦が深まることで 万が一の災害時の避難や管理組合の意思決定において大きな力を発揮します。訓練を通じていざという時や異変に気付いた時にこそ機能する『助け合い』ができる、コミュニティ創りの一助になると思います。
また、マンション内はもちろん地域とのコミュニティ形成にもつなげていくことができます。
まとめ
今回ご紹介した訓練の他にも、マンションの状況に応じて様々な状況を想定した備えが必要となります。また、マンション毎に消防署へ提出している消防計画の中にも定期的な訓練をすることが定められていますので、訓練を未実施のマンションにおいては一度計画してみてはいかがでしょうか。
参考記事
松井 久弥
2000年あなぶきハウジングサービス入社。
全国10都道府県において、管理担当・リプレイス営業・新規拠点立上げ・部門責任者に従事。特にマンション管理会社のM&Aにおいては、案件化からデューデリ・譲渡契約・お客様対応全般・統合後プロセス(PMI)までを実践。
マンション管理士、M&Aシニアエキスパート。
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