コロナ禍におけるマンション管理組合の理事会開催のポイント

立花晴太郎

はじめまして。あなぶきハウジングサービス仙台営業所の立花です。
現在、分譲マンションの管理部門で主に東北エリア管理物件の統括、新規受託営業などに携わっています。様々なマンションと関わらせていただいた経験をもとにお役立ち情報を発信できればと思っております。

さて、コロナ禍で私たちの生活スタイルもすっかり変化し、分譲マンションの管理を取り巻く状況についても様々な変化がありました。
分譲マンションにおいては、居住者の皆様が快適に生活するための諸問題の対応、マンション共用部の修繕工事対応等のため、管理組合の業務執行機関である理事会を開催する必要があります。従来、理事役員の皆様が膝を突き合わせ活発な議論が交わされていた理事会についても、様々な変化がありました。
今回はコロナ禍において、対策を行いつつ理事会運営を工夫して開催している管理組合(当社で管理させていただいているマンション)の取り組みをご紹介します。

管理組合としての対応

3密をつくらない

従来の理事会のシチュエーションといえば、まさに「3密」となることが多くありました。こちらの管理組合はマンション近くの喫茶店などで理事会を開催していましたが、コロナ感染対策として公共施設などの定員に余裕があり、窓が設置されている広めの集会室を確保するように変更されました。出席される方同士の距離を十分にとり(隣の人と手を伸ばしても届かない距離・2メートル以上を目安)ソーシャルディスタンスを保つように席を配置しています。また、十分な広さのスペースであっても換気は重要ということで、窓を開けて換気を行いながらの会議となりました。

会議時間を短く

更に感染リスクを少しでも低減させるよう、会合を極力短時間で終わらせるため、理事会の資料は事前に理事役員へ配付し、原則出席される方には前もって資料を確認していただいたうえで参加する形へ変更しました。そうすることで会議自体もスムーズに進行するようになりました。従来は会議時間が2時間以上になることもしばしばありましたが、出席者全員が会議時間を意識することで大幅な短縮につながり、概ね1時間以内に終了することができました。一般的に人が集中できるのは、50分~1時間と言われているそうですが、極力短時間で会議を行うことで、コロナ感染対策だけではなく、集中して会議に参加できるようになり、より内容の濃い理事会となっているようです。

オンラインも活用

こちらの管理組合では、実際に出席される人数をできる限り少なくして感染リスクを下げようと、ZoomやLINEなどのWeb会議サービスを活用し、希望する理事役員はオンラインでも参加できるようにしています。現地で参加する方、オンラインで参加する方それぞれの事情に応じて都合の良いスタイルで理事会に参加しています。オンラインでの参加者も実際現地で意見を交わすのと同じような感覚で、活発な議論が繰り広げられました。

また、修繕工事検討に際して、業者の方から説明を受ける場面もありましたが、オンラインで出席いただくようお願いしました。話がうまく伝わるのか?と心配しましたが、こちらも説明・質疑応答までスムーズに行われていました。

理事会出席者の声

「まだ終息が見えないなか、実際に集まって会合を開くのは少し不安な部分をありましたが、十分に感染予防対策を行ったうえでの開催でしたので、安心して出席できました」

「コロナ対策として実践した会議時間短縮の取り組みが、結果的に理事役員の負担減にもつながっている」

「居住者の高齢化も進み直接集まる形での会議を望んでいる理事役員も多い。WEB会議システムもとても便利ではあるが直接顔を合わせて会議をすることで生まれる意見もあると思う。当マンションにとって一番良い理事会の形を今後も模索していきたい」

管理会社からの提案

管理会社としても管理組合の皆様に安心して会議に参加いただけるよう様々な提案を行っています。

飛沫防止パーテーション

マンション内集会室で理事会を開催している管理組合など、ソーシャルディスタンスの確保が難しい場合もあります。その対策の一例として、比較的安価で簡単に設置できる段ボール製のパーテーションが便利です。段ボール製なので女性でも簡単に移動することができ好評をいただいています。

まとめ

コロナ禍において、管理組合の会議の開き方も、新たなスタイルが定着しつつあります。従来に比べて不便に感じることも多くありますが、逆にコロナ禍の取り組みをきっかけにもたらされたメリットもあるようです。

今回ご紹介した管理組合のように、現地参加、オンライン参加それぞれの都合で参加方法を選択できるようにしているケース、集合形式ではなく全員がそれぞれオンラインで出席するケース、管理組合によってスタイルは様々です。

やはり最近はコロナ禍の影響もあり、自宅や職場などから会議に参加できる「オンライン理事会」の開催についてのお問合せも増えてきておりニーズの高まりを感じています。当社としても積極的にサポートしておりますので、ぜひお問合せください。

「オンライン理事会」についての記事はこちら
コロナ禍においてもIT技術を活用した『オンライン理事会』進行中!!

当然マンションによってお住いの方の環境が異なりますので、それぞれの管理組合に適した方法で皆様に安心して会議にご参加いただけるよう管理会社として今後も様々な提案してまいります。

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立花晴太郎

あなぶきハウジングサービス 立花 晴太郎(たちばな せいたろう)
宮城県仙台市出身。分譲マンション管理(フロント)業務、新規受託営業に従事し、様々な地域の様々なマンションに携わらせていただきました。「より快適なマンション」へのヒントになるような情報を提供していきます。
保有資格:マンション管理士、管理業務主任者、宅地建物取引士、マンション維持修繕技術者
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