こんにちは、あなぶきセザールサポートの久米です。
前回に引き続き、収支報告書の勘定科目についてご説明します。今回は支出の部の科目です。管理組合の費用(支出)はマンションの形態や立地している場所、管理会社に委託しているか、またその委託内容によっても様々です。まずは基本的な支払科目についてご説明します。
- 管理委託料
- 公共料金等(水道光熱費・通信費)
- 保険料
- 修繕費
- 支払手数料
- まとめ
管理委託料
管理委託料とは、管理会社にマンションの管理業務を委託し支払う費用の事です。一般的にはほとんどのマンションがその管理を管理会社に委託しています。管理組合によって委託している業務は違いますが、管理委託料には以下のような業務が含まれています。
管理委託料の金額や詳しい内容については管理委託契約書で確認することができます。
①事務管理業務
②管理員業務
③清掃管理業務
④設備管理業務
公共料金等(水道光熱費・通信費等)
管理組合会計で計上される公共料金は下記のようなものがあります。
①水道光熱費 … マンションの共用部分等で使っている電気料金が計上されます。エントランスや廊下の共用部分の照明やエレベーター、給水ポンプなどを動かすためにも電気料がかかってきます。また、水道料としてマンションの清掃などで使うための水道料金が発生します。
②通信費 … 管理事務室に電話やFAXがある場合発生します。また、緊急対応のための機械警備用として回線を引いている場合もその回線使用料が発生します。(また、公共料金ではありませんが、郵便代なども通信費に含めます。)
※管理事務室の公共料金に関しては管理組合と管理会社で協議してどちらが負担するかを決定します。管理事務に要する費用の負担については管理委託契約書をご確認ください。
保険料
マンションの共用部分(エントランス・共用廊下・駐車場)等にも何かあったときのために保険に加入しています。共用部分の火災保険料、地震保険料その他の損害保険料は保険料で計上されます。
長期保険に加入した場合は支払った保険料を加入年数で割り、毎年保険料を計上することが良いでしょう。
修繕費
マンションの共用部分等の修理代です。経常的で軽微な修理は管理費会計、大規模修繕工事等の計画修繕は修繕積立金会計で計上します。
企業会計では大きな修繕工事をした場合資産として見なされ、固定資産で計上する場合がありますが、マンションの大規模修繕工事を行ってもその敷地や共用部分については区分所有者の皆さんの所有物であり、管理組合が新たに所有権を持つわけではありません。ですので管理組合の会計上、固定資産として計上することは妥当ではないと考えられています。
支払手数料
管理組合で計上される支払手数料には下記のようなものがあげられます。
①口座振替手数料 … 区分所有者から管理費等を徴収する際に収納会社や金融機関に支払う手数料です。
②振込手数料 … 修繕費等を業者に銀行振込で支払う場合に発生する手数料です。
③残高証明書発行手数料 … 決算日の預金残高を証明するために金融機関に残高を証明してもらう書面です。
まとめ
今回は支出の部の勘定科目についてご説明しました。今回はおおまかな科目についてご説明しましたが、必要であれば細かく計上することもできます。わかりやすくなる半面、あまり細かすぎると会計の管理も複雑になりますので注意してくださいね。
久米 則子
新卒で入社してから経理一筋。ホテル業の経理、マンション販売の経理、マンション管理業の企業会計とさまざまな業種の経理業務に携わってきました。現在はマンション管理組合の会計業務に従事し、スピードと正確性を重視し、忙しい時こそ笑顔で!をモットーに仕事に取り組んでいます。管理業務主任者を取得し、資格を活かした会計業務のお役立ち情報をお届けしたいと思います。
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