こんにちは。あなぶきセザールサポート飯野です。
以前、民泊について、住宅宿泊事業(民泊)のメリット・デメリットを記事にしましたが、その後皆さんのマンションでは住宅宿泊事業(民泊)について話合いは行われていますか?
もし管理組合で民泊を禁止にする方向で進めていく場合、まだ話合いがなされていないところは3月14日までに話合いを行う必要がありますよ。
本日はその理由について解説します。
目次
- 住宅宿泊事業法(「民泊新法」)について
- 対策1(管理規約変更)
- 対策2(理事会・総会決議)
- まとめ
・住宅宿泊事業法(「民泊新法」)について
この住宅宿泊事業法(「民泊新法」)の施行は2018年6月15日です。ご存知でしたでしょうか?そしてこの法律の全面施行に先立ち2018年3月15日から住宅宿泊事業法(「民泊新法」)の届出が開始されます。この届出は市町村を経由して都道府県知事となりますが、この届出が出されるまでに管理組合で民泊(住宅宿泊事業)を禁止にしておくことが望ましいです。いったん届出が出された後に禁止措置をとっても届出者との間でトラブルとなる恐れがあります。
・対策1(管理規約変更)
住宅宿泊事業(民泊)を管理組合で禁止する場合は標準管理規約で以下のとおり示されています。
第12条 区分所有者は、その専有部分を専ら住宅として使用するものとし、他の用途に供してはならない。
2 区分所有者は、その専有部分を住宅宿泊事業法第3条第1項の届出を行って営む同法第2条第3項の住宅宿泊事業に使用してはならない。
住宅宿泊事業(民泊)を禁止するのであれば、届出が開始される前までに管理規約の改正を行っておくことが望ましいです。
しかし管理規約の改正は標準管理規約で特別決議(組合員総数の4分の3以上でかつ議決権総数の4分の3以上の賛成)で決する必要があります。短期間での決議が困難な管理組合も多いかと思います。
もし届出が開始される前に管理規約の改正が間に合わない場合は次の対策2(理事会・総会決議)をご覧ください。
・対策2(理事会・総会決議)
住宅宿泊事業(民泊)の届出が開始される前に管理規約の改正が間に合わない場合の対策として、理事会もしくは総会で禁止する旨の決議をしておくことが望ましいです。
規約変更と違い強制力はありませんが、少なくとも管理組合として住宅宿泊事業(民泊)が禁止であると明確に示しておき、届出が開始されないように対策をしておく必要があります。管理組合として住宅宿泊事業(民泊)は認めない方針であるかどうかを決め周知することで、住宅宿泊事業(民泊)の届け出をさせないようにする効果が期待できます。しかし規約上は住宅宿泊事業(民泊)禁止となっていないため、できるだけ早急に規約変更を進める必要はあります。
・まとめ
通常の区分所有マンションはあくまで居住用で建てられているため、旅行者等不特定多数の宿泊者を受け入れる用途としての利用は向いていないことがほとんどです。住宅宿泊事業(民泊)をマンション内で受け入れるかどうか2018年3月14日までに必ず審議しましょう。
飯野琢磨
前職では大工や建築積算を経験。入社後、マンション修繕工事のコンサル業務、分譲マンションのリプレイス営業、分譲マンションのフロントを経験。
マンション管理のことについてはもちろんのこと、リフォームやリプレイスなどさまざまな視点から幅広い情報を提供します。
所有資格:一級建築士・マンション管理士・管理業務主任者・宅地建物取引士
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