分譲マンションの居住者は町内会費を支払わないとダメ？

毎月徴収される町内会費…。

今回は、
「何に使われているのか分からない」
「そもそも支払いは義務なの？」
「分譲マンションに住んでいるから不要なんじゃない？」
といった疑問にお答えします。

一戸建て住宅には無い『分譲マンション特有の町内会との関わり合い』についてもご紹介します。

マンション管理組合と町内会の違い

マンション管理組合と町内会は、「組織の目的」　「構成員」　「加入の強制性」　の3点において明確な違いがあります。ひとつずつご説明していきますね。

「組織の目的」

「構成員」

「加入の強制性」

マンション管理組合は、マンションを適正に維持、管理そして運営していくための組織であることから、全てのオーナーの加入が法律で義務付けられています（マンションのオーナーになった時点で自動的に加入）。
それに対し、町内会は、地域生活を向上させるという目的と共に地域コミュニティの形成・活性化を目的とした任意団体です。したがって、町内会の構成員はその地域に暮らす人々になります。任意団体なので、加入が法律により義務付けられていないため町内会に加入するか否かは自由です。

町内会の役割

町内会は任意加入団体であることから、加入するべきか否か悩む方も多いと思います。
そこで、町内会が具体的に“どのような活動を行い、どのような役割を果たしているのか”代表的なものをご紹介いたします。

防災・防犯活動、回覧板等による地域情報の連絡、地域イベントの開催などはご存知の方も多いとは思いますが、『道路にある街灯の維持』や『ゴミ集積所の確保・清掃』が町内会によって行なわれている場合があることは意外と知らなかった…という方も多いのではないでしょうか。

なお、ここで紹介する内容は一例であり、これとは異なった活動をしている町内会も数多くありますので、正確にはお住まいの地域の町内会の活動を調べてみることをお勧めいたします。

町内会費の強制徴収の違法性

最後に、“本当に町内会費の支払いは個人の自由意思で決めることができるのか？”
ここでは過去の判例をひとつご紹介します。
平成17年4月26日の最高裁で自治会の入退会のついて次のような判決が出されています。

自治会が，会員相互の親ぼくを図ること，快適な環境の維持管理及び共同の利害に対処すること，会員相互の福祉・助け合いを行うことを目的として設立されたものであり，いわゆる強制加入団体でもなく，その規約において会員の退会を制限する規定を設けていないという事情の下においては，いつでも当該自治会に対する一方的意思表示により退会することができる。

出典：裁判所HP　最高裁判例

つまり、一般的な自治会（町内会）は強制加入団体ではないため、一方的な意思表示よって退会できるということです。

まとめ

町内会への加入は任意ですので、町内会費の支払いも任意となります。
もし、町内会費の支払いを拒否する場合は「町内会からの脱会の意思があること」をしっかりと伝えておく必要があります。
しかし、退会することにより町内会活動から得られるメリットを享受できなくなるデメリットがあるのも事実です。
任意であるからこそ、まずはご自身が住んでいる地域の町内会の活動に関心を持っていただき、その実情を把握することから始めていただけたらと思います。
大切なことは、印象だけで判断せず、自分で確認をして判断することです。

分譲マンションで町内会に加入して得られる一般的なメリットについては、以下の記事でご紹介していますので、こちらもご確認くださいね。

⇒分譲マンション居住者必見！町内会に加入する３つのメリット

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