こんにちは。あなぶきセザールサポートの松井です。
今回は、当社に管理会社を変更いただいた分譲マンションの事例をご紹介します。
以前(と言っても10年以上前)と比較して、分譲マンション管理会社の変更は頻繁におこなわれるようになりました。
あなぶきグループにおいても、これまでに350棟以上の管理会社変更実績がありますが、今後も益々競争激化による管理会社変更の流れは続くと思われます。
目次
- 案件概要
- 管理会社変更に至った経緯
- スケジュール
- 見積り提出
- プレゼンテーション
- 管理会社変更総会
- 引継ぎ
- まとめ
案件概要
◆所在地 東京都墨田区
◆戸 数 100~150戸
◆管理会社 大手デベロッパー系管理会社
◆その他 コンサル会社による変更案件
管理会社変更に至った経緯
現行管理会社との契約を10年以上継続している中で、以下のような問題が発生していました。
☑ 契約書の業務仕様書どおりにサービスがおこなわれていない
☑ マンションの将来を見据えた提案がおこなわれない
☑ 管理組合への事前相談なく、管理会社が独断で業務をおこなっている
このような問題を解決するために、管理会社の変更も視野に入れて管理サービスを見直しすることになりました。また、理事会だけでは判断できない部分をサポートしてもらうために、専門家であるマンション管理士事務所に見直しコンサルティングを依頼した案件でした。
スケジュール
☑ 6月 マンション管理士事務所からの参加案内
☑ 7月 現地説明会 ※10社以上
☑ 8月 見積り提出 ※10社
☑ 8月 理事会にて一次選考(見積り・提出書類にて選考) ※10社→6社に選考
☑ 9月 プレゼンテーション ※6社実施
☑ 9月 理事会にて新管理会社を選定 ※6社→1社を内定
☑10月 臨時総会にて管理会社変更
見積り提出
見積りの提出にあたって、事前に現地説明会が開催され、建物・設備を確認した上で各社が共通の仕様書に基づき見積書を提出しました。今回は10社を超えるエントリーがありましたが、見積り参加条件として、一定規模以上の管理戸数を有する会社であることが定められていたため、参加会社は大手管理会社が中心となりました。
理事会が考える管理会社選考ポイントとしては、金額よりも、管理組合の立場に立った運営・提案をおこなうパートナーとして信頼できるかどうかを重視していると感じましたので、提案資料については、マンション現地を確認した結果を踏まえて、具体的にマンションでの改善点や当社であれば提案したい項目について、熱い思いを記載して提出しました。
プレゼンテーション
各社からの見積りと提案書が出そろい、理事会での一次選考の結果、何とか10社中6社に残ることができました。
その後、次のステップであるプレゼンテーションについて、下記のような連絡をいただきました。
<プレゼンテーション概要>
◆日 時 ○月○日(○)○○時~○○時
◆時 間 1社につき45分(質疑応答含む)
◆種 別 全区分所有者に対する公開プレゼンテーション
◆条 件 営業担当者、担当予定者(フロント担当者)、フロント担当者の上司、の3名は必ず出席すること
◆決 定 6社の中から1社を内定する
数十人の所有者が参加されたプレゼンテーションでは、通常の管理提案だけでなく、マンションの特性やお困りごとを踏まえて、当社が管理サポートした場合の具体的な提案を実施しました(下記は一例です)。
※外部オーナー向けの1室賃貸管理サポート
※外国人向けの3ヶ国語の案内文
コンサル会社だけでなく出席区分所有者からも多くの質疑をいただき、持ち時間をオーバーしてしまいましたが、プレゼンの結果、並みいる大手管理会社の中から当社を内定会社にお選びいただきました。
管理会社変更総会
理事会において、正式に当社を新管理会社に決定いただいた後、臨時総会の開催準備に入りました。また、総会に併せて、当社の契約内容に関する重要事項説明会を開催する必要があることから、契約書の最終確定作業に取り掛かりました。
今回の管理会社見直しについては、全区分所有者にしっかりと周知をおこない、都度の経過報告や公開プレゼンテーション開催など、透明性を重視して進めていたことから、臨時総会では満場一致で管理会社変更が承認されました。
引継ぎ
通常、管理会社変更総会から3ヶ月程度の引継ぎ期間があります。この間に、新旧管理会社による引継ぎを始め、管理費等の口座引落し手続き、新しい管理員の採用・研修、建物・設備の保守会社の切換え、所有者や占有者の皆様へのお知らせ配布等、様々な業務をおこないます。
当社では、管理開始前でも営業担当者とフロント担当予定者が理事会へ参加して、引き継ぎの進捗や問題点について、都度、理事会や理事長へ報告していますので、今回もスムーズな引継ぎをおこなうことができました。
また、管理開始に先立ち、社内の関連部署を全員集めて、事前の勉強会を開催しています。これは、営業担当部門だけでなく、管轄支店の全社員・管理員・マンション会計担当までが、管理会社を見直すに至った経緯やお客様の期待値を把握して管理をスタートするために実施しているもので、絶対に必要な勉強会であると考えています。
まとめ
今回のケースでは、理事会の合意形成が十分に整っていたことと、コンサル会社のサポートもあり、スムーズな管理会社変更となりました。また、10社を超えるエントリーの中から当社を選んでいただき、営業担当者および管理フロント担当者は「絶対にお客様(=理事会)の期待を超える」という強い気持ちを持ってスタートしました。現在、管理会社切換えから4年が経過しましたが、管理組合の良きパートナーとして、強い信頼関係を築けており、理事会の皆様からも「管理会社を変更して良かった」と、ありがたい言葉をいただいています。
松井 久弥
2000年あなぶきハウジングサービス入社。
全国10都道府県において、管理担当・リプレイス営業・新規拠点立上げ・部門責任者に従事。特にマンション管理会社のM&Aにおいては、案件化からデューデリ・譲渡契約・お客様対応全般・統合後プロセス(PMI)までを実践。
マンション管理士、M&Aシニアエキスパート。
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